16/17国王杯準決勝2nd 2/7 バルセロナ対アトレティコ・マドリード 試合結果・評価
■ 目次
選手
バルセロナ
監督ルイス・エンリケ 4-1-2-3
GKシレッセン
DFセルジ・ロベルト、ピケ、ウムティティ、アルバ
MFアンドレ・ゴメス、ラキティッチ、デニス・スアレス
FWメッシ(C)、スアレス、アルダ
リザーブメンバー
マシップ、マスチェラーノ、ビダル、ディニェ、ブスケツ、イニエスタ、パコ・アルカセル
選手交代
61分デニス・スアレス→マスチェラーノ、70分アルダ→ブスケツ、72分ラキティッチ→イニエスタ
欠場者
ネイマール(累積)、ラフィーニャ(怪我)、シュテーゲン、マテュー(判断)
アトレティコ・マドリード
監督ディエゴ・シメオネ 4-4-2
GKモジャ
DFファンフラン、サヴィッチ、ゴディン(C)、フェリペ・ルイス
MFカラスコ、コケ、サウール、ガイタン
FWフェルナド・トーレス、グリーズマン
モレイラ、ルカス・エルナンデス、ヴルサリコ、モレノ、パルティ、アンヘル・コレア、ガメイロ
48分ガイタン→アンヘル・コレア、49分ゴディン→ルカス・エルナンデス、61分フェルナド・トーレス→ガメイロ
試合結果
バルセロナ1対アトレティコ・マドリード1
得点者
43分スアレス
82分ガメイロ[ア]
試合支配率
※赤色は完全なバルセロナ、オレンジ色は少しバルセロナ、白色は互角、灰色は少しアトレティコ、黒色は完全なアトレティコ
・バルセロナ0分、アトレティコ25分、互角65分
試合の簡単な流れ
前半
バルセロナは試合開始直後から2得点が必要なアトレティコの攻勢を受け、自陣からずっと脱出できない。
バルセロナは1stレグでリードしていることもあり、心身ともに重心が後ろになって、ほぼ全ての面でアトレティコと対等に戦えず試合を支配される。
アトレティコの攻撃を何度も受けながらも、幸運なことに失点せずに過ごせたバルセロナは、アトレティコの攻勢が弱まるのに比例して少しずつ落ち着きが戻る。
相手陣地に侵入する機会も少しずつ増え始め、35分ぐらいからバルセロナらしい姿がほんの少し見られ始めた。
バルセロナは0対0でも良しの前半だったが、43分にメッシの個人技からのシュートがキッカケで、スアレスがGKの弾いたボールをゴールに押し込んで1得点奪う。
トータルスコアこそ3対1でリードして後半に折り返すことに成功したバルセロナだったが、今日の前半は最悪に近いチームの戦いぶりを見せた。
後半
後半になって点差が開いたこともあって、少し余裕が見られるバルセロナ。試合はイーブンで進んでいき、時間だけが過ぎる試合となっていた。
そんな試合だったがバルセロナに突如アクシデントが襲う。57分にセルジ・ロベルトが2枚目のイエローを喰らい退場し、10人となりマスチェラーノを投入して4-3-1-1のシステムへ。
1人少ないバルサに圧力をかけたいアトレティコだったが、帳尻合わせのように69分にカラスコが2枚目のイエローで退場し、試合は10人対10人の試合となった。
バルセロナはその後ブスケツやイニエスタを投入して、試合を落ち着かせたかったのかもしれないがボールは常にアトレティコへ。
バルセロナはピンチこそ少なかったが、79分にピケが倒した判定でアトレティコにPKを献上する。倒されたとされるガメイロがこのPKを蹴るが、枠外に外してしまう。
このPK失敗でアトレティコの運も尽きたかと思われたが、82分にグリーズマンのパスを受けてガメイロが押し込んで1点取り返す。
この1得点で息を吹き返したアトレティコは最後の攻勢に出た。この失点後はゴール前で何度も危険なシーンを迎えたバルセロナだったが、何とか失点せずに時間が過ぎていた。
そして試合終盤の90分に、スアレスがたて続けに2枚のイエローを喰らい退場してバルサは9人となった。
最後は逃げ切った形でこの試合を1対1で終わらし、トータルスコア3対2でバルセロナが国王杯決勝進出を決めた。
試合での問題点
