セルジ・ロベルトの起用は後方の位置が良いのか!?
リーガ開幕節のビルバオ戦で怪我したアウベスとブスケツだったが、前者は内転筋の損傷が見られ約1か月の離脱。後者は足首に損傷が見られなかったので、痛みさえ回復すれば早かったら今週末のマラガ戦に間に合うかもしれない。
アウベスの負傷で本職の右SBは全員(ドウグラスとアドリアーノも)が怪我という状況である。ビルバオ戦で急遽出場したセルジ・ロベルトが右SBで良い働きをしているので、ここからしばらくセルジ・ロベルトが右SBで使われるのは間違いない。
今回は「セルジ・ロべルトの起用方法について」というテーマです。
■ 目次
本職ではイマイチだが後方の位置では・・・合格!
現在、右SBや中盤のアンカーで頭角を見せているセルジ・ロベルトだが、元々中盤のセントラルが本職である。初めて見た時の印象はドリブルで相手の守備陣形を崩せる数少ない選手であり、イニエスタのようなタイプの選手に育ってくれればと感じていたバルサファンが多かったに違いない。
しかし現実は厳しいというか、そこまでドリブルやパスでセルジ・ロベルトが対戦相手をキリキリ舞いにさせる場面は多くない。逆にどちらかというと無難にプレーするセントラルの選手になり、前線や周りに気を使いながらパスを回してプレーしている印象が強くなっていた。
昨季からは積極性や気合いも見られ、今季は使えそうという立場でスタートしたセルジ・ロベルトであり、プレシーズンでは右SBでも起用された。それが大きく当たり、セルジ・ロベルトの評価はうなぎのぼりに上がっていた。
欧州スーパーカップに始まり公式戦がスタートしてからは、本職のセントラルでの出場になった。しかし、これがいかんせん迫力不足の印象を与えてしまう。欧州スーパーカップではイニエスタ不在後の連続失点というバランスを崩した原因の1つとも見られ、評価が下がってきていたのは事実である。
リーガ開幕時にバルサファンからは計算できる選手側に入っていなかったと思われるが、リーガ開幕のたった1試合でセルジ・ロベルトは1つの答えをバルサファンに見せたように感じる。
セルジ・ロベルトは中盤のアンカーから後ろの位置なら計算できる選手だということである。恐らくこれは間違いない事実であり、リーガ開幕節のビルバオ戦では正直スタメンのアウベスより大きな活躍をしていた。チャンスに数多く絡み、守備でも走力とカバーリング意識で右SBのスペースを守り切った。将来的というか近い将来、セルジ・ロベルトが右SBのファーストチョイスに選ばれる可能性もありそうである。
おとなし目だがしっかり走りきるのが高評価
現在のバルセロナの前線にはパスの上手さや、動き出しの良さよりも個人での打開力が何よりも重宝されている。ほぼ個人能力頼みのサッカーは否定できず、南米トリデンテはその代表例である。
セントラルのスタメンのイニエスタやラキティッチもこの南米トリデンテを輝かせる為の役割が大きく、いつかの時代のバルサは中盤が命という時代では現在はなくなってきている。
その被害ではないが、セルジ・ロベルトはおとなし目の性格と積極的に勝負を仕掛けるタイプの選手ではないので、高い位置での仕事は何か迫力を感じず、物足りなさを感じずにはいられない。それが一番感じとれたのはスーペル・コパのファーストレグであった。
しかし、中盤でバルサのカンテラ時代からゲームメイクもしてきたおかげか、後方からのオーバーラップのタイミングをセルジ・ロベルトはほぼ熟知している。セルジ・ロベルトは裏への飛び出しが上手く、スピードもそれなりにある。SBの選手にしてはテクニックがある方であり、それも申し分ない。
守備では全力疾走で戻ってくる姿が何度も見られる。最終ラインに合わせるのに慣れていなく、裏を取られるシーンもしばしばあるが、そこは頑張りと気合いでカバーしている。マークなど守備面でまだ甘そうな部分はあるものの、ポジショニングを大きく崩すことなく走力でカバー出来ている。
前線からのプレスやパスのつなぎは今までと変わらずしっかりやっているので、右SBとして使えそうという印象を与えているのだろう。守備面で向上したら、意外にもスペイン代表でビダルやカルバハルやアスピリクエタなどとポジション争いをしてくるかもしれない。
今のセルジ・ロベルトなら、最終的には左SBでも出来るのではと思えてしまうほど後方のポジションでは高評価を与えている。運動量があり、しっかり走る労力を惜しまない姿勢がバルサファンのハートをつかみかけている要因である。
このまま成長してくれればと思いながら、今シーズンの楽しみが1つ増えたとファン心理でも喜びたい1面である( ̄▽ ̄)