15/16国王杯準々決勝　１ｓｔ　1/20　Ａ・ビルバオＶＳバルセロナ　試合評価

試合支配率

※赤色はバルセロナ、黒色はアスレティック・ビルバオ、白色は互角

・バルセロナ５分、アスレティック・ビルバオ５分、互角８０分

試合序盤と終盤はビルバオペース。先制してから試合終了間際まではバルサペース。お互いにほんの少し主導権を握っているだけで、上記の表ではほぼ互角にしました。やはりサッカーの試合で先制点は大きいものであり、そこからバルサは少し余裕が生まれて試合を楽に進めれた。両チームとも集中力が高く、９０分間通して気を抜けない時間が続いた試合だった。

試合での問題点

９０分通して良い内容の試合で文句を言うべき点は少なかったが、試合終盤にビルバオがペースを上げたというよりバルサのペースが落ちて押し込まれて試合のペースを掴まれた印象が強かった。気の緩みではなく心身共の疲れだと思うが、もう少しボールをしっかりキープして試合を終わらせるべきだった。アルダやセルジ・ロベルトが抜けて、ボール支配力と言う意味では結果的にチームとして落ちたかなと感じさせた。

試合での良好点

選手達の姿勢では今季の中でもベスト３に入るであろう集中した姿勢で試合に入り、選手達の出来が良くチームの出来もさらに向上させた。集中力と真剣さと高いモチベーションでこの試合に入り、今日のバルサはメッシとスアレスがいないので得点力では落ちていたかもしれないが、守備は鉄壁とも言える守備だった。“本気のバルサ”が大事な試合で１つ出たと言う感じの試合だった。

ビルバオのセットプレーに激しいマークと集中力で完璧に対処した。ＣＫをビルバオに１２回与えたがピンチになったのは１回であり、ＦＫでベニャが蹴り込んだボールもはね返したことを考えれば、バルサがセットプレーで弱いと呼べないほど鉄壁の守備を見せた。流れの中でもゴール前での守備は多かったが、体を張りビルバオにほとんどシュテーゲンまでシュートを許さなかった。鉄壁の守備を誇っており、ここ最近の勝利に大きく貢献している。

攻撃ではシュテーゲンを含め全員でパスを回し、後方の８人全員でビルバオのプレスにうまく対応していた。悪いボールロストも何度かあったがある程度それぐらいの数は出てくるものであり、ビルドアップでも速いパス回しとキープ力などを活かしてビルバオペースにさせなかった。前線の攻撃はやはり迫力に欠けたがその分効率性で２得点を決め、攻守ともにパフォーマンスの高い試合をして勝利という結果を得た。

ちょっと目についた選手

・バルセロナ

ＭＦイニエスタ

鬼のキープ力炸裂。圧倒的なボールキープ力で中盤で存在感を見せ、ビルバオのプレスの激しさをイニエスタだけ全く感じさせなかった。攻守において存在感を見せたが、やはり攻撃のパス回しやボールキープでイニエスタがいないと、恐らく違う試合展開になったと予感させるほどの個の力を見せつけた。

ＭＦアルダ

前半の序盤のビルバオペースの時間に右サイドでキープ力と上手さで攻撃の起点となり、チームに時間と落ち着きを与えた。先制点となる右サイドではビルバオＤＦ３人を置き去りにするパスを通し、貴重な先制点をバルサに呼び込んだ。苦しい時間でもアルダの個の力が発揮されることが証明され、ＭＳＮほどではないが地味なクラックの選手と感じさせた。

ＦＷムニル

前のエスパニョール戦に続いての連続ゴールを記録。しかもこの試合ではビルバオ相手に貴重な先制点を記録し、ムニルのポジションはＣＦだったのかと考えを改めさせられるほどプレーが良かった。ポストプレーなどボールを受けるシーンでも完璧にキープ出来ずとも最後に足を出して味方につなげるなど、少しの自信でここまでプレーが改善されるのかと驚く一方である。ルイス・エンリケの大抜擢とも思える起用に応え、ここからバルサのラッキーボーイ的な存在になるのかもしれないとも思えてきた。このまま頑張ってほしい( ｀ー´)ノ

最後に一言

メッシとスアレス、さらにはアルバが抜けていたことでこの試合では最悪敗戦もあり得るかと思っていた。しかし、選手達の真剣さと集中力と勝利への欲求でバルサのプレーの出来は本当に素晴らしかった。ビルバオに競り合いやハイボールでも決して負けず、メンタルの充実があれば背の高さや体の大きさは関係ないと感じさせるほど、ゴール前でのボディコンタクトでバルサは勝利した。２ｎｄレグにアウェイゴールと１点リードというアドバンテージを持ち帰り、カンプノウで勝利をして完全にビルバオを倒して、準決勝進出を決める道筋は出来た１ｓｔレグの試合であった。