15/16リーガ第22節 1/30 バルセロナVSアトレティコ・マドリード 試合評価

試合支配率

※赤色はバルセロナ、黒色はアトレティコ・マドリード、白色は互角

20160130 アトレティコ戦

・バルセロナ30分、アトレティコ・マドリード5分、互角55分

前半はトータルで見ればイーブンの試合支配だった。前半の20分ぐらいまではバルサのプレーもいまいちで少しアトレティコ寄りの試合であり、25分を過ぎてからは少しバルサ寄りの試合だった。後半はアトレティコが1人少ないという数的不利もあり、ほぼバルサペースの試合ではあった。後半途中からさすがに2人減れば攻守に厳しいものがあり、アトレティコはよくバルサ相手に9人で守ったなと感じさせる頑張りを見せた。

試合での問題点

後半含めてバルサの人数が数的有利な状況でも、セカンドボールを拾われまくってアトレティコの連続攻撃を受ける回数が多かった。前半にも後半にもそんな時間帯があり、その時間がとても心臓に悪かった。この試合では正直ブスケツとイニエスタの動きが風邪明けでコンディションが悪く、運動量が少なくとても重そうだったという原因もあった気がする。特にブスケツは顔が真っ青に見えたのは気のせいか。守備時に南米トリデンテが前線に残るのはバルサの戦い方であるけど、前線と守備のブロックのスペースを使われ過ぎた。アトレティコの攻撃に迫力があって下がらざるを得なかったかもしれないけど。

やはりと言うか試合立ち上がりは少しスローペースという感じを受けた。カンプノウなのにパスのボールが伸びずに失速するピッチの状態もあったが、それでもパススピードが速いパス回しは見せれなかった。試合序盤からトップギアで試合に入るのが得意なバルセロナではないが、ここ数試合は本当に試合の立ち上がりが不安な印象を受ける。

試合での良好点

試合にトップギアで入らなくても、時間とともに復調して勝ち越すというのが今のバルセロナの力なのかもしれない。逆転の試合や後半に勝ち越す試合が続いており、無敗連続試合の記録(現在26)をしっかり伸ばしている。このアトレティコ戦では後半でなく前半の間にリアクションを示し、前半の内に少し理不尽なゴールもありながら逆転に成功した。先制しても落ち着いて強し、スコアが動かなくても後半に勝ち越すことが出来、ビハインドなど悪い状況になっても後半に気持ちを入れ直して逆転できるバルセロナに死角はないと感じさせるほど強いチームになっている。

連続の試合で疲れがあったり、病み上がりや怪我明けでコンディションが優れなかったりという面はあったが、選手達はしっかり集中して試合を戦った。アトレティコの頑張りは確かにすごかったが、バルサの選手達も必死に戦う姿勢を持っていた。勝利への欲と強力なライバルに勝ちたいという欲がまだまだチャレンジャーのように残っており、このチームのハングリー精神には驚かされる。どれだけコンディションが悪くてもベストメンバーが組めなくても、このハングリー精神ではね返してくれそうという印象をこの1月の戦いでとても強く感じさせられた。

ちょっと目についた選手

・バルセロナ

DFピケ

「バルセロナの安定した守備にこの男の存在不可欠!」という言葉がピッタリなほどアトレティコの攻撃を跳ね返した。セットプレー含むゴール前のハイボールで何度も高さを活かしてはね返し、ドリブルの突破にはスライディングと上手いカバーリングで対処し続けた。ビルドアップでも頼りになる存在であり、この若旦那が調子が出るとチームの守備力が大幅に上がる。最終ライン統率もしっかり素早く上げ下げを調整しており、DF面に経験からくる読みも加わり、まだまだ成長を続けている選手だと感じさせた。

FWスアレス

このアトレティコ戦では決勝ゴールを決めたこの男が、前線のMSNの中で最もインパクトを残した選手だと言って間違いない。あまりにも試合の流れを無視した理不尽な個の力でのゴールに、敵将シメオネ監督もあれはチームとして破られたのではなく、スアレスという化け物の1ゴールとして処理したように感じられた。良い意味でバルサらしくないゴールだったが、昨季のカンプノウクラシコでのゴールといい、スアレス獲得は今なら安いお買い物だったと感じさせてくれている。

 

・アトレティコ・マドリード

FWカラスコ

今季からアトレティコに加入した選手で前半戦の戦いのときは途中出場だったが、まだ慣れていなということもありインパクトはなかった。その後オリベルからポジションを奪い大活躍をしているという噂は出ていたが、見て完全に納得するレベルの選手だった。ドリブルでは切れ味あるスピードに乗ったドリブルを見せ、クロスでも精度の高いクロスを何度か上げていた。チームの献身性の所でも最後まで気力が切れることなく戦っており、シメオネ監督がとても気に入りそうな選手だと感じさせた。補強禁止処分など問題はあるかもしれないが、今夏にビッククラブからのお誘いのオファーは完全に来そう。

最後に一言

後半はアトレティコが人数を減らして危険度が下がってバルセロナ的には助かったが、試合としては11人対11人の試合が見たかったと言うのがサッカーファンの本音だろう。前半はとても拮抗した試合であり、バルサもアトレティコも自分達のサッカーをしながら相手の長所を消そうと面白い試合だった。最終的にはバルサが勝利してとてもうれしい試合となり、これで消化試合が1試合少ないながらも勝ち点3差をつけて単独の首位になれたことがとても喜ばしい。まだまだ試合は多く残っておりリーグ優勝という言葉を口にするのは早いが、ライバルを直接対決で叩けたのは大きい試合となった。

 
 

1 Responses to “15/16リーガ第22節 1/30 バルセロナVSアトレティコ・マドリード 試合評価”

  1. レト より:

    コンディションの谷間でもあるこの時期に連勝出来ているのはデカいですね。
    真逆の状況だったCWC前の不振から脱却した印象です。
    調子の悪い試合でも個人技で誤魔化せるのがクラックがいるメリットですが、この大事な時期にそれが出来るというのがバルサの一つの強みというか。
    同点ゴールのドリブル突破とワンタッチパスで相手守備に歪みを生じさせた場面は今のバルサを象徴するプレーでしょう。

    逆にアウベスとマスチェラーノは加齢の影響かミスが目立つようになってきましたね。ローテーションも重ねて乗り切れるといいですけど。

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