16/17国王杯ラウンド16 2nd 1/11 バルセロナ対A・ビルバオ 試合結果・評価
■ 目次
選手
バルセロナ
監督ルイス・エンリケ 4-1-2-3
GKシレッセン
DFセルジ・ロベルト、ピケ、ウムティティ、アルバ
MFブスケツ、ラフィーニャ、イニエスタ(C)
FWメッシ、スアレス、ネイマール
リザーブメンバー
シュテーゲン、マスチェラーノ、ディニェ、ラキティッチ、デニス・スアレス、アルダ、パコ・アルカセル
選手交代
80分ラフィーニャ→ラキティッチ、87分ネイマール→デニス・スアレス、89分イニエスタ→アルダ
欠場者
マシップ、マテュー、ビダル、アンドレ・ゴメス(判断)
アスレティック・ビルバオ
監督エルネスト・バルベルデ 4-4-2
GKイライソス
DFボベダ、エチェイタ、ラポルテ、バレンシアガ
MFエラソ、サン・ホセ、ベニャ、サボリット
FWウィリアムス、サビン
ウナイ・シモン、エルストンド、ミケル・リコ、ベスガ、スサエタ、ムニアイン、アドゥリス
29分エチェイタ→エルストンド、46分サビン→アドゥリス、79分サボリット→スサエタ
試合結果
バルセロナ3VSアスレティック・ビルバオ1
得点者
35分スアレス(ネイマール)
48分ネイマール
51分サボリット[ア]
77分メッシ
試合支配率
※赤色は完全なバルセロナ、オレンジ色は少しバルセロナ、白色は互角、灰色は少しビルバオ、黒色は完全なビルバオ
・バルセロナ15分、ビルバオ5分、互角70分
試合の簡単な流れ
試合が始まると同時にバルセロナの選手達は、この試合の重要性を理解しているかのように、死に物狂いで勝利を目指して試合に入った。ビルバオは前からのハイプレスは変わらなかったが、トータルスコアでリードしていることもあって、ハイプレスで得点を奪ってやるという気迫は感じられなかった。
バルサはそんなビルバオに対して、ビルバオの浅い最終ラインの裏のスペースを狙って何度も裏への飛び出しをおこなった。試合はバルサがボールを支配して進んでいたが、ビルバオの守備を崩せているとは言えないまま進んだ。
だがほんの少しだけバルサペースで進んでおり、35分にスアレスの豪快なボレー弾でバルサが先制。先制後も試合の流れは大きく変化せず、前半はバルサが1点リードして折り返した。この時点でトータルスコアは2対2となったが、アウェイゴールの差でバルサが有利とはなった。
ビルバオは後半頭から得点を奪うためにアドゥリスを投入した。しかしバルサはそんなビルバオを尻目に後半早々ネイマールがPA内で倒されてPKを獲得。そのPKを倒されたネイマール自身がしっかりと決めてバルサが追加点。
バルサファンの喜びもつかの間、51分にサボリットに頭で決められてトータルスコアで並ばれて、試合はイーブンのものとなった。失点後はバタついたバルサだったが、すぐさまリアクションして攻撃してビルバオを押し返した。
そして77分にメッシがFKを直接叩きこんで、バルサがこの試合3対1とリードしてトータルスコアでも上回った。残り15分間は何度かのチャンスを決めきれず、バルサファンにとっては心臓に悪い時間が続いたが、無事にそのまま逃げきってバルセロナがトータルスコア4対3でベスト8進出を決めた。
試合での問題点
左サイドの攻撃で主に前半、アルバとネイマールが重なってスペースを潰していた。アルバが最初から高い位置に侵入しすぎて、ネイマールのいつものプレーエリアに相手のマークを連れてきたことで、狭いエリアでの2対2の状況が多かった。後半はそんなシーンはなかったが、前半は得点を意識したのかアルバが変に高い位置にいすぎた。アルバを高い位置に置くならネイマールにもっと中でプレーさせたら良かったが、ネイマールはボールを受けようと外に流れたために、この2人が重なるシーンが見られた。
失点後のバルサのドタバタ加減が数分間続いて困る。1stレグの時は立て続けの失点と、失点後にメンタルのダメージを受け過ぎて数分間パフォーマンスが著しく下がる。この試合でも失点後はミスが連発したりと、誰の目にも明らかにバタついた。今シーズンは立て続けの失点シーンも何度か見られるだけに、失点後もドンと構える強心臓をつけて、もっと自分達の強さに自信をもって良い。過信し過ぎは困るけど、謙虚に自信を持つ分には良い。
試合での良好点
試合開始からの選手達のリアクションは良かった。エンリケバルサの1つの特徴ともいえる、ビッグゲームで選手達がしっかり反応してくれたのは見ていてバルサファンも分かった。たった1つの試合良くて楽観視し過ぎも危険だが、この試合を経て昨年の終盤ぐらいまで一気にチームの調子は上がったように思う。そしてチームも逆転での進出で勢いもついて、ここからのバルサの巻き返しに期待できる。
選手達のリアクションは良くても試合自体はビルバオを大きく上回れなかったが、チームはイーブン気味の試合展開の中で粘り強く戦えていた。ビルバオの最終ラインの裏を狙うというテーマも見えたりと、この試合で得点を奪うためにどうするかというのは見えた。チームとして戦術面で大きく変わったわけではないが、チームが一丸となって戦う姿が見えたのも好印象だった。
選手評価・採点
※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMVPの選手。
GKシレッセン(6)
