16/17スーペルコパ1st 8/14 セビージャVSバルセロナ 試合評価
■ 目次
試合支配率
※赤色はバルセロナ、黒色はセビージャ、白色は互角
・バルセロナ15分、セビージャ0分、互角75分
WOWOWでこの試合の解説を務めた望月氏はセビージャが良い感じでバルサがダメみたいなことを言っていたが、個人的には拮抗した試合で最後はバルサのゲームプランニングで勝った試合だったと思う。前半は五分五分でお互いに決定機はほとんど迎えず、後半になるとセビージャは足が重くなったことでバルサが徐々に試合の主導権を握った。後半になるとバルサが先制してセビージャが攻勢を強めたこともありオープンな試合展開になったが、そこで優位に立ったのは足が止まらないバルサだった。
試合での問題点
特に前半だが攻撃のサポートと動き出しが少ない。前半はチームが守備に重点を置いていたのだろうが、前線の3枚が孤立気味で少し溜めを作ってもフォローが来ずにボールを奪われるシーンが何度もあった。前半のバルサの攻撃はある程度前線の3人頼みで、チャンスの時以外は攻撃参加がチーム全体で少なかった。ビルドアップ時に中盤の選手はボールを貰いにいった後の動き直しや、他の選手にパスが出た後の動き出しが少なくビルドアップが苦しくなった要因となった。チームコンディション的にそこまで求めるのは酷かもしれないが、後半は改善され出していたので今でもやれば出来るはず。
守備に重点を置いた前半だったと思うが、前線からのプレスはもっと強烈にかけても良かったと思う。若干ボールを見ている時間が多くあり、もう少し追いかけるだけで後ろの選手が楽になったりボールを奪えると思えるシーンはいくつかあった。それでも前半は何度か高い位置でボールを奪い返してバルサにチャンスは生まれていたが、その回数はもっと多く作れただろう。セビージャGKセルヒオ・リコ狙いのプレスは見れて良かった。
試合での良好点
この試合では何と言ってもバルサの選手達の集中力の高さとチームへの献身性が見れた試合だった。チームの為に走る選手が多く、後半に顔を近くで見ると「そろそろ倒れるんじゃね!?」と思える選手もチラホラ。セビージャの選手達も走っていたがバルサの選手達は90分間通してバランスよく走って足が止まった時間はなく、とても効率性のあるランニングに見えた。試合を通して気が抜けた時間帯はなく、今シーズン初めての公式戦で無失点を記録した大きな要因となった。
決して第3者からは認められないバルサの鉄壁な守備が素晴らしかった。セビージャの攻撃に迫力不足感は否めないが、それでもセビージャの攻撃を中盤やゴール前で何度もはね返した。ふと思い返してもブラボがシュートストップしたシーンは思い出せず、最後はDF陣が体を張ってゴールを守り切っていた。セットプレーやロングスローという高さや強さというバルサの苦手分野でもピンチになるシーンはなく、集中力の高さもあって本当に完封した試合といって良いだろう。メンバーが揃って集中さえすれば相変わらずエンリケバルサは鉄壁な守備を見せてくるのは嬉しい所( `ー´)ノ
攻撃では最後はスアレスやムニルがしっかりゴールを決め、効率性も見せて2ゴールを奪った。スアレスの先制点はバルサに試合の主導権をたぐり寄せる大きな役割があり、ムニルの得点はまだ90分残っているがセビージャの選手達を少し諦めさせるのに大きな追加点となった。攻撃の中心としてメッシもしっかりと機能しており、ネイマール不在やイニエスタが途中で不在となったがそれでもバルサはゴールを奪える力と、チャンスを作れる力があることを証明して見せた。
ちょっと目についた選手
・バルセロナ
DFマスチェラーノ
今夏移籍騒動で色々あったが、この試合だけでもマスチェラーノ残留の価値の大きさを示す試合となった。最終ラインでは体を張ったタックルやブロックでシュートを防ぎ、目の前で危ないと思った場合は出足の速い寄せで守り、前に出るスピードはさすがピボーテで守備力の高いマスチェラーノという感じを受けた。チームに残ってくれたことで今シーズンのバルサがまだまだ鉄壁な守備を形成できそうという、安心感を与えてくれるパフォーマンスを見せた。
MFラキティッチ
地味目な活躍ぶりだったがブスケツをサポートして守備では右サイドも幅広くカバーし、メッシやセルジ・ロベルトが攻め込んだ後のカバーリングなど相変わらず仕事は多かったがしっかりと仕事をこなした。球際では強さだけでなく激しさ、そしてファールを受ける上手さもあり世界でもこれだけ気の利く選手はいないと思わせる活躍ぶりだった。まだコンディションが上がってきていないので体力的にキツそうで、倒れるかと思った( ̄▽ ̄)
FWスアレス
相手のゴール前で動き回りマークが付きにくい動き出しでポストプレーやチームメイトとのコンビネーションを見せ、最後はフィニッシュも決めて完璧な活躍ぶりだった。守備でも中盤の右サイドに戻って守備するシーンが多くあり、前線からのプレスなど守備でもチームへの献身性を見せた選手の1人だった。お手本になるかは分からないがCFのお手本のような選手で、攻守など全てにおいてチームで重要な役割を担う選手だった。
最後に一言
セビージャがもっと選手をローテーションしてきて欧州スーパーカップの疲れはあまり考えていなかったが、そこまでメンバーを入れ替えなかったことでバルサ陣営はゲームプランを立てやすかった試合だったのかもしれない。そしてそのゲームプラン通りセビージャの足が止まった後半にバルサはしっかりとゴールを決め、無失点で終えたこともバルサには良かった。中2日で2ndレグのカンプノウでの試合があり共に苦しい試合にはなりそうだが、スコア的に有利な立場のバルサがホームと言うこともあり試合を優位に進める可能性は高そうだ。まずはスーペル・コパ制覇に優位な立場に立った( `ー´)ノ