アルトゥール(グレミオ所属)獲得がバルセロナにもたらすもの(動画付)
2018年となり、欧州のサッカー界では冬の移籍市場が徐々に開くことになります。
いつものバルセロナの冬の移籍市場はほとんど動きはなく、動いたとしても緊急的な補強選手の名前くらいしか挙がらず、ほぼ興味なしと思う人は多いでしょう。
しかし今年の冬の移籍市場でのバルセロナは、戦力アップの為の補強を積極的に敢行するもようです。
様々なビッグネーム(コウチーニョ、グリーズマン)の名前が出る中、自分としてはグレミオ所属のアルトゥールという欧州では名前がそこまで有名ではない選手に注目しています。
ということで、今回は
・アルトゥールの現在の状況
・アルトゥールのプレーの良さ
・アルトゥールを補強したらバルセロナはこうなるのではないか
ということを書いていきます。
■ 目次
・アルトゥール獲得の為のバルセロナの現在の状況
ニュースではアルトゥール獲得に動き出しているバルセロナとありますが、本格的なクラブ間交渉はコウチーニョ獲得の話が終結すると始まるようです。
それはEU枠外選手の問題が絡んでいます。現在は3選手だけの登録が認められており、今のバルセロナはパウリーニョだけがその対象選手となっています。2選手の枠が空いています。
ここにこの冬の移籍市場でCBのジェリー・ミナ(コロンビア出身)、MFのコウチーニョ(ブラジル出身)を獲得したならば、EU枠外選手のことからアルトゥールを獲得してもバルサのトップチームに合流させることはないでしょう。
そこで、まずこの冬にアルトゥールの獲得を決定してしまい、半年または1年間のレンタル移籍という形で現所属のグレミオに貸し出すという可能性が高いようです。
グレミオとバルセロナのクラブ間交渉はバルセロナがアルトゥールに接触して、バルセロナのユニフォームを着せて写真撮影してしまったことでとても難しい状況となっています。
契約解除金は5000万ユーロだというのは間違いなく、他のクラブと獲得を争っていることもあり、移籍金は5000万ユーロが必要になるのではないかと推測しています。少し高い印象を受けるかもしれませんね。
現在はメディアの話が先行しがちで、バルセロナは選手に接触していますがまだ本格的な動きはほぼないようです。
アルトゥール自身はバルセロナのファンという噂もあり、契約解除金さえ払う意志がバルセロナにあれば、決定する一つの移籍にはなるでしょう。
・アルトゥールは外部からくるシャビ・エルナンデス!?
アルトゥールと言われても、もしかしたらそのプレーを見たことがないという人もいるかもしれません。
そんな人の為にもプレー集、ボールタッチ集の動画をのせておきます。是非チェックしてください。
選手の実力を見ようと思うのなら、プレー集よりもボールタッチ集をみるほうがオススメです。
・アルトゥールのプレー集
https://www.youtube.com/watch?v=I7nZ8lGNang
※上記の動画はYouTubeチャンネル「Scouting Football」様より引用しています。
・Arthur vs Lanús (Away)のボールタッチ集
https://www.youtube.com/watch?v=rlATkieIMXg
※上記の動画はYouTubeチャンネル「César Fútbol Total」様より引用しています。
・Arthur vs Barcelona (EQU)のボールタッチ集
https://www.youtube.com/watch?v=3765ZTelfOM
※上記の動画はYouTubeチャンネル「HQ Play」様より引用しています。
3つ目の動画でバルセロナとアルトゥールって対戦したっけと思われた人もいるかもしれませんが、エクアドルのバルセロナSCというクラブです。
この3つの動画をみてアルトゥールという選手をどう感じましたか。
もしかしたら確かに動きは軽いし、プレーは正確性が高くてキープ力もありそうだが、バルセロナで違いをもたらす選手になるのか。5000万ユーロ払ってでも獲得する価値のある選手なのかと感じた人がいたかもしれません。
この3つの動画からでも、アルトゥールが他の選手と圧倒的に違うという部分は見受けられます。そして、それはメッシ、イニエスタ、シャビに共通するサッカー界でも数少ない選手しか持ち合わせていない部分です。
・上半身はリラックスしながらブレず、下半身だけでプレーを選択できる
それは上半身はリラックスしてほぼ脱力状態にもかかわらず、ターンやドリブルをしていても体の姿勢がほぼブレていません。その為に下半身の力だけでプレーをしているように見受けられます。
普通の選手と一流の選手の違いの一つとして、上半身がいかにブレるかが関係していると考えています。
普通の選手がターン、ドリブル、シュート時に上半身が前に折れたり左右に揺れるのに対し、一流の選手というのはほぼ上半身がブレていないように見える選手が多いです。
上半身がブレないことで常に姿勢よくプレーすることが可能で、それは視野の確保、そして良い状況判断につながります。
また、上半身の動きをみれば次のプレーや走り出す方向が分かる普通の選手に対して、上半身がブレない選手というのはまさに足先だけでプレーの選択を変えてしまうように映るものです。
この一流の特徴がアルトゥールからは見てとれるように強く感じます。
