16/17リーガ第3節 9/10 バルセロナVSアラベス 試合結果・評価
■ 目次
選手
バルセロナ 監督ルイス・エンリケ 4-1-2-3
GKシレッセン
DFビダル、マスチェラーノ、マテュー、ディニュ
MFブスケツ、ラキティッチ、デニス・スアレス
FWアルダ、パコ・アルカセル、ネイマール
リザーブメンバー
マシップ、ユムティティ、アルバ、イニエスタ、ラフィーニャ、メッシ、スアレス
選手交代
60分デニス・スアレス→メッシ、63分アルダ→イニエスタ、66分パコ・アルカセル→スアレス
欠場者
ピケとセルジ・ロベルト(判断)、シュテーゲンとアンドレ・ゴメス(怪我)
アラベス 監督マウリシオ・ペジェグリーノ 5-4-1
GKパチェコ
DFキコ・フェメニア、アレクシス、ラグアルディア、ラウール・ガルシア、テオ
MFエドガル・メンデス、マルコス・ジョレンテ、ダニエル・トーレス、イバイ
FWデイヴェルソン
オルトラ、ビガライ、カマラサ、エスピノサ、マヌ・ガルシア、クリスティアン・サントス、トケーロ
69分エドガル・メンデス→エスピノサ、73分キコ・フェメニア→ビガライ、79分イバイ→カマラサ
試合結果
バルセロナ1VSアラベス2
得点者
38分デイヴェルソン(ア)
46分マテュー(ネイマール)
64分イバイ(ア)
試合支配率
※赤色は完全なバルセロナ、オレンジ色は少しバルセロナ、白色は互角、灰色は少しアラベス、黒色は完全なアラベス
・バルセロナ30分、アラベス5分、互角55分
前半の立ち上がり5分間は良かったがそこからアラベスの守備ブロックの前に攻め込めなかった。ボールだけ支配した時間が過ぎたが一発のプレーで失点して苦しい立場に。失点後数分間は落ち着かない時間帯があったがそこからバルサも逆襲に出た。後半開始の46分で同点に追いつき一気にバルサペースになると思われたが、そこからも全体的にアラベスの守備ブロックに苦しんだ。自分達のミスから失点し再度リードを奪われてからスアレスなども投入して反撃に出たが、代表帰りの選手は体の切れがなくプレーの精度も欠き最後までアラベスゴールを奪えずに敗戦。それでも前半からバルサにはアラベスのゴールを奪えるチャンスがあっただけに、決定力が敗戦を1つの要因と言える試合だった。
試合での問題点
アラベスの守備ブロックの前に速いパス回しとサイドを変える展開はなく、最後までアラベスの守備ブロックをかわせなかった。アラベスが5バックだったことでサイドもいつも以上にカバーされていたが、その分中盤や最終ラインの前でボールを受けるシーンもあったが素早く囲まれてチャンスを予想以上に作れなかった。メッシがいないと大きくサイドを変えるパス展開は出ず、ほぼショートパスだけの崩しでは限界があった。最終ラインにピケがいないことも影響してか、右CBから左サイドや左CBから右サイドへの展開も出来なかった。
ルイス・エンリケになって改善されたセットプレーだが、さらなる進化と改善が必要と感じさせられた。攻撃ではCKの数が10本を超えたがマテューの2回だけがチャンスで、ほぼ相手のDF陣に先にボールに触られてネイマールが中に蹴るだけではさすがに変化が欲しかった。新戦力が多く出ており中でブロックしたりサインプレーが出来なかった可能性もあったのかもしれない。守備ではFKで相手がゴール前に蹴り込む時にバルサはラインを敷いてゾーンで守っているように見えるが、オフサイドで助かったシーンではマスチェラーノがゴール前の中央なのに2人に対応して対応しきれなかった。ラインを敷いてマークを捕まえる守備にして、CKの守備のようにピケをフリーマンにして相手選手をしっかり捕まえる守備にした方が良さそうな気がする。
今夏のバルサはシーズンを通してローテーション出来る為にも補強してきたが、それが少し不安になるようなプレーぶりだった。鉄板メンバー以外の選手の出来がそこまで良くなく、主力選手を休ませるのに少し不安が出てきた。この試合では代表ウイーク後ということもあっていつも以上にローテーションをして戦ったが、プレーもそこまで満足できるレベルではなくチームも敗戦してしまった。やはりMSNが揃わないと厳しいと少し感じる羽目に。
