16/17スーペルコパ2nd 8/17 バルセロナVSセビージャ 試合評価

試合支配率

※赤色はバルセロナ、黒色はセビージャ、白色は互角

20160818 セビージャ戦

・バルセロナ10分、セビージャ0分、互角80分

少しシビアに見ているのでバルサペースは10分と書いているが、ほとんどバルサペースで試合は進んでいた。前半のバルサの先制点が生まれる数分前まではセビージャの時間も少しあったが、先制点以降ずっとバルサペースで進んだ。バルサに主力選手が揃っていてギアを上げてもっと攻撃に力を入れていれば、前半で3得点ぐらいのリードを奪えていたかもしれない。バルサが少し良く、セビージャが悪いという感じの試合だった。

試合での問題点

この試合では最終ラインにピケ不在もあって、横からのクロスボールに弱かったバルサ。新戦力のユムティティ、ディニュがおり、右にはビダルがいて高さの面やマークでは甘い部分が結構あった。セットプレー時のマークもそうだが、セビージャの選手に先にボールに触られるシーンが多かった。後半になるとバルサの選手が先に触る機会が多くなっており、ハーフタイムにマークの付き方やポジショニングの確認が行われたのかも。

エンリケバルサになる前からそうだったがショートコーナーに対してあまりにも無策なバルサ。ショートコーナーに対して1人しかマークに行けないことも多く、バルサ相手に意図的にセットプレー時にボールを動かして蹴ってくるチームは結構いる。今日は新戦力の選手が多くショートコーナー時に誰が行くのか迷いがあったのだろうが、ショートコーナーなど相手がボールを動かすことも踏まえて守備を練らねば。

試合での良好点

ビルドアップからパスコースを多く作りセビージャのプレスを上手くかわしたシーンが多くあった。セビージャのプレスが少しちぐはぐな部分はあったが、中盤の3選手がしっかりパスコースに入ってボールをさばいており、中盤の選手はさすがバルサの選手と感じさせた。サイドチェンジも効果的に使えており、多少の悪いボールロストもあったが完璧にパスを回せるわけでもないのでこれぐらいは目をつぶる部分か。

プレシーズンからバルセロナの攻撃陣の決定力は効率性を発揮し続けている。この試合も枠内シュート4本で3得点をあげ、他にも惜しいシュートチャンスはいくつもあった。スアレス抜きでも今日はアルダが2ゴールを決め、メッシにも得点が生まれて試合ごとに主役が変わることはチームが上手く機能していることの証明。決定力という部分では良い人材が豊富なバルサには問題とならなさそうで、後はチャンスを多く作ることだけ。

ネイマール不在でアルダがこの2試合穴埋めを務めているが、中盤の選手がウイングに入る方が守備が安定する感じがする。ネイマールが戻ってくると守備の部分ではどうしても中盤までしっかり下がって守備をするのは甘くなりそうで、4枚と4枚の守備ブロックを構築することは難しそう。昨季もメッシ不在時には穴埋めのムニルやサンドロがしっかり下がって守備をして安定していたし、MSNが揃えば攻撃力では強くなるが守備面ではマイナスになるのは目をつぶるしかなさそうだ。今シーズンはウイングの代えの選手(アルダ、デニス・スアレス)も確保したし、ネイマールにしっかり守備をさせてバテたらローテーションや途中で下げる交代がチームとしては強くなりそう。

選手評価

※()の中の評価点の数字は6が平均で、1が悪く10が最高点。★はMVPの選手。

GKブラボ(8)

この試合が最後とも思われたがリーガ開幕節もゴールを守るのは決定的らしく、リーガ開幕節が本当の最後の試合となりそうだ。PKストップ、前半立ち上がりのセーブなどバルサの無失点に大きく貢献し、足元のプレーも危なげなくこなした。ペップシティに移籍するにはもったいない選手だが、ペップシティで大活躍してくれればバルサファンも少し鼻が高い。そしてブラボの移籍金は最低固定額2500万ユーロはゲットしてほしい。

DFビダル(5)

