ルイス・スアレスの中央起用が攻撃にもたらしたもの

先日のアルメリア戦でチームがリーガ3連敗しそうな所を救ってくれた要因となるスアレス。この試合では後半開始始めからの出場となったが、出場した45分間は中央での起用となっていた。

これまでの試合では中央にメッシー、左にネイマール、右にスアレスの起用ポジションが多かったが、この試合でのルイス・エンリケはスアレスを活かす為の大きな決断をしてきた。

近年のバルセロナはメッシーが中央を陣取る形をベースとして攻撃の形を考えたが、ルイス・エンリケはその攻撃の形がもう難しいと感じたかのかもしれない。もしくは、スアレスの個人能力を最大限発揮する形の方がチームの為にプラスとなると感じたのかもしれない。

その真意は定かではあるが、スアレスの中央起用は間違いなくチームの攻撃のバリエーションを増やす事になると感じさせる攻撃をアルメリア戦では見してくれた。

今回はそのスアレス中央起用によって生まれるメリットとデメリットについて考えたい。

周りも確実に活かすスアレスの中央起用

スアレス中央起用のメリットにはスアレスの個人能力を活かすだけではなく、周りの選手の能力も大きく引き出してくれる。アルメリア戦ではネイマール、メッシー、ラキティッチがそれに大きく該当する。

スアレスを中央で起用することで相手のセンターバックの前でポストプレーという形で、攻撃の起点を作り出すことが出来る。また、サイドや裏へのランニングでのボールを引き出す能力もスアレスは兼ね備えている。もちろん得点を決めてくれるだけでなく、アルメリア戦の2アシストのようにチャンスメイクも可能である。

簡単にまとめると攻撃の起点を作り出し、チャンスを個人としてだけではなく周りと連携して作り出せるのがスアレスの最大の長所と言える。

スアレスが活きる事が出来、周りの選手のポテンシャルも引き出すことになる最大のその選手になるのはメッシーになるだろう。

前線へのパスをスアレスに通すことが出来、ドリブルで相手を抜く事も出来、左にドリブルを持ち出しながらネイマールや左サイドバックに送る事が出来るなどメッシーは様々なことが出来るようになるだろう。

アルメリア戦の前半は周りにフォローが少なく、動き出しも少ないので孤立していた感があったメッシーだったが、後半はスアレスが中央でボールを受けてくれることで、メッシー自身にも緩急の動きが起きるようになり、パスやドリブルやワンツーがより活きるようになっていた。

また、ラキティッチを右のサイドに動き出させることにより、右にラキティッチ、前にはスアレス、左の前にはネイマール、後ろにはシャビやマスチェラーノがフォローする事でパスコースが増え、メッシー自身が攻撃するのにストレスを感じることは少なかったように見えた。

このラキティッチを右のサイドに動き出させる事をスアレス中央の布陣とプラスする事により、バルセロナは1段階ではなく、3段階ほど攻撃力を高める結果になっていた。

右のサイドの守備が大変になるスアレスの中央起用

スアレスを中央で起用する事により起きるデメリットに守備力の低下が挙げられる。特にバルサの右サイドのメッシーが配置されている所に大きな弱さを見せる事になるだろう。

メッシーが守備をそこまでしなくても許されている分、右のサイドバックには大きな負担になるだろう。

この対策としての簡単な方法はメッシーがしっかり守備すればよい事が挙げられるが、結構な確率で非現実問題である。ルイス・エンリケがメッシーに守備面で多くを要求するとは思えない。

現実的な解決策としては、右からラキティッチ、ブスケッツ、イニエスタ、ネイマールと4人で中盤のスペースを消すことである。ネイマールの守備の負担が大きくなり、ネイマールの能力が活きにくい面を持つだろうが、それは仕方のないことである。

守備に不安があるのは毎シーズンのようなバルセロナだが、スアレスを中央起用する事に限らず、南米トリオ(スアレス、メッシー、ネイマール)を起用するなら、この内の一人は守備に大きく貢献しないと守備と攻撃のバランスは悪くなるだろう。

ネイマールがその生け贄になるのは可愛そうだが、年齢と選手のキャラクターを考えたらネイマールがベストな判断になる。ネイマール大変だろうが頑張ってくれ( `ー´)ノ

 
 

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