ピケ不在の最終ラインでは守備面が不安定になる!?
今シーズンのバルセロナは9月の代表ウイーク明けの試合で悪い試合をしたが、それ以外はおおまか安定した強さを見せている。失点はしているものの守備でピンチのシーンを作られることは多くなく、最終ラインが安定しているときは常にピケがスタメンを張っていた。
今回は「ピケが不在になるとバルサの守備陣は崩壊する!?」というテーマです。
■ 目次
ピケ不在で起きる2つの大きな問題点
ピケがバルセロナの最終ラインにいないと起きる問題を考えれば、ラインコントロールとハイボールへの高さという2つの守備面の要素がある。
・ライン統率出来るものがおらず、細かいラインコントロールが出来ない
1つ目のラインコントロールでは、バルセロナの最終ラインはただ単に高い最終ラインを維持するだけの守り方をしているのではなく、相手のボールの動きに対して細かくラインの上げ下げを数m単位で行っている。自陣の守備からボールを前に大きく運べば素早くラインを上げるのはもちろんだが、相手チームのビルドアップの時にピケが中心となってラインの細かい上げ下げは徹底している。
顕著なシーンは相手のSBやDHからCBへボールを後ろに下げるシーンでは、最終ラインも同じ距離とは言わないがほぼ同じ距離だけラインを上げている。相手がボールを蹴れる時にはピタッとラインを止め、相手がロングボールを蹴りそうになればラインを少し下げてロングボールに対処できるラインコントロールをしている。
これだけ聞くと簡単なのだが、実際にピッチに立ってみるとこれを体現するのが難しい。相手FWも考えて毎回状況も違う中で、最終ラインを高く維持するポジショニングを取るには勇気と経験の要素が必要になって来る。さらにピケのように周りにも指示を出しながらライン全体をコントロールしようとすると、体が勝手に反応するほどラインの上げ下げの動きが体に染みついていないと難しいことである。
ピケ不在時は相手のバックパスに対してなど細かいラインの上げ下げを上手く行えず、さらにラインをコントロールして指示するものがいないことで選手の判断でラインがずれていることも多い。ユムティティやマスチェラーノはラインを合わせることは出来ているが、周りに指示まで出してラインを統率できる選手とはなっていない。
・横からのクロスなど高さの面で弱くなる守備陣
そして2つ目のハイボールへの高さでは、ピケ不在時の影響はとても大きく感じる問題となっている。単純にバルセロナの高さの面が弱くなり、ハイボールというハイボール全てで心配な点を抱えることになる。
まずは相手のGKやバックラインからのロングキックなどのピッチの縦に蹴られるハイボールを跳ね返す力が弱くなり、これはアトレティコなどがバルセロナから攻撃する為に使ってくることも考えられる。
そして横からのクロスに対してが顕著となり、ピケの場合はCBの経験が長いからかポジショニングが素晴らしくクロスに対してはね返す力はバルセロナ1の力を持っており、クロス時にピケが頭や足ではね返す機会はとても多い。ピケがいるだけでバルセロナはクロスボールからやられないイメージもあり、ピケは幅広いエリアをクリアできるのでとても助かる存在である。
そしてセットプレー時の守備のピケの存在も大きく、特にCKではピケが中央でフリーマンとなってボールをクリアする係を務めている。他の選手がマークに集中しており、スアレスはニアをカバーしていて、ピケの守る範囲は中央とファーサイドだがそこをしっかり守っているおかげで、バルセロナはCKからの失点は激減している。ピケがいない時は他の選手が務めているが、ピケほど先にボールに触れてクリアできる選手はいない。
他にもピケの存在で影響する面はあるが、上記の2つがピケ不在時に大きく感じられるバルセロナの守備の一面となっている。中盤や前線で代えのきかない選手はバルセロナでよく議論されるが、バックラインではピケ不在の影響が実は1番大きい問題なのかもしれない。
前半戦はローテーションが難しそうなピケ憎
リーガが開幕してからバルセロナは7試合(リーガ6、CL1)戦ってきたが、ピケは地味に6試合にスタメン出場している。欠場したのは9月の代表ウイーク明けの敗戦したアラベス戦だけで、それ以外はスタメンフル出場を記録。
ブスケツやラキティッチがローテーション対象としてよく考えられているが、今シーズン序盤はピケのローテーションをどうするかも考えていかなければいけない問題となっている。ユムティティの怪我が治ればマスチェラーノとユムティティのコンビで休ませることは出来そうだが、ピケが最終ラインにいる時といない時のバルセロナの守備の安定感が違うのは見ていて大きく感じられる。
ユムティティがバルセロナに猛スピードで馴染んでいるとはいえ、まだ最終ラインをコントロールして周りの選手へ指示まで出すには時間がかかるだろう。ユムティティなら前半戦(年内)を終える頃には、今以上に頼れる存在にはなっていそうだが。
このシーズン序盤は現状ユムティティの怪我もあるので、ピケにはある程度出ずっぱりでバルセロナの守備を安定させてもらわないといけない状況となっている。それだけカンテラ出身のピケが重要な選手というのは、バルサファンにとっては嬉しいことにも感じられるのも事実なのだが( ̄▽ ̄)