ビルドアップの段階でボールを奪われたり、問題の守備面ではセビージャの攻勢が強くなかったことで大きな問題にはならなかったが、ポジショニング含め改善しなければいけない。正直ビダルの守備に全く進歩が見られないのが悲しい所。バルサファンもさすがに若干の諦めムードが漂ってきたか・・・。

DFマスチェラーノ(6)

マスチェラーノがハードタックルしなければいけない状況がほとんどなく、ビルドアップをしているだけという状況で率なくプレーしていた。心配された怪我も1週間程度で回復するようなので、リーガ開幕は出れないが第2節に間に合えば十分。

DFユムティティ(7)

ユムティティも守備面ではそこまで仕事がなく、ゴール前のボールを跳ね返すことは少なかった。ビルドアップで鋭い縦パスを何度も送ったり、ボールを持ち上がったシーンがとても印象的な活躍となった。最終ラインのコントロールもバルサで2試合目のはずだが、ラインを崩すことなくオフサイドを取るシーンもあった。スピードとパワフルなディフェンスでカバーリングも広く期待できそうな選手だけに、獲得した費用は安く感じているファンも多いはず。

DFディニュ(8)

左SBとしてバルサに来てもう3シーズン目のような攻撃参加を見せて活躍をした。攻撃参加のタイミングやオーバーラップのタイミングはバッチリで、攻撃面では後は連携面や周りの選手の特徴をつかむだけという段階。個人的に守備面で心配していたがSBとしてプレーしていた経験があり、しっかり抑えるべきポイントや危険な所は分かっているようで、基本的なSBの守備がしっかりできるようなので守備面でもそこまで不安なし。体がごついのに時より球際の競り合いで負ける部分がある所が少し心配点か。

MFブスケツ(7)

ブスケツが前に出て守備をするのはもうチームとしてOKということなのだろう。その分この試合ではアルダが左に戻ってきてカバーしていたが、ブスケツが前に出た時に左右のCHがもう少し絞ってほしい感じはする。ブスケツ自身は守備の対人では上手く守備をしており、ボールさばきも徐々に良くなってきた感じ。後半少しボールの持ちすぎなシーンもあったが、まぁこれから本来のブスケツになってくると期待したい。

MFデニス・スアレス(6)

攻撃陣でこの試合ではインパクトを残せなかった選手。デニスは中盤に入るとメッシに気をつかったり無難なプレーを選択する癖があり、もっと攻撃に行ける時はドリブルだったりしかけることが出来る選手のはず。プレシーズンの親善試合でウイングに入った15分間ぐらいはとても攻撃で輝いており、このデニスが中盤で見れれば文句なしか。相手のプレスで苦しくなった時に変にパスに逃げる癖があるので、周りのサポートが十分でないなら自分でボールをキープして時間を作ることも出来るはず。少し遠慮気味のプレーが目立つ。

MFアンドレ・ゴメス(8)

ガンペル杯の時は2割、この試合でもまだ5割程度のコンディションしかないとみているが圧巻のプレーを見せた。視野の広さとシンプルにパスをつなぐ質の高さ、さらに両足を巧に使った幅のあるプレー、現状ではスピードに乗ったプレーをしていないにもかかわらずレベルが高い。これにドリブル突破やパス&ムーブからのワンツーの崩しや飛び出しが出てくれば天井知らずの期待感を抱いてしまう。今日のプレーを見るとCHの3番手はアンドレ・ゴメスで決まりかなとも思わせた。

FWメッシ(8)

相手チームから見て悪魔と感じさせるほど難しいことを簡単にプレーしていた。メッシの鋭いパスは正確性というかピンポイントのパスばかりで、スピードに乗りながらのサイドチェンジでも強いキックが蹴れてピンポイントのパスを出せるのだから体の構造がどうなっているのか知りたい所。この試合では珍しくヘディングでゴールを決め、試合が決まっていた状況だったがファンを楽しませてくれた。休暇を切り上げて早く練習してくれたおかげもあってコンディションはとても良さそうだ。

FWムニル(6)

