戦い方を変えない攻撃的なペップに賛辞!

先日のチャンピオンズの準決勝のファーストレグは、バルセロナがバイエルンに3対0で勝利した。セカンドレグが残ってるとはいえ、主力が抜けているバイエルンに逆転の可能性はほとんどないだろう。

バルセロナを相手にしてペップがどのような戦い方をするかは注目が集まったが、最終的には真っ向勝負の攻撃的なサッカーで対峙してきた。

今回は「バルセロナ相手に自分のスタイルを崩さなかったペップ」というテーマです。

自分の哲学とチームを最大限に信頼したペップ

怪我人で主力を欠いたバイエルンは、試合が進むにつれて攻撃のスイッチがないことを露呈した。パスワークでバルサの中盤を何度も破ってはいたが、そこからの迫力は皆無に近かった。

恐らくペップはこのことをある程度予測できていただろう。リベリ、ロッペンがいない中、バルセロナから得点を奪うにはボールを支配し、何度も攻撃を仕掛ける必要があると感じていたはずだ。

そして、それをペップは遂行した。アウェイゴールを奪うために、バルセロナの攻撃を防ぐために、ボールの支配率でバルサを上回ることに成功した。数字はいろいろ出ているが、僅差でバルサを上回った。

しかし最大の誤算は、バルセロナの守備力が予想以上に高かったことぐらいだろうか。中盤の選手が必死に戻りバックラインの選手と囲い込み、バイエルンの攻撃のドリブルなしのパスだけでは限界を感じさせた。ネイマールがしっかり左サイドをカバーしたのも、最近ルイス・エンリケが取り入れた守備の形であった。

激しいプレスで中盤勝負とボールの支配率勝負を挑んできたペップは、試合後のコメントにあるように「サッカーはボールを持ちながら守備をしつつ、チャンスを作ることを目指さなければいけない」と発言しており、その自分の哲学を実現しようと試みてきた。

真正面から勝負を挑んできたペップの戦い方は、バルセロナのレジェンドだからというだけではなく、1人の監督として称賛に値した。

もしバイエルンの監督なら守備的だったはず・・・

バルサファンの中でもしバイエルンの監督をしていたなら、守備的にカウンターのサッカーで戦う人は多かっただろう。それは今も昔もバルセロナが最も苦手とするチームである。

カウンターで時間とタメを作られれば、バルセロナは継続した攻撃ができず、自分達が主導権を握った感じがしないチームである。そして、少ないだろうが対戦相手は1試合に数度の決定機も訪れるだろう。

バイエルンならレバンドフスキーを中心にある程度カウンターが出来ただろう。チャンスという点では限られるかもしれないが、それでも結果的に3得点は奪われることはなかっただろう。

3バックのベナティア、ボアテング、ハビ・マルティネス(ダンテ)を中心に真ん中を固め、両サイドにラフィーニャとベルナトのファイブバック気味で挑めば、バルセロナは容易にチャンスを作れないだろう。中盤はミュラーがブスケッツを見て、ラーム、シャビ・アロンソ、シュバインシュタイガー(チアゴ)で中央へのパスコースを切り、サイドにボールを追いやればそこまでの効果的な攻撃をバルセロナは出来なかっただろう。

しかし、ペップは真っ向勝負でバルセロナにスコアが動く可能性が高くなる半面、自分達の得点の可能性も高めようとしてきた。結果的にはメッシの個人技を筆頭に大差がついてしまったが、ペップバイエルンはアウェイゴールを奪うためのコンセプトとしては、全く間違いではなかった。

奇策にはならない・・・3バックとマンマーク

バイエルンはバルサ対策として、3バックは試合序盤積極的に取り入れていたことは見てとれたが、自分はマンマークに正直全く気付かなかった。

それだけマンマークが機能していなかったように感じる。中盤の激しいプレスは感じていたが、ビエルサ時代のビルバオよりマンマークではなかった。マンマークだけならこのビルバオの方が、戦術的にもプレッシャーでも明らかに上だった。

また、一般的に3バックは奇策と出ているかもしれないが、ペップはバルサ時代にカウンターの強いレアル相手に何度か3バックで守ることを試みていた。中盤から前線に良いパスを送らせないことで、レアルのカウンターを封じた戦いも見てきた。その為ペップの3バックは恐らく、バルサの選手達に全くのサプライズではなかっただろう。

ほぼ奇策なくバルセロナに挑んだペップの思考は分からないが、今のチーム状況でベストを尽くした感はあった。

この試合ではペップバイエルンとエンリケバルサが真っ向勝負した試合であり、カンプノウということもあり少しバルセロナが優勢に試合を進めることになった。フィニッシュではメッシの存在が違いになったが、チームの力では大差がなかった奇策ない試合であった。

 
 

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