《質問》バルセロナは今冬同様に16年夏以降も補強予算は出ないのか?

質問があったので回答します。

「441」さんより

「質問です。“バルサの補強予算について”。冬の移籍市場で、補強予算が限られているので、ノリートなど少々高額の選手の獲得は難しいらしいですが、それは16年夏以降もネイマールなどを売らない限り大型補強等はできないということなのでしょうか?」(一部修正あり)

「441」さんコメントありがとうございます。あまりクラブの経営面には詳しくないので、補足や間違っているよという場合は知っている人がコメントに残してくれるとありがたいです。

見解・回答

・クラブ規約で今季は資金を出せない

来季の補強に対して不安に感じているかと思うのでまず結論から言いますと、補強予算がほとんど出ないのは今冬に限った話と考えて良いです。

ヨーロッパのサッカー界では基本的に7月から新しいシーズンと考えられ、6月30日が最終日となっています。選手契約も基本的にはこの6月30日締めの契約で大半は契約されているはずです。基本的にはその国のシーズン期間で締め切り日は変化すると思います。

バルセロナの1期(1年)は7月~6月までと考えられ、クラブ規約によってバルセロナは今冬の1月に資金を捻出できなくなっています。そのクラブ規約とは

昨季終了時の負債額をEBITDA(税引前の利益に、特別損益、支払利息、および減価償却費を加算した値)と比較すれば、比率は2.75以内でなければならなかったところ、3.2まで増加しているらしいです。昨季終了時に4100万ユーロの負債が増え、総負債は2億8700万ユーロから3億2800万ユーロに増えた模様です。

頭の良くない自分にはEBITDAがイマイチピンときませんが、ように健全なクラブ運営をする為に負債額を大幅に膨らませるのを禁止しているという規約だと考えて良いでしょう。この数値をオーバーしたら2年猶予が与えられ、それでも改善されない場合は理事会の退陣が討議され会長選挙を行う可能性があるらしいです。

バルドメウ現理事会は今期にこのクラブ規約に引っかかる可能性があるだけで、来季に健全なクラブ経営をすれば基本的には問題ナシと考えて良いらしいです。資金が捻出できないのは今季の年内の6月までと考えて良いと思います。なので、最近ではこのクラブ規約を破らない手法でノリートの獲得をこの冬に画策している模様です。

この冬ではレンタルでノリートをセルタから獲得し、夏の来季になる所で移籍金を支払うという買い取りオプション付きのレンタルで獲得するという噂があります。これならノリートの移籍金の支出は来季計上になるので、今季の支出額を増やさずとも選手を獲得できる手法らしいです。

 

・選手年俸(人件費)はバルセロナの大きな問題

近年のバルセロナ在籍の選手年俸の負担は高額な割合(総収入の約70%を超える数字)になっており、このままだと近い将来に財政を圧迫するので高額年俸者を放出しなければ、という感じで元会長であるラポルタ氏が「ネイマール放出も考えなければ」と発言していましたね。運営面が健全クラブでは選手年俸の割合は55%以下としっかり押さえこんでいるはず。サッカー界ではバルセロナは相当高い数字に。

ヨーロッパのサッカー界では日本の野球界と違い、基本的に選手年俸が下がることは考えにくい(選手が年俸引き下げに納得しないと言った方が良いかもしれません)。基本的にそのクラブに在籍し続ける限り契約延長と共に年俸は上がっていく感じであり、バルサの最近の成功も考えれば選手の年俸が上昇していくのに不思議はないでしょう。

ネイマールの年俸もメッシに次ぐサッカー界2番目で契約延長するなど噂されており、正直財政上バルセロナにこの余裕はないでしょうという感じ。また、バルセロナが外部から大物を獲得すれば自ずと選手年俸は高い選手であり、基本的に今のバルセロナは主力クラスの高学年俸者を放出しない考えなので、年俸負担がどんどん上がっていくとも考えれるでしょう。

 