失点シーンは横に足を運んだ直後ということもあって、逆を突かれた形となってセーブするには厳しいシーンではあった。足元のプレーではバルサのGKらしいキックを見せた。パスがほんの少しズレていることがあるので、しっかり右足など細かい所まで気をつかってパスを出してくれればさらに良くなる。
DFセルジ・ロベルト(6)
全体的に悪いプレーはなく、失点シーンで体を少しも寄せれなかったこと以外は問題なかった。攻撃ではバルサ全体が左中心の攻撃ということもあり、アルバが攻め上がる分バランスを取って、攻撃チャンスがほぼなしというのも仕方なしか。
DFピケ(7)
対人でビルバオのFWを止めるシーンが多くあり、競り合いやハイボールの処理などさすがピケというシーンを見せた。審判批判などピッチ外でターゲットにされがちだが、ピッチ内ではずっと安定したパフォーマンスをしており、ミスなど目立つシーンがなくメディアからしたらピッチ内ではネタなしという感じ。
DFウムティティ(7)
試合序盤は少しドタバタしていたが、試合が進むにつれて安定感あるウムティティの姿に。ウムティティもピケ同様良い意味で目立つシーンはなく問題なし。
DFアルバ(7)
ビルバオの最終ラインの裏を狙うためか前半は高い位置に張りすぎというシーンも見られたが、何度も裏を取り良い攻撃を見せた。ビルドアップでも安定しており、アルバの高い攻撃力を見せた試合となった。失点シーンであっさり抜かれたシーンだけは完全なマイナスの要素だった。
MFブスケツ(8)
チームの失点後のドタバタ時に、ゴール前に蹴るという恐ろしいキック以外はミスらしいミスもなく安定していた。攻守にわたりハイレベルのプレーを見せ、特に状況判断の高さと良さを見せた試合だった。前半の大きく跳ねたボールをスルーしてキープしたシーンなんかは、緊迫した試合の中で出来るプレーとは思えないほど冷静な状況判断だった。
MFラフィーニャ(6)
ラフィーニャ自身が目立つシーンはなかったが、陰で良いプレーを見せた。ボールロストも見られず、メッシが中央にいることで右の高い位置に入ったり、守備でもしっかりと右サイドに戻ったりと、黒子の役に徹した活躍を見せた。
MFイニエスタ(7)
何度も変態的なボールタッチで相手を簡単にいなし、中盤でボールを引き出す役割をしっかりこなしていた。スルーパスだったりと左サイドを機能させるパスを何度も出し、バルセロナに欠かせない選手だと再認識させられる活躍を見せた。
FWメッシ(7)
ベスト8進出を決めるFKを決め、これで3試合連続のFK弾となった。見事なFK3連発と、試合の流れでも良いプレーを見せ、チームのエースらしい活躍を見せた。この試合ではメッシも気合いが入っているプレーを見せており、やはりエースの戦う姿はチームを鼓舞させた。
FWスアレス(8)
貴重な豪快なボレー弾の先制点を決め、試合終盤は前線で攻撃の起点となりタメも作った。試合を通してビルバオの最終ラインを狙い、ビルバオDF陣にとってはとても厄介な選手となった。CFとして仕事をしっかりとこなした。
FWネイマール(8)★
1ゴール1アシストを記録し、左サイドで何度もビルバオディフェンスを切り裂いたことでMVP。1対1でスペースがあれば止めるのは難しく、守備でもハードワークをこなした。PKだが久しぶりの得点も決め、これでネイマールの得点感覚が戻ってくれれば。最後は闘志を前面に出してプレーしており、そういう所も高評価。
MFラキティッチ(6)
バルサがリードしてから投入され、落ち着いたプレーを見せた。プレー関与数は多くなかったが、安定したプレーを見せた。
MFデニス・スアレス(6)
ラスト数分間の出場で、守備固めでの起用方法での投入となった。守備面は問題なく、攻撃では終了間際のゴール前でシュートを外したシーンだけは悔やまれる。
FWアルダ(6)
時間稼ぎという意味が大きい交代で、ラスト数分間の出場となった。採点自体難しいが、今日のチームの激しさを少ないプレーの中でも見せていた。
最後に一言
カンプノウという要塞での試合で、久しぶりにカンプノウもバルサファンも大きく盛り上がった試合となった。逆転でのベスト8進出も、バルサファンの声援は間違いなく選手の後押しを行ったように感じる試合となった。
試合内容では少し良いという感じで、選手のリアクションは◎という試合だった。久しぶりにMSN揃い踏みで得点を決めたり、ピンチのシーンはほとんどなく、チームは良い流れに乗ってきていると感じさせた。
この流れのまま次のリーガの試合でラス・パルマスの完全粉砕を目指し、雑音を完全に消しさる大量得点での勝利に期待がかかる。
まず今回の正念場を1つ乗り越えて国王杯のタイトルに1歩近づき、バルセロナがタイトル獲得を諦めていない姿勢を見せた。今日のバルサファンは少しルンルン♪な気分で過ごせそうだ。
タグ:アスレティック・ビルバオ, コパ・デル・レイ, 試合結果, 試合評価
失点シーンはアルバというより、他の選手の対応がことごとく後手に回ったことのほうが問題では?
今のバルサはすっかり組織的な守備が出来なくなってて見ていて非常に怖いです。
ただでさえ三強の中では一番守備が脆弱なのに。
お疲れ様です。
久しぶりにフルスロットルかつ、空回り感の無いバルサが見れました。
ネイはあのプレーを続けたら、バロンドールにすら手が届きそうというぐらい躍動してましたね。
快勝の中あれですが、ラキはやはり。。なのですかね?
ラフィーニャも出場機会は与えられるべき選手ですが、今日の試合を見ても、ラキの方が現状明らかに上回る選手であるように思えるのですが。。