個人賞は何で攻撃の選手???
少し前に我らのイニエスタが個人賞であるゴールデンフットの賞を受賞した。ゴールデンフットは28歳以上の現役選手を対象とする個人賞であり、ネットの投票により受賞者が決定される。
他にもビックネームがいる選手の中での受賞は本当に価値がある。個人賞では他に、FIFA最優秀選手賞やバロンドールなどが有名な賞である。
これらの個人賞はほとんどオフェンスの選手に与えられているのが現実である。近年では、2006年のドイツW杯でイタリア代表が優勝し、守備の選手ではカンナバーロがFIFA最優秀選手賞とバロンドールを受賞したことぐらいしか私には記憶にない。
何故オフェンスの選手にしか与えられないのかを今回は書きます。
目立つオフェンスだから・・・否!!!
シンプルに目立つポジションであり、得点やアシストなど数字として残るオフェンスは、個人賞に有利とみられているのが一般的である。それは決して間違いではないだろう。
しかし、オフェンスが目立つだけで個人賞が取れていると思っている人は大きな勘違いをしていると言える。そもそもオフェンスとディフェンスの仕事の困難さが分かっていないと断言できる。
サッカーというのはミスが多く出るスポーツであり、90分を通して完璧なゲームというのは決して存在しない。もし完璧なゲームというのなら、ボールを持てばゴールが決まるのでおそらく50点は間違いなく入るだろう。
しかしそんな試合は基本存在しない。現実では1点差や2点差で勝つ試合がほとんどであり、1試合平均で3得点を決めるチームの攻撃力は、強力と言えるほどの数字である。それだけゴールは決まらないものなのだ。
なぜなら相手の選手が必死に守り、攻撃においてミスが多く存在するからである。攻撃のミスというのは、シュートミス、パスミス、トラップミス、ドリブルミスなどたくさんある。
対して守備のミスというのは起こりにくく、それが表面的に表れる事は少ない。守備のミスというのは、ポジショニンングミス、マークミス、カバーミスなどたくさんある。
ここで考えて欲しいのは、どちらのミスがよりしやすいかである。攻撃のミスと守備のミスでは、圧倒的に攻撃のミスの方が起こりやすく、起こると相手にボールを取られることがほとんどである。
対して守備のミスが起きたとしても、失点につながる事は少ない。何故なら、すぐリカバリーが出来るからである。マークが甘くても数秒後には修正出来るし、カバーが遅れてもゴール前で追いつくかもしれない。
ここまで読んで感が良い人は気付いたかもしれないが、攻撃というのは主にボールを扱う事であり、守備というのは主に走る事である。(もちろん共に頭の判断や他に必要な事はあるが、今回は忘れて欲しい)
ボールを扱うのと、走るのはどっちが難しい事であるかを考えて欲しい。ボールを扱う事であると容易に予想がつく。それだけボールを扱うという事は、サッカーにおいて難しいという事を分かって欲しい。
ここで個人賞に話を戻すと、自ずと賞を与えられる方は決まってくるだろう。(守備の選手や走る選手を馬鹿にしているわけではないので、ご了承ください)
メッシーやロナウドやイニエスタなどのオフェンスの選手が個人賞に選ばれることは、決して目立っているわけではなく、サッカーというスポーツの中で難しい事が出来る選手達であるからという事が、少しでも理解してくれたら有り難い。
バルサではプジョルやブスケッツなど優秀な守備の選手が在籍し、チームには欠かせない選手である。しかし、個人賞という所では賞を貰える可能性は極めて低いだろう。
それだけ、攻撃の選手は難しい事をしており、貴重な存在である。だから個人賞は攻撃の選手に与えられるのである。