シュテーゲンの足元がバルサの大きな武器に!
サンマメスでのビルバオ戦に見事に勝利して見せたバルセロナ。チームの集中した守備、ハードワーク、飛び出しの意識の高さも勝利の要因となったが、1番の勝利の要因はビルドアップでビルバオの前からのプレスを上手くかわせたことが大きかった。
今回は「GKがシュテーゲンになったことで11人のビルドアップが本格的に開始!」というテーマです。
■ 目次
ビルドアップに普通に織り交ぜられたシュテーゲン
サンマメスのビルバオ戦、ビルバオが前から激しくプレスをかけてくることは容易に予想出来、分かっていてもその対処はバルサと言えども困難なミッションだった。中盤や前線への縦パスをビルバオのプレスに狙われてそこで簡単にボールを失うと、試合の流れは一気にビルバオペースになってもおかしくなかった。ルイス・エンリケがどういったゲームプランで試合に入るかは1つの注目となった。
結論としては少し無理してでも前にパスを送るのではなく、最終ラインだけでなくGKのシュテーゲンも含めてしっかりパスをつなぐ戦い方を実践してきた。バルサの最終ラインの選手はビルバオのプレスでパスコースがなくフィールドプレーヤーにパスが回せない時は何度もシュテーゲンにパスを戻した。パスを回す練習ではGKを後方でフリーマンにしてパスを戻すこともあるが、実際の試合中にあれだけGKに戻す試合も珍しい光景となった。
シュテーゲンの足元の技術をルイス・エンリケが強く信頼しているからこそ出来た戦い方であり、シュテーゲンも試合後に「上手くプレー出来た」というコメントも残していた。これからは前からプレスをかけてくる相手にシュテーゲンにバックパスをしてビルドアップをやり直すシーンは多くなるのかもしれない。ブラボからシュテーゲンにGKがチェンジしたことの1つのメリットが出た戦い方となった。
シュテーゲンの足元は危なっかしい!?
ビルバオ戦でシュテーゲンは54本中46本のパスを成功(成功率85%)し、数字はメディアによって違いがあるようだがGKのパス本数最多記録を見事樹立した。利き足の右足だけでなく両足を使って上手くパスを出し、少し追い込まれた状況でもサイドラインを割るキックミスはほとんどなくバルサの選手がいる場所にボールを蹴り込んでいた。
それでもシュテーゲンには前後半で1本ずつキックミスがあったことも確か。後半のキックミスはそこまで危なくなることはなかったが、前半のブスケツへのパスをカットされて1対1の状況になったミスは大きなミスとなった。最後は顔面ブロックでシュートを防ぎ自分のミスは自分で帳消しにしたのだが、あそこで失点していたらビルバオ寄りの試合になった可能性があったのは確か。
それでも敢えて言いたいのはあのミスで「シュテーゲンの足元が危なっかしい」と判断するのはあまりにも軽率すぎる結論に思える。シュテーゲンだからこそあれだけバックパスを呼び込み、パスをつなげてビルバオのプレスをかわせたことはとても大きな意味があった。安定感抜群のブラボならノーミスだったと言いたいのかもしれないが、最終ラインからの無理な縦パスが増えたりブラボのロングキックを跳ね返されてピンチになるシーンはあったかもしれない。
たらればを言っても始まらないが、ビルバオ戦でのシュテーゲンの出来は“上手くパスを回した”という評価をしてあげることが正しい評価に感じる。GKのミスは即失点につながりやすいだけに大きなミスに見えてしまうもので、前線の選手が決定機でシュートを外すというミスを大目に見ることとの違いはとても矛盾しているものではないだろうか。スアレスが2点取っていればシュテーゲンのミスで失点しても3対1で勝利出来ており、サッカーでは誰もが細かいミスなどをし完璧なパフォーマンスは見せれないもの。
1人が悪くても他の10人がカバーすることが出来るのもサッカーというチームスポーツの良さで、1つのミスにそこまで過敏に反応していたらきりがなくなる。シュテーゲンは確かにミスをしたが、90分間通してパフォーマンスを評価した時に高い評価を付けれるだけのプレーをしていたのではないだろうか。
パスサッカーを信条とするバルセロナならシュテーゲン以上のGKはいない!?
今シーズンのバルセロナはプレシーズンから、前からプレスをかけてくる対戦相手と多く戦ってきた。セルティック、レスター、リヴァプール、サンプドリア、セビージャ、ビルバオとバルサ相手に前からプレスをかけてくる対戦相手は多かった。バルサ対策として引いて守るだけではいつかやられるので、前からプレスをかけてくるチームは今シーズンは増えてくるだろう。
対戦相手にはブスケツを抑えればパスの中継地点を潰せてバルサのパスサッカーが出来なくなると思われており、ブスケツ封じ+最終ラインにもプレスをかけてバルサをドタバタと慌てさせるチームにバルサは苦戦するイメージを持たれている。今回のビルバオもそのような対戦相手の代表格であり、ブスケツがボールを受けれるシーンは多くなかった。
そんな中バルセロナは安定したビルドアップを見せた。最後尾のシュテーゲンに戻しピッチを広く使い、シュテーゲンのキックの上手さもあって最終ラインの選手がビルバオのプレスを受けずにパスを回せるシーンは多くあった。バルセロナのようにボールを大きく蹴り出さないチームにとっては、シュテーゲンのような足元やキックが上手いGKは現代のサッカーでは必須だと考えられている。
バルサファンの中ではシュテーゲンが並のセーブ力で少し足元が上手いGKと思っている人もいるらしいが、今のバルサのGKのポジションに立てる選手が何人いるのか。ブラボを除けばそんな選手は数選手しかおらず、正直バイエルンのノイアーぐらいしか上回っている選手がいないように感じる。
バルセロナが今シーズンもパスサッカーを信条としてパスをつなごうとするのなら、多くの対戦相手が前からプレスをかけてくることを考えればシュテーゲンはとても優れたGKとなっている。ビルバオ戦のように上手くパスをつなごうとするならば、現在ではシュテーゲンはバルセロナのGKとして適任者と見て良いだろう。パスサッカーを捨ててセービング重視でGKをチョイスすることも出来るが、シュテーゲンのセービング技術も結構高い。
シュテーゲンはVVを思い出しますね。足下の技術の高さとそれ故の判断ミス、メンタル、我の強さ・・・・・・これぞバルサのGKという感じがして私は好きです。
ビルバオ戦はケンジさんの仰るとおり一度のミスよりもそれに臆せず繋ぎ続けたことを褒めるべきです。グアルディオラがVVに同じようなことを言って賞賛していたことを思い出します。
欲を言えばVVよりも繋ぐ蹴り出す判断を早く正確にできるようになってほしいですね。
足元の上手いGKってノイアー、V.Vしかりポカが多いですよね。
技術がある分難しい所をあえて通そうとするのでこれは仕方ない事かもしれませんね。
悪い事ではないですがブラボはそういうリスクある場面では蹴りだす場面が多かったので個人的にはシュテーゲンは観ててワクワクします。