バルセロナでの旅路を終えるアレイクス・ビダル
バルセロナは代表ウイーク明けのデポル戦は色々な意味で心配されていたが、終わってみれば快勝の試合内容と結果を得た。主力選手も何人か休ませることにも成功し、新システムだけでなくローテーションも機能した試合となった。
そんな中で代表中に怪我をしたセルジ・ロベルトの右SBのポジションに誰が入るかは注目が集まっていた。ビダルにラストチャンスが与えられると予想していた人は多かったが、蓋を開けてみれば招集外という、ルイス・エンリケは全く戦力に数えていないということが証明された形となってしまった。
今回は「ビダルよアディオス。厳格で頑固なルイス・エンリケは“結論”を簡単に変えない」というテーマです。
■ 目次
ルイス・エンリケの求めるレベルとメンタルに達しなかったビダル
ビダルは9月から招集外になる試合が続くようになったが、昨期の4月頃からシーズン終盤に向けてもこれと同じような現象は起きていた。出場機会を全く与えられず、バルサファンも困惑する時期を過ごした。
結果的にビダルの練習態度がルイス・エンリケはよく思っていなく、シーズン終盤には1対1で対話の機会を持ち、お互い本音で話し合って今シーズンを迎えることになった。バルサファンもこれで今シーズンは、ビダルが気持ちを一新して頑張ってくれて活躍するはずと疑っていなかったのに。
プレシーズンからビダルの試合の出来は決して褒められるレベルではなかったが、ルイス・エンリケは公式戦が始まってもビダルを右SBの2番手の選手としてローテーションで何度か起用していた。恐らくルイス・エンリケもビダルの成長を期待して、多少悪い所には目をつぶって我慢して起用していたはず。
ルイス・エンリケがビダルを起用しなくなったのは、9月の代表ウイーク明けのアラベス戦で敗退した後から招集外が続くことになった。恐らく2失点目のビダルのPA内でのあまりにも軽いタックルに、これまで我慢していた不満が吹き出してしまったと考察。
結果的にビダルはピッチ内でルイス・エンリケの求めるプレーが出来ず、昨シーズン終盤に話し合った部分でも改善が見られなかったことで、完全に戦力外の招集外が続いているように思われる。
ビダルがここから改善する可能性は低いだろう。それは約半年前に話されたことがこれまで出来なかったのに、ここから急激にビダル自身が変化する可能性があるかと問われると可能性は低いからだ。
冬の市場の来年の1月までは2か月半近くまだ残っており状況は変わるかもしれないが、その可能性も低いとみられ、ビダルのバルサでの選手生命は実質“終戦”と考えて良いだろう。
一度結論を出すと変えるのが難しいルイス・エンリケ
今回のビダルの件で思い出されるのが、ルイス・エンリケの1年目のシーズンのモントーヤが思い出される。エンリケバルサの1年目の前半戦はアウベスの出来が相当悪く、カンテラ選手であるモントーヤの起用をバルサファンは待ち望んだが、結果的にルイス・エンリケはモントーヤを起用する機会はほとどなかった。
ルイス・エンリケの中でモントーヤはどうやら気に入らない選手だったようで、バルサファンなど外野がどれだけ騒いでも、自分の感覚や思考を大事にして起用するということは起きなかった。
ここで改めてルイス・エンリケは自分で判断して決めたことを強く信じる人間で、さらにそれをある程度我慢して検証したのち結論を出すというタイプの人間だと推測される。
我慢して検証した結論を出した結果を覆らせるには、それと同じくらいの時間でルイス・エンリケに変化を証明する必要があり、ルイス・エンリケらしい頑固な性格とも思える。
ルイス・エンリケの場合は頑固だが結構柔軟な所もあるので、新しいものに積極的に取り組んだり、良いと思えるものにはとことん賭けてみるということはとても良い所。
こういう話をするとネガティブに考える人はルイス・エンリケ批判と捉える人もいますが、これはルイス・エンリケ批判ではなく、ルイス・エンリケは監督としてこういう判断を下すという1つの基準と考えてくれたら幸いです。
自分は前から現状ルイス・エンリケがバルセロナのベストな監督だと言ってきていますし、バルサファンである以上、監督(ボス)の判断や結論を信じるのみ( `ー´)ノ