・解決策は収入を上げるか支出を下げるか

バルサの財政が現状は良くない状況ではありますが、これを解決するには簡単に収入を増やすか、支出額を下げるかだと考えられます。

収入を増やすには、新たなスポンサーを見つけたり、グッズなどの売上を上げるなどが考えられます。最近ではカンプノウのスタジアムのネーミングにスポンサー名を入れることで、収入を増やすかもと言われています。

支出を下げるには、基本的には選手年俸額にテコ入れがされる可能性が高いと思われます。高額年俸者などの選手を放出して選手年俸額を下げて、支出を抑えることは可能です。または近年捻出していた移籍金を制限して大型補強は行わず、移籍金の支出を出さないというのも1つの手です。1番シンプルで良いのは選手年俸を見直すというのが最もクラブ運営としては助かりそうですが、これが1番難しそうなミッションかもしれませんね。

現バルドメウ理事会は収入を増やすことに躍起になっているようですが、そう簡単に収入が増えるのかなという疑問は拭えないですね。最悪選手を放出するしか方法はないのかもしれません。

 

・負債額0を目指してスピードアップしてみては

この財政状況でも年俸を大幅アップして契約延長するというのは、なかなか自分には理解しがたい部分ではありますね。段階的に年俸は上げていけばいいんじゃないのと、シンプルに思います。または1億ユーロの男を獲得するなど考えられない。そもそも来季の中盤のメンバーはパンク状態でしょと言いたい。

自分の中では起用しない選手をまずは放出して選手年俸額を下げ、それでも厳しそうなら移籍金を大幅に捻出しないという方向でいいのかなと思います。選手獲得でチーム内に新たな風は必要ですが、選手の能力自体は現バルサのメンバーに疑いの余地はないので、カンテラを起用しながら数シーズンは乗り切ると言うのがいいのかなと思います。これで負けたらビシビシ叩かれるでしょうが( ̄▽ ̄)

シンプルに負債を先に返してくれよと自分では思うので、前任のサンドロ・ロセー会長就任から負債額は下がってきていた(4億3100万ユーロから2億8700万ユーロ)ので、このペースを少し早めながら負債0をまずは目指してほしい所ですね。健全経営が1番( `ー´)ノ

ルイス・エンリケには昨冬と昨夏に補強禁止処分などもあり、希望選手が思っていた以上に獲得できないなど難しく不満な状況ではありますが、ある程度我慢してクラブを指揮してほしい所ですね。バルサの財政上ビッグネーム獲得は我慢する数年間が訪れたのかなと思います。バルサファンには市場がある夏と冬に暇にはなりますが<(_ _)>

 
 

1 Responses to “《質問》バルセロナは今冬同様に16年夏以降も補強予算は出ないのか?”

  1. cyanomibasann より:

    バルセロナの財政状況については、すでに2015決算がHPのカタルーニャ版に公開されていますので詳細は確認可能です。直近決算ですが、売上高人件費の上昇については、スポーツ面の好結果によります。簡単化すると売上高4億E人件費3億E(60%)だったところ3冠達成により優勝賞金の獲得、勝利ボーナス支払が各1億Eとすると売上高5億E人件費4億E(80%)となります。差し引きの収支状況利益ベースではさほど減益になっているわけではありません。また負債についていえば、スポーツ面の競争力次第と思われます。直近でいえば、4000万Eの投資で、無冠かつサイクルの終焉がささやかれた状況から、3冠かつ新たなサイクルの始まりを勝ち取ったわけですから、十分必要な投資であったと思いますし、負債増加を恐れ十分な投資をしなければジリ貧になっていた可能性が高かったと思います。現在のバルセロナの決算ではなにも投資しなければ1億ユーロ負債を返済する能力をここ数期維持しています。ロセイ時代はうち半分を投資に、半分を負債削減という方針であったと思います。現状では無理な投資を見送り負債削減に注力することが妥当と思いますが、スポーツ面でひずみがみられれば躊躇なく投資をすることが必要と思われ、ファンの立場としてあまりに財政健全化志向を絶対視しないようにしたいと考えています。

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