15/16国王杯準々決勝 2nd 1/27 バルセロナVSA・ビルバオ 試合評価
■ 目次
試合支配率
※赤色はバルセロナ、黒色はアスレティック・ビルバオ、白色は互角
・バルセロナ20分、アスレティック・ビルバオ10分、互角60分
前半はビルバオペース、後半はバルサペースと言える試合展開であった。ビルバオもバルサも良い時間があり、最後はゴールを沈めたバルサが勝利を収めたと言う感じの試合であった。ビルバオからすれば前半に0対2としていれば勝ち抜けの目があったが、前半でそのスコアに出来なかったことが後半に逆転されたことにもつながった気がする試合だっただろう。対するバルセロナはゴール前で何度もしのぎ、最後は粘り勝ちといった試合であった。第3者が見ていてもどっちが勝ち抜けを決めるかハラハラする試合展開であり、試合としては状況含め面白い試合になった。
試合での問題点
またも前半の試合内容が対戦相手に支配された時間を過ごしてしまった。前回のマラガ戦に続き2試合連続で悪い前半を過ごし、前半途中で大きく改善されないのが問題である。このビルバオ戦では前半のラスト5分はバルサが良い感じだったが、それまでは前線にボールが渡らずメッシとスアレスは空気のような存在であった。相手のハイプレス時にビルドアップで苦しむ試合展開になっており、ビルドアップを見直さなければいけない。マラガ戦とこのビルバオ戦ではメンバーが違ったりミスの多さも違って別物の前半だったが、相手が試合の主導権を握る試合をさせないようにしなければいけない。
ビルドアップでブスケツがいないメンバーだとアンカーに全くパスが回らず、前にボールを運べないでいた。メッシが中央気味で下がったり、ネイマールが左サイドで何度も受けようとしていたが、それでも相手のプレスを脱出せずに前にパスを送ると、さすがに前線の選手でもボールを受けるのは難しくなる。前半のマスチェラーノはほとんどパスを受けれずに、いつもの中継地点をバルセロナは作れなかった。この中継地点をバルサが上手く作ることが、ビルドアップでのさらなる進化に違いない。4-1-2-3という基本システムで、いかなる対戦相手でもパスを上手く回さなければいけない。
試合での良好点
今日の1番の勝因は前線のMSNではなく、苦しい時間を自分達のゴール前で守り切った後ろの7人の頑張りだろう。ゴールこそMSNの3人の力は大きいが、守備では本当に集中して守っており100点満点を出しても良かった内容だった。ビルバオのシュートを体を張ったシュートブロックで何度もはね返し、シュテーゲンにほとんどセーブさせなかった。バルサらしくない鉄壁な守備を見せており、ピケ中心に本当に最後の所で耐え抜いてよく守ってくれた。
このビルバオ戦でも後半になると試合の流れは変わり、バルサペースの試合となり逆転に成功した。今季はどうやら後半の45~60分、75~90分の時間帯にバルサのゴール率が高くなっているらしいが、その典型的な試合結果になった。本当は前半からしっかりゴールを奪いリードを奪うのが理想的だが、逆転したり最後で巻き返せるチームというのは1つの自信になるのは間違いない。
ちょっと目についた選手
・バルセロナ
MFラキティッチ
1月に入りアルダが起用可能になりラキティッチ不在の試合が少し増えたりしたが、この男の存在感を際立たせるものになった1か月であった。全ての面においてラキティッチの存在感は大きく、この試合ではよく走りゴール前にも何度も顔を見せた。パス回しでも1タッチプレーで難しいボールをいとも簡単に味方につなげ、改めてハイレベルな選手だと実感させた。
FWネイマール
もはやバルセロナのエース交代を感じさせるほど1人で気を吐いており、とても頼りになる存在であった。ビルバオもネイマールにムカついている感じはしたが止めることは出来ず、ファールで止めるシーンが目立った。試合終盤にはゴールも決め、バルサの勝利を前線で最も引っ張っていた選手であった。それにしてもスピードが速く、体のキレも10月から怪我明け以外では衰えを見せず、このままの調子でいってくれればとてもバルセロナには助かる。
・アスレティック・ビルバオ
FWアドゥリス
この試合ではゴール前でシュートする機会は少なかったが、チャンスメイクを多く演出した試合であった。先制点のアシストを決めたり、サイドに流れてクロスを上げたりとここまで出来る選手だったのかと少し驚かされた。スペイン代表のCF問題を、解決させる1つの選択肢なのは間違いないだろう。デポルのルカス・ペレスやソシエダのアギレチェが今季は調子が良い感じであり、デルボスケ監督のユーロでの選手選出を困らせる要因にはアドゥリスもなりそうである。
最後に一言
この試合で2試合連続で前半の試合内容が悪く、後半に勝ち越す試合展開はそう何度も訪れないだろう。まだバルサに地力がある証拠かもしれないが、前半の立ち上がりから良いプレーをしないと次のリーガの天王山であるアトレティコ戦では不安が残るものであった。でもまずは国王杯準決勝進出を決め、しっかり仕事をこなした選手達は素晴らしかった。次のアトレティコ戦までに今日スタメンで出場しなかった風邪3トリオ(ブスケツ、イニエスタ、アルダ)の復活を願っている( ̄▽ ̄)
タグ:アスレティック・ビルバオ, コパ・デル・レイ, 試合評価
ペップ・バルサ時代のクラシコでも見覚えのある展開でした。
相手のプレスを躱すのに精いっぱいで攻撃はまるで機能せず。
むしろそれだけ相手がペース配分なしに突っ込んできてくれるからこそ、後半はバルサペースに持ち込めるわけですが。
去年から1試合も逆転負けしていないのもその粘り強さがあってこそかと。
メンバーではベルマーレンとマスチェラーノは前回同様の問題を抱えている気がしました。
特にマスチェラーノは攻撃的に振る舞おうとするほど空回りしている印象で・・
今後のブスケツの代役はロベルトでいくべきかと。