試合への入り方が最悪で「カンプノウで勝つ」という目的なく試合に入り、心身共に後ろ向きで終始守備的な戦いだった。バルセロナが攻撃性を失えば、弱くなるのは昨シーズンのCL敗退の2ndレグで明白なのに、同じような戦い方をしてしまった。今日はカンプノウでアトレティコのシュートが精度を欠いていたが、ホームとアウェイが逆だったら恐らく敗退だった。ルイス・エンリケ監督が試合前に、選手に対してもっとゲキを飛ばす必要があり、試合の入り方が悪いままズルズル試合を進めてしまった。
チームがなぜにここまで自信をもって、守備ブロックを作って守る戦い方をチョイスするかは分からないが、守れていないシーンが連発。何度も崩されており、ボール保持者への寄せが甘く、中盤のブロックも簡単に突破されたりと、最終ラインの選手の頑張った守備がないと大量失点するのは目に見ている。もっと高い位置から前に押し出すプレスをする必要があり、今のエンリケバルサは“前からのプレス”を完全に見失っている。
今日はルイス・エンリケの采配がほとんど上手くいかなかった。スタメンの中盤の配列はアンカーにラキティッチの方が良かった。ゴメスとデニスの中央では守備で全く頑丈さはなく、デニスを右CHに持ってきてラキティッチをアンカーに入れ、ゴメスは左CHで良かった。ブスケツとイニエスタを投入してもボール保持できずにただただ守備で走っていただけで、怪我明けのリハビリにしかならなかった。チームの戦い方をもっと明確にする必要があり、上手くいかないならもう少し修正を加えてほしい。
試合での良好点
今日は特になし。バルサらしい戦いはなく心身共に後手に回って、アトレティコの攻撃をただ耐えたという試合だった。
選手評価・採点
※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMVPの選手。
GKシレッセン(8)★
今日のシレッセンも安定しており、セービングで難しいセーブがあったわけではないが、きっちりセーブして危なげなくプレーした。足元のプレーも危なっかしい所はなく、苦手とされるPKでも相手のシュートを枠外に外させた。最近のシレッセンは評価がうなぎ上り。
DFセルジ・ロベルト(4)
右SBとして守備は大目に見る部分があるものの、今日は守備が後手に回り過ぎて上手く対処できなかった。対人の守備でも突破されたり、右サイドを上手く守れなかった。2枚目のイエローはアンラッキーだったが、1枚目のイエローを貰ったシーンは数的有利の状況の中で、変にファールをしたもので、その不用意な1枚目の代償が高くついた。珍しく退場しもっと守備ではクレバーさが求められ、良い経験となった。
DFピケ(7)
失点シーンなど時よりピケ1人の最終ラインがずれているシーンがあり、アトレティコの攻撃に苦労した。PKを取られたシーンは可哀想だったが、マスチェラーノと右でコンビを組んでから、ピケの背後を突かれるシーンが目立った。それでも中央にくるボールを何度もはね返しており、ピケの存在感は大きかった。
DFウムティティ(8)
最後のシュートブロックで体を張り、何度もアトレティコのシュートを防いだ。ピケとのコンビも完全に板についており、マスチェラーノをCBでは予想していたが、ウムティティがチョイスされるのが頷ける活躍だった。現状CBコンビは、ピケとウムティティがファーストチョイスのコンビと見て良さそうだ。
DFアルバ(6)
左サイドのPA内に入った所でギリギリという感じだが守り、それなりに守備で貢献した。攻撃参加はほとんど出来ず、今日は守備で踏ん張っていた。
MFアンドレ・ゴメス(5)
よく走って守っているものの、デニスとのコンビの中央は苦しいものがあった。ともにバルサ1年目で年も同じで若く、問題が起こっても片方がリーダーシップを発揮して対処できなかった。攻撃ではなかなかだったが、チームの低調な戦いぶりもあり低評価に。
MFラキティッチ(5)
