15/16CL準々決勝1st 4/5 バルセロナVSアトレティコ・マドリード 試合評価
■ 目次
試合支配率
※赤色はバルセロナ、黒色はアトレティコ・マドリード、白色は互角
・バルセロナ20分、アトレティコ・マドリード0分、互角70分
試合立ち上がりからバルサが少し有利に試合を進めており、イーブン気味になった20分過ぎにアトレティコは先制に成功した。35分のトーレスの退場でアトレティコは守備一辺倒になったが、それでもバルサは試合の主導権を握れず前半は終えた。後半になるとバルサの攻勢にアトレティコは完全に押し込まれ、完全なバルサペースとなった。同点ゴールを決めた後も1人多いのもあり少しバルサペースで試合は進み、後半はほとんどバルサペースの試合だった。
試合での問題点
この試合でもメッシが右サイドではなく中央にいる時間が長く、前半は特に攻撃が中央に寄り過ぎてアトレティコを効果的に崩せなかった。後半はメッシが中央にいてもサイドを使うことで良い攻撃も見せたが、バルサはメッシ中心に攻撃するので自ずと攻撃が中央により過ぎてしまう。対戦相手は本当に守りやすく、メッシが中盤の位置で囲まれてボールロストする機会がとても目立つ。メッシがボールを奪われると相手の速攻の機会も出やすくなり、メッシの中央起用はポジティブな面よりもネガティブな面が多い気がする。メッシがシンプルにパスをはたけばサイドが空きやすくなるのだが、メッシの場合は突破を考えるのでそれだけボールロストする機会が増えてしまう。
この試合でも中盤のスペースを活用されて苦しむ場目が目立った。やはり3人で守るにはスペースが生まれやすく、バルサの失点シーンでは完全に中央のスペースをアトレティコに使われての失点だった。もうルイス・エンリケに基本的には前線の3人を中盤まで下げる気はないと思うので、より中盤の3選手は中央を意識した守りを実践しなければいけない。
試合での良好点
この試合に向けて選手達の姿勢は100点満点だった。試合立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛け、守備でもプレスと囲い込みでアトレティコの攻撃にピンチを作られる回数は少なかった。攻撃の仕方などまだ問題はありそうだが、クラシコ敗戦後の選手達のリアクションはとても素晴らしかった。カンプノウに詰めかけたバルサファンも大きな声援でサポートし、後半はさらに積極的になり効果的な攻撃を見せてカンプノウでのバルサの強さを見せた試合だった。
前半は20分までに3回ほどチャンスはあったが、失点以降はほとんチャンスはなかった。しかしハーフタイム以降アトレティコから得点を奪うプランをしっかり実行し、相手が10人ということもあったが完全にバルサペースの試合を演じてゴールを奪った。後半はペップバルサのように相手を完全に押し込み、アトレティコから得点を奪えたのはとても必然的だった。後半からというのは課題だが選手達の戦い方の柔軟さも凄いものがあり、今シーズンのバルサは良い意味でも悪い意味でも後半に強い。
この試合ではルイス・エンリケの手腕はとても褒めて良いものだったように感じる。前半の立ち上がりからしっかりチームは試合に入っており、失点はしてしまったが良い感触を見てとれた。後半は完全にアトレティコを押し込む策を講じ、チャンス数とPA内に侵入する回数が劇的に増加した。途中交代では中盤の3枚を全員代えるなど、いつものルイス・エンリケとは違った一皮むけた采配だったように感じられた。この試合でさらに良い指揮官へと歩み、さらに積極的なルイス・エンリケ監督へとさせると予感させた。
ちょっと目についた選手
・バルセロナ
DFアルバ
この試合ではバルサのSBの出来が良く、アルバはいつも以上に積極的に攻撃をしていた。攻守において集中していたバルサを象徴する選手であり、同点ゴールのアシストも決めた。アウベスと一緒でこの試合のキーマンとなり、バルサのSBの選手の攻撃力の高さを見せた試合だった。
FWネイマール
アウベスのクロスにブラジルのホットラインで何度も合わせ、ドリブルでアトレティコにダメージを与えた。良いシュートチャンスが何度かありせめて1点は取ってほしかったというのはあるが、アウェイでのゴールに期待したい。ドリブルでキレがある程度戻ってきており、動き出しでもネイマールらしさが出た試合だった。
・アトレティコ・マドリード
MFカラスコ
グリーズマンと並びアトレティコの攻撃の起点となり、そのドリブルでバルサは何度か突破された。キープ力とドリブルコースが本当に上手く、バルサの守備ではとても苦労する選手だと実感させた。守備でも献身的な姿勢を見せ、バルサにとってはアトレティコの攻撃のキーマンであるグリーズマンよりも厄介な存在だった。
最後に一言
アウェイゴールを1点取られたり、3点目の追加点が奪えないなどネガティブな1面もありそうな試合だったが、しっかりとアトレティコに勝利できたことはとても評価してよい部分であった。2ndレグでバルサは引き分け以上で確実に準決勝進出を決める条件で、アウェイのビセンテ・カルデロンでもシンプルに勝利をすれば勝ち抜けは決まる。敵地でも勝利を目指して戦えば大丈夫だろうと個人的には思っているので、楽観できるスコアでこの1stレグの試合を終えれたと良い感触を受けている。
タグ:アトレティコ・マドリード, チャンピオンズリーグ, 試合評価
はじめまして!
2ndレグの戦い方に(主にメッシの扱い)ついて質問です。
メッシの中央下がり目のポジションはクラシコに続き、この試合でも主にネガティブな部分で目立っていました。
恐らくメッシは個人の判断であのようなポジションを取っていると考えられます。
ですので2ndレグに関しても同じようなポジションを取り続ける可能性が高いのではないかと思います。
(そのへんをエンリケがコントロールできれば良いのですが…)
メッシの場合、仕掛ける回数の多さからロストの回数も必然的に多くなるため、狙われてカウンターになるリスクも増えます。
(2年程前はよくメッシのロストから失点していたのが懐かしいです)
目の前の勝利だけに拘るのであれば、メッシを外しロベルトを右エストレーモで起用し、失点した場合、メッシを投入するというのが良いのかなと考えましたが、メッシを外すのはまず不可能ですね笑
メッシが中央よりでプレーする前提でチームとしてどのように戦うのがベストか、布陣等も含めてご意見頂ければと思います!