試合での良好点
今夏の終盤に獲得したシレッセンとパコ・アルカセルがバルサデビュー出来たことは良かった。結果はほろ苦のデビューとなったが、バルサでの一歩目を歩みこれからバルサの勝利に貢献してくれればOK。試合にあまり出ていなかった選手も出場し、怪我明けの選手も出場するなどポジティブに考えればここから試合勘を取り戻して次に活躍してくれれば。
選手評価・採点
※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMVPの選手。
GKシレッセン(6)
2失点こそしてしまったが、シレッセン自体のプレーはある程度の合格ラインは越えていた。足元のプレーもぎこちなさはなくしっかりとつなげており、最終ラインの裏のスペースをカバーする飛び出しはとても良かった。反射神経やポジショニングなどブラボに多少劣るかもしれないが、キャッチング能力は高いGKでバルセロナでやっていけそうとバルサファンは感じたはず。シュテーゲンが怪我中なのでシレッセンには良いアピールの機会となった。
DFビダル(4)
バルサの2失点目はマスチェラーノのクリアミスから始まったが、そのカバーのタックルがあまりにも軽すぎてそちらの方がプレーの根本的に問題を感じた。メッシ不在やネイマールが左にいることで左中心の攻撃となったが、ビダルが攻撃参加で絡めた回数は少なかった。今日の試合でさらにビダルの評価は下がり、冬に補強しないならば誰かを右SBで試す必要はありそうだ。
DFマスチェラーノ(5)
2失点ともマスチェラーノ絡みだったが、1失点目は相手のマークを剥がす動きが上手くクロスボールも鋭く厳しかったかなと。2失点目は完全にキックミスだったが、それ以外のプレーではマスチェラーノはよくやっていた。キックミスが痛すぎる代償となったが南米予選で2試合戦ってバルサで試合に出ており、コンディション的にピケの方が良かったのではと少し疑問の起用だった。
DFマテュー(6)
貴重な同点ゴールを決めたが、その直後のゴール前でのシュートも決めてほしかった。少し大雑把なマテューらしく多少のパスミスはあれど、守備では結構うまく守っていた。怪我明けのせいか体力的に試合終盤厳しそうだったが、そこまでマテューが走る試合だったようにも感じられず体力面では年齢のせいか少し心配に。
DFディニュ(7)
ローテーションされたメンバーの中で最も期待を抱かせるプレーぶりだった。左サイドの高い位置で何度もボールを受け攻撃に絡んでおり、ネイマールとは初めての試合だったので連携面でちぐはぐだったのは仕方がなかった。まだ周りとワンツーなど連携で崩す場面は多くないが、もっと連携が良くなればディニュのクロスだったり鋭いキックが活きる場面は多くなりそうだ。
MFブスケツ(5)
守備で時より軽いタックルシーンがあり、前半は縦パスなどを送れていたが後半になると3バックの右に入る形となり消えた。相手の前線のデイヴェルソンのスピードを警戒してマスチェラーノを中央にしていたのかもしれないが、パス回しを考えればどう見てもブスケツが中央でパスをさばく方が良かった。ルイス・エンリケの指示かブスケツ自身の判断か分からないが、右に入ったのは完全なブスケツのミスに感じられる。監督の指示でもある程度無視して中央でプレーした方が効果的なプレーが出来たはず。
MFラキティッチ(5)
ラキティッチも代表戦の影響でプレーに精彩を失っていた。左足の2度のシュートシーンはラキティッチらしくなく、球際などよく戦っていたが全体的にスピード感がなかった。安定感抜群のラキティッチでも代表戦後の試合でさすがに影響があったように感じられた。
MFデニス・スアレス(4)
このアラベス戦では対人で後手に回るシーンが多くあり、特に守備ではアラベスの選手を止めれなかった。バルサの1失点目もデニスが簡単に抜かれたのも1つの要因で、攻撃でも縦パスを送れずに横パスばかりとなった。デニスには期待を込めて厳しい評価にしたが、こういう他の選手が苦しい時に活躍して欲しい所。