試合の中で消える時間があるのがムニルだが、この試合でも消える時間はとことん消えていた。後半終盤になると突如ムニルの足技を見る機会が多くなり、ムニルの良さが出たのは良かった。試合の中で継続的な活躍と得点を奪えればルイス・エンリケも納得するのか。第4のFWを獲得しなくてもムニルで十分にいけそうな気がするが、誰かを獲得したらレンタル移籍は間違いないだろう。

FWアルダ(9)★

この試合のMVPはアルダだった。2得点だけでなく前線でのキープや動き出しで存在感を見せ、もうバルサファンの中にアルダ放出を希望している人はいないだろう。アルダは中盤より前線の方が生き生きとプレーしており、これからはウイングの3番手になる可能性が高い。昨シーズンからこれぐらいプレーしてくれればなと思うが、昨季はラフィーニャが怪我をしていたので中盤でのプレーになった部分があったのかもしれない。アルダの活躍でますます中盤の選手達の序列は難しいことに。

DFアルバ(6)

今シーズンの初出場となり、動き自体悪くなかった。ディニュが活躍している分、アルバにも焦りがあるのか試合終盤には気合いの入りすぎな一面もあった。アルバがいればファーストチョイスはアルバだろうが、アルバが怪我した時や休ませたい時にディニュがいることでバルサファンは左SBへの心配がほとんどなくなった。練習のロンドには参加していたのに欠場していたので、少し謎だったが復活してくれて何より。

MFサンペル(6)

ブスケツと比較しなくても少しバルサのアンカーとしては実力不足感は否めず、パスのつなぎや守備面などで課題は多い選手。この試合ではパス出しは結構良かったし集中して守っていたが、これから出場機会を多く貰えるかは微妙な所。これまで完全なバルサ産の選手だが、今シーズンはレンタルで武者修行がサンペルの為になると思う。

MF(CB)ラキティッチ(7)

途中から入りミドルシュートでラキティッチらしさをアピールしたが、マスチェラーノの怪我後はCBに入ってプレーした。このCBで全く見劣りする部分はなく、周りをしっかり見ながら的確な守備が出来ていた。改めてレベルの高い選手は様々なポジションが出来ると思わせてくれた。ネタでCBもラキティッチは出来そうと言えるが、今日のプレーを見る限り困ったらラキティッチなら右SBも出来そうと強く感じた。大事な試合でセルジ・ロベルトが出れない場合はラキティッチを右SBで、中盤にアンドレ・ゴメス起用でもいけそう。

最後に一言

ルイス・エンリケの大体なローテーションには驚かされたが、それでもチームが完勝で勝ってしまうのだから完璧な試合となった。新戦力は大きな期待感を抱かせ、アルダも復活してきてバルサの選手層も厚くなってきたと感じさせた。スーペル・コパ獲得でまずは今シーズ1冠獲得で、後は3大タイトルを獲得するだけだ。そして今週末にはリーガ開幕戦があり、カンプノウでの試合ということもありこの流れのまま無失点での完勝を狙いたい試合だ。それにしてもバルサは改めて強いな~と感じさせる試合だった。

 
 

2 Responses to “16/17スーペルコパ2nd 8/17 バルセロナVSセビージャ 試合評価”

  1. レト より:

    思い切ったターンオーバーでしたが、良い意味で予想を裏切る内容を見せてくれましたね。
    ターンオーバーして大失敗した去年とは対照的で頼もしい船出です。
    序盤の出遅れもあって補強にはあまり期待していませんでしたが、
    今回の成果にはフロントへの評価を改めます。
    最近はスルーパスが出せる選手が出てきていない印象だったので、
    ゴメスの加入はその点でも大きいですね。
    セビージャが予想以上に混乱していたのもありますけど、
    メッシはセビージャ相手だとクラシコ以上にモチベーションが高い気がします。

  2. 茶飲みばーさん より:

    今年の新戦力4人とも、期待できるパフォーマンスですね(デニスは今日は今一つでしたが、1レグはよかったと思います)。今年の加入選手の特徴は、若い、昨シーズン所属チームのファーストチョイスとしてほぼフル出場、CL・EL経験者です。4人とも伸び盛りの勢いが感じられ楽しみです。

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