ルイス・エンリケ 戦術から戦略へ② パリ戦での例

昨日述べた戦略の例をパリ戦において、私の考えであるがいくつか述べたい。

相手のカウンターを防ぐ戦略

パリのカウンターは強力であり、バルサは防ぐのに大変苦労した。まずは、これを防ぐ戦略について考えていきたい。

1つ目に、相手のカウンターにおいての起点は、カバーニとルーカスの二人が中心であり、サイドに流れるパストーレを捕まえきれなかった。バルサがボールを保持している時でも前線に残るカバーニとパストーレは、マークをしっかり見る必要があるが、ルーカスに関してはアルバのマークに付いてくるので、アルバのポジションを高く設定することでルーカスの攻撃の参加の回数を下げる事は出来ただろう。

2つ目に、ラキティッチとブスケッツのダブルボランチにして、その前にイニエスタとメッシーを並べて4-2-2-2の形というのも考えられる。ラキティッチを下げる事により、低い位置でのボールキープに重心を置き、メッシーやイニエスタに良い形で入るまではじっくりパスを回すことも出来たはずだ。不用意なボールロストを減らす事が目的である。また、守備ではセンターバックとボランチの4人で連携し、時には3人で最終ラインを守り、相手の前線の2枚や攻めあがってくる1、2枚にも付いていけるように、数的不利を作らない事にも役立つだろう。攻撃力は下がってしまうが。

試合終盤に相手を崩す為の戦略

試合ラスト15分になるとパリは疲れもあり、ほぼ全員が自陣に引いてきた。カウンターである程度やられる覚悟でも、効率的に攻める戦略について考えていきたい。

1つにネイマールの個人技に頼る事である。単純にネイマールに渡してもそれは期待できないだろう。試合の中でも何回かあったが、バルサの右サイドにボールがある場合、パリの中盤は左に寄り、速くサイドを変えるとネイマールの所でファンデルヴィールとの1対1が何度かあった。この場面を意図的に作り出すのだ。まず、アウベス、シャビ、ブスケッツ、メッシーが右サイドに寄れば、パリの選手はマクスウェル、マテュィディ、モッタ、パストーレがマークを付くが、カバーにダビド・ルイス、ベラッティと同サイドに大きく釣られることになる。そこでマテューが開いた中盤のスペースに入り、ダイレクトでネイマールに渡すとマルキーニョスが辛うじてカバーに入る状況が生まれる。そこでドリブルだったり、ムニルの飛び出し、アルバが後ろからのオーバーラップなど様々なケースが想定できる。

たらればは通用しないが

こんな戦略が上手くいく事は少ないが、それでも何か自分達から動き出さなければいけない。それが今の所ルイス・エンリケには不足している。

もちろんバルサの監督はとても大変であるが、プレッシャーの中で自分のやりたい事をやりきらなければ、チームとしても大きく発展することはないだろう。

今後のルイス・エンリケの戦略を注目して見てみると、より一層サッカーが楽しく見れるだろう。

 
 

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