右サイドで懸命に守備をして守っていたが、セルジ・ロベルトとゴメスと上手く連携して守れず、ラキティッチの良さも出なかった。今日のメンツではラキティッチが中盤では古株で頼れる存在なので、もっと対処してほしかった。最悪監督の指示を無視してでも、デニスとポジションチェンジしてほしかったな。
MFデニス・スアレス(5)
中央での守備で強固さがなく、ポジショニングはそこまで悪くないので、単純に守備面でまだまだ成長の改善と余地あり。今日は攻撃でもボールロストが目立ち、このレベルの試合なら中央よりも、サイド気味でプレーさせた方がデニスは活きる印象。
FWメッシ(6)
ボールを受ければ違いを見せてくれるのはいつも通りだが、こういう苦しい試合でも動きが少ないのでほとんどボールを受けれなかった。ネイマールほどとは言わないまでも、もう少し動き出しを見せて、強引にでもメッシの足元に入れてバルサは攻撃したかった。FKのクロスバーに当てたシュートは軽く蹴った感じだったけど、凄い伸びでビビった( ゚Д゚)
FWスアレス(6)
日本的に言うとごっつぁんゴールだったが、貴重な1得点を決めた。ほぼ前線で孤立してボールは回らず、攻撃できなかった。しかし時よりロングボールを収めてくれるのは助かった。2枚のカードは厳しい判定で、スアレスというキャラクターが少し影響した判定だったのかもしれない。切り替えてリーガとCL頼みます。国王杯決勝ではパコが決めてくれるはず( `ー´)ノ
FWアルダ(5)
ほぼ守備に走り回り、攻撃でアルダの良さが出たシーンはほとんどなかった。守備もそこまで得意ではないので、アトレティコに右サイドからクロスをあげられるシーンを生み出してしまった。
DFマスチェラーノ(6)
右SBとして出場し、無難なプレーで守った。守備でとりわけ問題はなかったが、失点シーンなど最終ラインでもCBとSBでは気を遣う所が違うので、なるべく慣れないSBでは起用しない方が良いのかもしれない。
MFブスケツ(6)
守備で苦しみ、怪我明けもあってブスケツの存在感は出なかった。試合終盤のボールを蹴り出す嫌がらせはなかなかで、あんまり良い例ではないけど、時間を使うという意味ではお手本かもしれない( ̄▽ ̄)。イエロー貰っても累積関係なかったし。
MFイニエスタ(6)
ほとんど守備に走っていたが、一度ドリブルをした時にはキレあるドリブルを見せた。コンディションは良い感じなのかもしれない。
最後に一言
試合内容は良くなくとも1stレグのアドバンテージで決勝進出を決め、最低のミッションは成功させた。アウェイの1stレグで頑張ったのはしっかりと評価( `ー´)ノ
累積で決勝出場停止の可能性があったウムティティ、アルバ、メッシのイエローを気にしていたが、まさかセルジ・ロベルトとスアレスが退場したのは予想外となった。
国王杯決勝の日程はまだ未定だが、恐らくシーズン終盤だろうからこれでひとまず国王杯は忘れて、ここからリーガとCLへ切り替えを。
それにしてもビルバオ、ソシエダ、アトレティコと苦しいトーナメントだった。国王杯のタイトルもこれらの相手を倒したと考えれば、とても価値あるタイトルになる。
最後に審判や判定に対して極力言及しないつもりですが、さすがに今日の主審のパフォーマンスはいかがなものか。今シーズン1番の判定で、この主審に対して審判委員会は何か対処が必要とも思える。バルサもアトレティコも何度も被害を受けて、ただただ両者とも被害者という感じ。
タグ:アトレティコ・マドリード, コパ・デル・レイ, 試合結果, 試合評価
宣言とは裏腹に消極的な戦いぶりだったのはコンディション故か、
それとも慢心か・・
図りかねますが、チームは依然として不安定ですね。
ゴメスはフィジカルとインテリジェンスは確かですが、ポジショニングが未熟。
デニスはこのままブレイクかと思われましたが、あくまでまだまだ使われる側として。
ロベルトのSBももうビッグマッチでは誤魔化しが効かなくなってきましたね。
夏にSBを獲得してボランチに戻してほしいです(少なくともブスケツの代わりが務まるのなんてロベルトぐらいしか・・・)。