15/16クラブW杯準決勝 12/17 バルセロナVS広州恒大 試合評価
■ 目次
試合支配率
※赤色はバルセロナ、黒色は広州恒大、白色は互角
・バルセロナ30分、広州恒大5分、互角55分
試合序盤は互角で、前半中盤から徐々にバルセロナが試合を支配してきた。先制した後の前半ラスト5分間は広州恒大の方が良かった。後半はリードしていたこともありほぼバルセロナペースで試合は進んだ。3得点を奪った後のラスト20分間もバルサペースだったが、あまり気にする所ではないので互角にしています。バルセロナは多くのチャンスを作った試合とはならなかったが、それでも試合を支配してほぼ自分達の手の中で試合を進めれていたように感じる。
試合での問題点
この試合で悪い所はセットプレーの守備ぐらいだろう。マークが簡単に外れており、2度ほど危ないシーンを作られた。しっかりマークの付く再確認をする必要性もないが、1点奪った直後ということもあり、少し余裕が出た所での気の緩みなのかなと推測することも出来る。最近のリードを奪った後に危ないシーンを作られているのが少し気になる。
試合での良好点
地に足を付けたサッカーを実践し、メッシとネイマール不在でもしっかり決勝進出を決めた。現地で見ていて見ごたえやチャンスが少なく、しっかりパスをつなぐバルサだと感じていたが、画面を通してもやはりそうだった。最もバルサが負ける確率を低くして戦い、一発勝負のリスクを下げながらのしっかりした試合運びであった。
ある意味バルサと言うよりスペイン代表に近い、堅いパス回しのサッカーだったが、その中でもスアレスの爆発はチームを助けてくれた。スアレスはハットトリックを記録し、この先にもしもメッシやネイマールが不在でも、この戦い方でもある程度いけそうな手ごたえを掴める試合であった。
現地で見ていると危なく感じた広州恒大のカウンターも、画面で見るとほぼリスクマネージメントしながらカバーリングも出来ていた。守備陣は仕事は少なかったが、しっかり守ってビルドアップでも落ち着いていた。前線からの守備も良い場面が多くあり、守備面ではセットプレーの守備以外言うことなしだった。
ちょっと目についた選手
・バルセロナ
MFイニエスタ
現地で見ていると化け物のように上手かった選手。画面で見ていて上手さは分かっているとはいえ、そのボールタッチには目を奪われた。攻撃の中心としてパスをつなぎながら決定機のスルーパスを通し、スアレスのハットトリックと複数ゴールがなければ、この試合のMVPでおかしくなかった。
FWスアレス
スアレスは本当に数少ないシュートをしっかりと決めてくれた。この決定力をお金(高額な移籍金)でバルサは買ったわけだが、本当に期待を上回る活躍を見せてくれる。MSNトリオが揃わなく1人いるだけでも、バルセロナは強いチームと再認識させてくれた選手であった。
・広州恒大
MFチェン・ジ
広州恒大のキャプテンであり、中盤で存在感を見せた選手であった。バックラインの前でチームのバランスを取りながらしっかり守り、相方のパウリーニョの攻め上がりを活かせる選手だと証明した。この大会で言うとサンフレッチェ広島の青山選手と同じ役割をこなしており、アジアの中で質の高い中盤の選手だと感じさせた。
MFパウリーニョ
球際の強さやフィジカルの強さはやはり世界クラス。この試合ではチームの攻撃回数が少なく持ち味の攻撃力はほとんど出なかったが、本当にまだまだ欧州で活躍できるレベルの選手だと証明した。1対1でもバルサの選手とほぼ対等に戦えていた。この冬にでも欧州に帰ってきてほしい選手であり、ブラジル代表に名を連らねても不思議でない選手。
最後に一言
恐らく戦前のバルサファンの予想に反して、ベストメンバーを用意してしっかり勝利を収めた。危険な落とし穴になりそうな試合を、ルイス・エンリケはしっかり回避した。選手達のリアクションも良く、言葉通りに真剣にこのタイトルを狙っているのが分かるプレーぶりでバルサファンは満足だっただろう。決勝の南米王者のリーベルプレート戦でもほぼこの試合と同じメンバーを予想するのは簡単だが、メッシとネイマールの状態だけが気になる所である。