FWアルダ(7)★
右で相手を背負っても攻撃の起点となるシーンは多くあり、アルダは良いプレーが継続できていた。その分途中で下げたのはもったいなく、中盤のアルダももう少し見たかった所。次のCLではスタメンになるか分からないが、今の調子ならアルダをスタメンで起用してネイマール辺りに休息を与えても良いのかも。
FWパコ・アルカセル(5)
パコらしい動き出しは少なく、さすがに周りとの連携で戸惑っていた感じを受けた。パコはもっと自分からボールを受ける動き出しをする必要があり、パスが出ようが出ないがまずは動き出して自分がマークを外す動きを何度も繰り返すことがミッションに。アラベスが5バックでパコは2人や3人と対峙するので厳しいものだったが、パコならもっとできるはず。少し遠慮気味だったので次の試合ではもっと積極性が出てほしい所。
FWネイマール(6)
ネイマールのコンディション的には良くもなく悪くもなくといった感じだったが、ブラジル代表で長くプレーしていたせいか球離れがいつも以上に遅かった。メッシやスアレスがいないこともあって自分がやらなければという思いがあったのだろうが、相手のゴール前やサイドでシンプルにプレーするべき時が何度もあった。めちゃくちゃコンディションも良いという印象も受けないので、今はまだ代表での疲れを癒す時で次の試合は休ましても。
FWメッシ(6)
代表ウイークと怪我で練習不足もあってかメッシのプレーも精彩を欠いた。左への大きい展開も引っかかるシーンが多くあり、ドリブルも代表ウイーク前の切れは感じられなかった。もう一度メッシにはコンディションを上げてほしいが、そけい部の怪我が悪化しない程度に試合時間をコントロールしながらの出場が大事となりそうだ。
MFイニエスタ(6)
何度かドリブルで突進したイニエスタらしいプレーもあったが体は正直で、怪我明けでコンディションは良さそうに見えなかった。イニエスタは次のCL戦でさらに体が動けて、中盤でチームを引っ張ってほしい所。
FWスアレス(6)
最もチーム内で体の重さを感じる動きを見せ、代表ウイークで1番コンディションが崩れた選手のように感じる。スアレスらしい切り返しや腰の切れはなく、動き出しで何度か良いシーンを作ったがその後のプレーは厳しそうだった。次のCLの試合ではある程度コンディションが戻ることを祈りたい。
最後に一言
代表ウイーク後でバルサの代表選手がここまでコンディションを崩されると思っていなかったが、代表ウイーク前のチームの調子の良さは完全になくなったといって良いだろう。もう一度リセットして試合に挑む必要があり、この敗戦は痛かったが次に切り替えてくれれば。この9月と10月の代表ウイーク後まではバルサには1つの正念場となりそうだ。新戦力も多く連携面でちぐはぐな場面はあるが選手は使っていく必要があり、ローテーションでは上手い具合にバランスを取らなければいけない。さすがに今回のアラベス戦では新戦力が多く、ローテーションが上手くいかなかった。アラベスが思っていた以上に良くなっており、少し対戦相手の力を見誤ってしまった。
CLとの連戦とはいえ今回はターンオーバーの失敗例ですね。
新人同然の控えにあまりに頼りすぎました。
全体的に動きが少なく、とくにサイド攻撃が全く脅威になっていなかったのが痛いです。
崩し方が浸透していないことと、アラベスの守備力を舐めていたのが原因でしょう。
加えてマスチェラーノのミスは正直ショックでした。
ネイマール同様、代表との連戦なのでキレがないのは仕方ないとしても
代表戦でも酷いパフォーマンスだったので。
やはり今期中に世代交代することになるかもしれませんね。
残念な結果になりました。勝ち点を落としたことより、ローテーションに対する意欲が落ちることが心配です。私としては、結果にとらわれず積極的なローテーションを支持していきたいと思っています。