パコ・アルカセルは第2のラーションになってきた!?
1月終わりごろに怪我から戦列に復帰したパコ・アルカセル。約1カ月戦列を離れていましたが、怪我明けも良いパフォーマンスをみせています。
パコ・アルカセルと言えばバレンシア時代は、CFでポストプレー兼ストライカーの役割を担って怖い存在でした。そしてバルセロナでは数少ないCFタイプの選手として、得点を期待されてチームに加わりました。今回は
1、右WG(右SH)で活路を見出してきたパコ・アルカセル
2、パコの姿はかつてバルサで愛されたラーションに被る
3、右で起用されながら将来は“本職のCF”での活躍にも期待
について書いています。
■ 目次
1、右WG(右SH)で活路を見出してきたパコ・アルカセル
・パコ・アルカセル=ストライカーでPA内の選手
まずパコ・アルカセルという選手についてで、パコの最大の特徴と言えば、相手のマークを外す動きだったりとPA内での動き出しです。
その動き出しからダイレクトでシュートを合わせるうまさも兼ね備え、バレンシア時代では3年連続の二桁ゴールを決めてきました。
パコ・アルカセルはFWのタイプで分ければ、間違いなくストライカーという点取り屋という区分に分けることができます。
一応ポストプレーヤーとしても考えられますが、パコの場合はPA内での強さが他の選手と比べても際立っているので、やはりストライカーです。
・キック(パス)、トラップの柔らかいポストプレー、ハードワークも持ち味
ストライカーと言えば一般的に相手の最終ラインで駆け引きを行い、裏に抜け出してフィニッシュ、またはPA内でのフィニッシュしかできないというイメージがあります。
しかしパコはストライカータイプのFWにもかかわらず、キックがうまく、ボールタッチも柔らかくポストプレーもすることができます。キックで言えば国王杯の試合で、FKを決めたなんてこともありましたね。クロスもいいボール蹴ります。
お世辞にもテクニカルな選手ではないですが、自分の武器をよく理解しており、その中で勝負できるという賢い選手であります。
またパコはFWの選手ですが、チームの守備のためにハードワークすることも苦にしない選手です。前線でのプレッシャーだけでなく、後方まで下がって相手のSBの動きについてきて、自陣のゴールラインまで下がって守備することもできます。
パコはストライカータイプには珍しく、得点面以外の多くの面でチームに貢献できる選手です。
・右WGできっちり守備をこなしながらボールを引き出せるパコ・アルカセル
そして現在のパコの起用ポジションは、本職のCFではなく右WGが基本となっています。
ストライカータイプの選手がこのポジションで起用されると普通は活躍困難なのですが、パコはそこで良いプレーをみせて、少しずつバルベルデとバルサファンの信頼を勝ち取ってきています。
右WGでのパコは、攻撃ではゴール前に入ってストライカーの動きをするときもあれば、右サイドでポストプレーをして、前を向いている味方にパスを渡すことで貢献しています。
また、守備では中盤の右SHの役割をしっかりこなしており、コンパクトなバルベルデバルサの守備の規律をしっかりこなしています。
パコのまじめな性格もあってか、ある意味中盤の何人かの選手よりも、パコの戻りの方が速いと思うほど守備面で貢献しています。
パコは自分の動き出しという最大の持ち味だけでなく、自分の持てる武器をうまく活用して右WGとして活躍しています。
2、パコの姿はかつてバルサで愛されたラーションに被る
・パコの今のスタイルはライカールトバルサで人気があったラーションそっくり
パコの現在の活躍や姿をみていて、ライカールトバルサ(ロナウジーニョ時代)のヘンリク・ラーションを思い出している人もいるかもしれません。
ラーションという選手はバルサに04~06のたった2シーズンしか在籍せず、1シーズン目は膝の負傷でシーズンの半分を棒に振ってしまいました。
それでも2シーズン目の活躍でバルサファンから愛された選手であり、05/06シーズンのCL優勝にも大きく貢献しました。母国のスウェーデンのチームに移籍するときに、惜しまれながら移籍した数少ない選手の一人です。
そしてこのラーションとパコ・アルカセルには多くの共通点があり、パコもバルサファンに愛される選手になると予想しています。
・ラーション(=パコ・アルカセル)がバルサファンに愛された3つの理由
ラーションとパコには共通点があり、ラーションが愛された理由は大きく3つです。
