14/15シーズン評価④ ジェラール・ピケ
今回は「14/15シーズンの選手評価、ピケ編」についてのテーマです。シーズン前の期待、その達成感と実績、来シーズンへの期待という3つのテーマで考えていきます。
※点数はシーズンを通した評価の点数。10点満点で、6点を平均点とする。
■ 目次
ディフェンスラインのリーダーへの成長と復活
ピケは昨シーズンでのバルセロナと、ブラジルW杯でのパフォーマンスレベルが低く、今シーズンには高いレベルのピケへの復活が期待された。
バルサのキャプテンでもあったプジョルが引退したこともあり、これからのディフェンスラインを引っ張っていく存在としてもピケは期待される存在になった。年齢的にもピークと言われる年を迎え、あと数年経てばベテランの1人として見られる立場になっている。
今シーズンは昨シーズンのバルサの無冠という状況もあり、ディフェンスラインを締める為とバルサの復権の為にも、ピケのプレーレベルとメンタルでの復活と成長は必須な課題であった。
前半戦は我慢の時期だったが、信頼と共にディフェンスのリーダーになった、9点
シーズン序盤は新加入のマテューの出来がとても良かったこともあり、ポジションを譲る形になっていた。バルサのCBの一番安定するコンビは、マスチェラーノとマテューのコンビに間違いなかった。この2人にはスピードがあり、高いラインでも裏などのスペースをカバーできる読みと力強さもあった。
ピケにとってはCL第2節のパリ戦が転機になった。ピケ自身は出場せずにチームは2対3の敗戦をし、セットプレーから簡単に失点をした。それもあってか、ここからルイス・エンリケはピケを重宝して起用する。
セットプレーを含めディフェンスの中心選手として起用する意思を固めたルイス・エンリケは、ピケのパフォーマンスの低さを無視して起用し続けた。スピード不足からくる反応の鈍さ、反転の遅さ、スペースをカバーできない、ラインを崩して1人だけ後方にいるなどダメな部分が目立ちはしたが、ピケの復活を信じ起用し続けた。
バルサの不安定なディフェンスラインは少し続いたが、ピケもその信頼にこたえて12月末から尻上がりにプレーに安定感が出てきた。セットプレーの守備で中央をフリーマンとして守る大事な役割を担い、少しだがスピード不足も解消された。そのおかげかポジショニングの良さが目立つディフェンスが多くなった。
今年に入ってからはチームの快進撃と共に、最終ラインには常にピケの存在がいた。高いラインを統率するディフェンスのリーダーであり、ハイボールやクロス時にピケの高さは欠かせない存在になっていた。2月ごろには昔の良かった時期の安定感抜群のピケに完全復活した。
最終ラインで上手いビルドアップも見せ、セットプレーからの得点もシーズン最多の5ゴールを記録。リーガではCBとして一番長い出場時間(2535分)を記録し、チームの3冠獲得に絶対必要な存在であった。
大木のようにさらに大きな存在に
来季は今シーズンもそうだったが、ディフェンスのリーダーとしての活躍に期待。安定したプレーでチームの堅守に貢献してほしい。プレーレベルでは今シーズンの出来を維持しながら、ディフェンス面での連携と戦術理解を高めることが求められる。
来季はそれだけでなく、年齢的にもバルサのリーダーの1人としても期待したい。プジョルやシャビがチームから去ったことにより、来季のキャプテンはイニエスタ、メッシ、ブスケッツ辺りが務めることになるだろう。
ピケ自身も入るかもしれないが、どちらでもチームのお手本のプレーヤーに成長してほしい。カンテラ所属ということもあり、ピケ自身もバルサ以外でのプレーは考えてないコメントも発しており、バルサでの引退になるだろう。
プジョルやシャビというカンテラの最大のお手本が現役を退いたこともあり、ピケには若旦那ではなく大きな大木のような存在になってほしい。来季の1年だけでは難しいが、少しずつ存在感を高めてほしい。