そしてそれは教えて修正しようとしてもほぼ直らず、選手のテクニックの部分も関係しており少年時代の経験が色濃く反映された、たまものだと思います。
これだけでアルトゥールが普通の選手ではないことが理解できます。
・プレーの正確性、そして状況判断からも良い選手(っぽい)
3つの動画からアルトゥールの精度の高いボールタッチのプレー、そして状況判断が良いことが分かります。
こちらに関しては長い時間プレーを見て判断しないといけないので言い切る形はできませんが、恐らくプレーの精度が高くミスが少ない選手のように感じます。
2017年のクラブW杯のグレミオでプレーぶりをチェックしようと思った人も多かったかもしれませんが、どうやら怪我で来日すらしていなかったようですね。レアル・マドリード相手に良いプレーをすれば、アルトゥール獲得熱が上がると思っていたので残念です。
・動き、ターン、パス、みてるとバルサのレジェンドのシャビそっくり
この3つの動画を全て見た人の中には、時間の経過とともにアルトゥールの姿が、シャビに重なって見えてきた人がいたかもしれません。
自分はそのように見え始め、シャビ・エルナンデスが獲得できるチャンスだと考えています。
もちろんプレーの正確性、状況判断からくるプレーの選択などシャビのプレーレベルに達する選手かといわれれば疑問はありますが、それでもレベルの高いゲームメーカーであると思います。
現在レベルの高いゲームメーカーは世界でも数少なく、夏の移籍市場でバルサが獲得を狙ったヴェラッティ(パリ所属)がその一人です。
そして近年、獲得出来そうな選手ではヴェラッティだけがバルサをレベルアップする唯一の選手だと思っていました。
しかし、このアルトゥール獲得においてバルサは思ってもいなかったほどのレベルアップを遂げるのではないかと感じています。
アルトゥールに関してはシャビ、イニエスタ、メッシ、ブスケツ級のレベルの選手に成長するのではないかと期待しています。シャビ、イニエスタ、メッシ、ブスケツが5000万ユーロで獲得できるのなら安いものです。
その為に何としてでもアルトゥール獲得をバルセロナには決めてほしいものです。
・バルサスタイルの象徴になるであろうアルトゥール
現在のバルベルデバルサは「強いチームをこんな短時間で作った」という一言につきます。
しかしその強さはどこか普通のチームに似ており、メッシがいるからバルセロナが強いという印象はどうしてもぬぐえません。
それは紛れもない真実であり、そしてそれはバルサらしい戦いで他を圧倒しているという状況ではないということです。
フィジカル的な要素が強くなったこんなサッカー界だからこそ、バルセロナのテクニカルでボールを保持するスタイルは強く生きるもので、そこに他のクラブとの大きな違いがあったのではないでしょうか。
バルセロナだけ時代に逆行しているように見えても、バルセロナだけ強いという状況をグアルディオラ監督は作りだしました。そしてそれは多くのチームの戦い方、指導において革命をもたらしたものになっています。クライフ氏もそうですね。
テクニカルとフィジカルでどちらが良いかという議論に正解はありませんが、バルセロナは常にテクニカルに特化したチームであってほしいと自分は思っています。
前置きは長くなりましたが、アルトゥールは状況判断の能力の高さ、そしてそこからする精度の高いプレーは、バルサスタイルを象徴する存在になるはずです。
レベルの高い選手でも精度の高いプレーはできているが状況判断が足りていないパターンは多く、アルトゥールはどちらもできているからこそ、バルサの中に入れば一流の選手として輝くと思います。
アルトゥールをピッチで起用しようと思えば自動的にテクニカルで、ボールポゼッションのスタイルで戦うバルサになるのは必然です。
なのでアルトゥール獲得はバルセロナというクラブにおいて絶対必要不可欠であると思っています。後はバルセロナが本格的に動くことを願うだけであります。
ネイマールがバルセロナに復帰したらどんな効果がある
「アビダル」さんコメントありがとうございます。
質問のほう回答させていただきました。
ご確認のほどよろしくお願いします。
ネイマールの復帰はほぼあり得ないお話なので、ガン無視でもいいニュースです。
ネイマールがバルサに復帰する最短の道のりは、
パリとの契約が終了するときだと思います。
その時にはネイマールも結構な年齢なので、バルサでの居場所があるのかは難しいところですね。
また質問・疑問点があればお待ちしております。
これからもブログよろしくお願いします。
今年もよろしくお願いします。
プレー時の上半身、下半身の話はとても参考になりました。
アルトゥールはチャビのようなプレーメイカーになれるのか、その域に達しなくともとても将来が楽しみな選手には間違いなさそうですね。
(それでも南米直輸入は怖い……!)
でもコウチーニョは獲得濃厚な気配でアルトゥールは難しいような気もします。
そこで改めて、ケンジさんのコウチーニョ評を聞いてみたいです。
以前にレベルは違えどデニススアレスも同じようなタイプなので高額な移籍金で獲得する必要はない、と仰っていましたが、今でもやっぱりそうですか?
獲得しても、現在の陣容でメッシ、スアレス、デンベレ、コウチーニョが先発しようものならバランスが崩れ、せっかく整った守備組織にほころびが出そうで心配です。