1つ目は、同じストライカータイプながら右WGとしてプレーし活躍しました。
ラーションはバルサに移籍する前所属のセルティックで、221試合出場で174ゴールを決めたという、バリバリの点取り屋のストライカーとして活躍が期待されていました。
しかし当時のバルサにはエトーという絶対的なCFがおり、エトー自身も試合に休むことを嫌い、ラーションの出場機会は難しかったです。
その中で当時の監督であるライカールトは、ラーションを右WGという少し考えられないポジションで起用し、この采配が見事に当たりました。
2つ目は、点取り屋として期待されていましたが、いつの間にかポストプレーヤーとして攻撃の起点として期待されました。
ラーションに期待するのは得点面というゴールなのですが、気づけばラーションのシンプルながら体のムリの効くポストプレーは、バルサの大きな武器の一つになっていました。
このポストプレーはCL決勝でエトーの同点ゴール、さらに逆転となるベレッチのゴールをアシストしました。
ラーションは迫力あるダイビングヘッドなどでゴールも決めており、2シーズン目のリーガでは28試合出場で10ゴールも決めていましたが。
3つ目は、守備面でハードワークし、ベンチに座っても文句を言わず途中出場でも全力プレーをして信頼を勝ち取った。
守備のハードワークではプレッシング、そして自陣の守備にも積極的に参加し、自分たちのゴールラインにも全速力で下がる守備もみせていました。
またチームのことを最優先で考えれる選手であり、ベンチに座って途中出場で試合数を重ねることも多かったですが、一切文句を言わずチームメイトから尊敬される存在でありました。
どんな状況でも全力プレーをしており、ピッチ上でもピッチ外でもそこまで言葉の数が多い選手のようには感じられませんでしたが、行動という自分の姿でチームからもファンからも信頼を勝ち取りました。
3、右で起用されながら将来は“本職のCF”での活躍にも期待
・バルベルデの信頼もあってこのまま突き進むべきパコ・アルカセル
現在のパコはチームメイトやファンから絶大な信頼感を得ている状況ではありませんが、信頼を高めてそういう存在になっていくことが可能な選手です。
そして、スアレスがいることでラーションと状況は似てCFとしてプレーする機会は限られており、今の自分に求められる役割をしっかりこなしています。
パコに本来求めたいのは最大の持ち味でもある動き出しからのフィニッシュですが、チームの状況も踏まえればパコにはこのまま右WGとして活躍するのは大きなプラスになります。
なので、パコには選手としての成長とバルサで確実な地位を築くためにも、まずはこのまま右WGの位置でのプレーをして、チャンスが来ればCFとしてプレーしながら信頼度をさらに高めてほしいものです。
・将来的(数シーズン先)には“本職のCF”での活躍を待っている
それでもパコには将来的に“本職のCF”でストライカーとして点取り屋になるという期待感は持っておきましょう。
ラーションの場合はバルサに加入した時が30歳を超えており、バルサでプレーした年齢は33歳や34歳と、選手としては高齢でした。
ラーションは選手としての成長というよりは、バルサでのチャレンジとタイトル獲得を目的としてバルサに加入していましたし、ラーションはそれをリーガ優勝やCL優勝、そしてバルサファンからの絶大な信頼を得て叶えました。
しかしパコはまだ現在24歳。一般的な選手としてのピークもまだ先の段階で、選手として心身ともに成長が大きく期待できます。
そして現在のCFのスアレスがバルサを離れる時というのはいつか必ず訪れますし、その時に計算できる戦力としてパコにはバルサに在籍し続けてほしいものです。
その時にはスアレスが抜けてCF問題とはならずに、「パコがいるから第2のCF獲得で十分だよ!」と、バルサファンの信頼を勝ち取っていってほしいものです。
ラーションのように信頼を勝ち取っていきそうですが、まだゴールの面では少し足りないので、これが現在のパコの課題ですかね。右WGでの起用ですが、もう少しゴール前に顔を出して、ゴールを決めてほしいものです。
パコに関しては今は右WGとして活躍して信頼を勝ち取り、ゴールという課題も少しずつ改善して、将来的には“本職のCF”としてバルサでの活躍に期待していきましょう。
自分はあまりサッカーに詳しくないのでこういったバルサの具体的な選手評価の記事とても面白いです!ブログ更新毎度楽しみです。