16/17国王杯ラウンド16 1st 1/5 A・ビルバオ対バルセロナ 試合結果・評価
■ 目次
選手
バルセロナ
監督ルイス・エンリケ 4-1-2-3
GKシュテーゲン
DFセルジ・ロベルト、ピケ、ウムティティ、アルバ
MFブスケツ、ラキティッチ、イニエスタ(C)
FWメッシ、スアレス、ネイマール
リザーブメンバー
マシップ、マスチェラーノ、ディニェ、アンドレ・ゴメス、ラフィーニャ、アルダ、パコ・アルカセル
選手交代
71分ラキティッチ→アンドレ・ゴメス、88分ウムティティ→パコ・アルカセル
欠場者
シレッセン(怪我)、マテュー、ビダル、デニス・スアレス(判断)
アスレティック・ビルバオ
監督エルネスト・バルベルデ 4-4-2
GKイライソス
DFボベダ、エチェイタ、ラポルテ、バレンシアガ
MFラウール・ガルシア、サン・ホセ、イトゥラスペ、サビン
FWウィリアムス、アドゥリス
ケパ、エルストンド、ミケル・リコ、ベニャ、エラソ、スサエタ、ムニアイン
68分サビン→ムニアイン、78分アドゥリス→エラソ、83分ウィリアムス→エルストンド
試合結果
アスレティック・ビルバオ2VSバルセロナ1
得点者
25分アドゥリス[ア]
28分ウィリアムス[ア]
52分メッシ
試合支配率
※赤色は完全なバルセロナ、オレンジ色は少しバルセロナ、白色は互角、灰色は少しビルバオ、黒色は完全なビルバオ
・バルセロナ20分、ビルバオ10分、互角60分
試合立ち上がりこそビルバオのハイプレスに苦しんだバルセロナだったが、5分を過ぎる頃からバルサがボールを支配する。試合は落ち着いて進んでいるかに見えたが、25分にビルバオのショートカウンターが発動して先制点を取られる。失点後に混乱を見せたバルサは、立て続けに低い位置でボールロストしてビルバオに追加点を決められた。その後、苦しい時間をやり過ごしたバルセロナは反撃に出たが、得点までは至らず前半は0対2でビルバオ優勢のスコアとなった。
後半からバルサはセルジ・ロベルトを右サイドの高い位置に配置し、その分ラキティッチが低めの位置でビルドアップを改善しようとした。試合は前半と変わらず拮抗したまま進んでいたが、52分にメッシがFKを直接叩きこんでバルサが1点奪い返した。このアウェイゴールの1得点でビルバオはかかとに体重が少し乗ったのと疲れからか、高い位置からのプレスがかからなくなった。そして74分にラウール・ガルシアが退場し、80分にはイトゥラスペも退場してビルバオは苦しすぎる9人に。そんな9人のビルバオに対してバルセロナはパコ・アルカセル投入など攻撃の数を増やしたものの、最後まで同点ゴールを奪えずにサン・マメスでの1stレグは1対2の敗戦となった。
試合での問題点
ビルバオのハイプレスに苦しみ、MSNにパスを通せなかった。最終ラインの選手が多少強引にでも縦にパスを入れないと後ろにズルズル下げられるだけで、自陣から脱出できない要因となった。縦パスを強引に入れたらボールロストから失点の可能性もあるだけに、難しいが思い切ったプレーが必要な時なのかもしれない。カメラでは見えないが恐らく前線や中盤の選手の動き出しも少なめに見えたのも、ビルドアップが苦しくなった要因となった。
試合を通してパススピードとパスのテンポが上がらず、試合終盤の9人のビルバオに対しても効果的な攻撃が出来る回数は少なかった。悪くもなく良くもないバルサのパステンポの速さで、ある意味ここぞという攻撃のスイッチが入る機会がなかったバルサとも言えた。休み明けの初戦ということもあってバルサらしいと言えばバルサらしく、「新年一発目の試合ではこんなもんでしょ!」とも思える試合内容だった。
試合での良好点
試合結果としては1対2の敗戦や9人のビルバオを崩せないと残念ではあったが、試合内容としては新年一発目も考慮すると悪くはなかった。ビルバオのゴールシーンはショートカウンターで単発的なものであり、そこまでビルバオに多くのチャンスは与えなかった。苦しい時間帯もそれなりに耐えたし、休み前の調子に戻すには激しい試合で良かったのかもしれない。中2日の試合が続いて日程的に体力面が苦しいのはあるが、ローテーションしてなんとかやり過ごせれば。
選手評価・採点
※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMVPの選手。
GKシュテーゲン(6)
2失点ともノーチャンスで、セービング機会は少なく足元でのプレーが主となった。もう少しパスやスローイングを素早く判断しても良い機会があったようには思えたが、無難にパスは送れていた。
DFセルジ・ロベルト(6)
後半は高い位置でプレーする機会もあって相手のPA付近でプレーする機会は増えたが、右サイドを効果的に突破出来た回数は少なかった。守備やビルドアップで頑張っていた感があり、チームの1人として右SBとして仕事はこなした。
DFピケ(6)
競り合いやラインコントロールなどピケの存在感は光ったが、ピケ自身は普通のプレーぶりだった。普通のピケという姿がある意味バルサ的にはOKで、チームの守備がそこまで崩れなかったという証なのかもしれない。
DFウムティティ(6)
守備ではスピードや強さを見せ安定していたが、ビルドアップではシュテーゲンへのバックパスが目立ち、攻撃面では少し消極的な姿にも映った。前半にアドゥリスと少し揉めたシーンがあったが、ウムティティのキレた顔がメチャ怖い((+_+))。「日頃温厚な人を怒らせると怖い」という典型的な感じだった。
DFアルバ(6)
左サイド大外のランニングを何度も見せたが、ゴールにはつながらなかったのが残念。効果的な攻撃は何度か見せていたが、最後のラストパスなどが少し乱れた。2失点目はアルバの右足のキックミスからのボールロストで、守備面でも良かったがあれだけはマイナスポイントに。
MFブスケツ(6)
ブスケツらしい縦パスを見せる機会は少なく、この試合では横パスが目立った。相手のハイプレスの前にブスケツが消されるシーンも多く、バルサの大きな問題点に。守備やセカンドボールではしっかりと仕事をこなし、そこではブスケツの存在感は光っていた。
MFラキティッチ(6)
チームの機能性を考えるとやはりラキティッチがファーストチョイスだと証明されたスタメン起用で、右を中心に走り回った。守備面でのケアの仕事が多かったがビルドアップなど大きなミスもなく、ラキティッチらしい安定したプレーぶりだった。
MFイニエスタ(7)★
攻撃面ではイニエスタらしいキープ力を見せパスの供給元となり、ボールが渡ればイニエスタは別格ぶりをアピールした。ボールを受ける回数が全体的に少なかったのが問題であるが、イニエスタの存在感は周りの選手に良い効果を与えていた。
FWメッシ(7)
試合の流れでは何度か良い攻撃を見せ、FKから貴重なアウェイゴールを生み出した。相手のゴール前での判断がメッシにしては珍しく悪い部分もあったが、得点を決めたこともあり高評価。休みの間もジムで3時間トレーニングしていたこともあり体のキレは良い感じであり、後半戦序盤は特にメッシの活躍に期待。
FWスアレス(5)
試合の中で消えていたシーンが多く、ほとんどボールに絡めなかった。何度か裏への飛び出しで怖さを見せたが、それも数回程度に終わった。今日は少し荒れた試合だったがスアレスは悪い意味でその中に入れず、おとなしいスアレスであった。
FWネイマール(7)
ドリブルで何度もビルバオDF陣を切り裂き、ビルバオの退場した2人に2枚目のイエローカードを出させた。得点となったFKもネイマールが倒されたものであり、ネイマールも何気にメッシ同様、しっかりコンディションを維持していて良かった。前半終盤のPA内で倒されたシーンはPKにも思えたが、ネイマールも多少自分から倒れていることと、倒れたのがネイマールということで笛は吹かれなかった感じなのだろう。
MFアンドレ・ゴメス(5)
途中からの出場だったがほとんどゴメスがいたことにすら気付かなかった。試合終盤は右の高い位置にいたが右サイドを崩すことも出来なかったし、今日はさすがに出来が悪かった。
FWパコ・アルカセル(5)
本当ならビルバオが2人目の退場者が出た直後の投入でも良かったが、ラスト数分間での出場となった。終了間際のリフレクトボールを、枠内にも蹴れなかったのがマイナスとなった。シーズンの前半戦は良くなかったアルカセルだが、後半戦はアルカセルのゴールでバルサが勝利できたという試合が増えることを願いたい。苦しい状況でアルカセル投入を考慮する為にも、ここからの約2か月間で結果を残してほしい。そしてシーズン終盤にはバルサの“ラッキーボーイ”的な存在となっていてくれれば。
最後に一言
試合結果だけ見れば最悪の結果は免れ、1対2とアウェイゴールを1点奪えた最少得失点差での敗戦となり、2ndレグのカンプノウに向けて逆転の可能性は残せた。リーグ戦と違って2戦のトータルスコアでの争いなので、次のラウンドに勝ち進めれば今回の敗戦もなかったことになるのがカップ戦の良い所。
まずは国王杯は忘れて、次のエル・マドリガルでのビジャレアル戦に切り替えなければ。リーグ戦ではもう勝ち点を落とせないだけに、この厳しい一戦をどうか勝利で乗り切らなければいけない。今日のビルバオの時よりさらに厳しい試合になることだけは間違いなさそう。
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タグ:アスレティック・ビルバオ, コパ・デル・レイ, 試合結果, 試合評価
ロベルトがサイドで孤立する現象も再び見られましたし、
コンディション以前にチームに問題点を修正する意思が見られませんでした。
相手が8人でも数的優位を活かそうともせずパワープレーに走るなど
プレーに謙虚さも知性も全く感じられません。
2年前は窮地からまさかの大逆転劇を披露しましたが、
今のバルサやエンリケにその再現を期待していいものか、ますます不安になりました。