17/18リーガ第24節 2/17 エイバル対バルセロナ 試合結果・評価

時間帯別試合支配率

※赤色はバルセロナ、白色は互角、黒色はエイバル

・バルセロナ15分、エイバル10分、互角65分

エイバルは前からプレッシングをかけてきて、バルサにボールを保持させず高い位置でボールを奪おうとする、積極的な守備で試合に入ってきた。

対するバルサはそんなエイバルの試合の入りを予想しておらず混乱し、10分ほど試合の主導権を完全に相手に渡してしまう。

試合が少し落ち着きだした16分に、メッシのパスからスアレスが決めてバルサが先制。

その後もエイバルの高いプレッシングにバルサは苦しめられた。プレッシングをかいくぐった何度かはチャンスがありながらも追加点は奪えず、前半はバルサが1対0とスコアはリードしたが、試合の主導権的にはエイバルの45分間だった。

後半も前半と同じ試合展開で進み、バルサは試合の主導権こそ握れずとも、ねばり強い守備とハードワークでエイバルに決定機までは与えずに時計を進めた。

そして66分にエイバルは退場者を出し、バルサは少し楽になった。バルサはパスを回して時間を使いながら、試合終了間際にアルバがだめ押しゴールを決めて、アウェイでの貴重な勝ち点3を積み重ねた。

退場者が出てから乾貴士は輝きをみせ始め、バルサのゴールを何度か脅かしました。

 

試合での課題点

・中盤の並びが完全に問題(パウリーニョ中央はきつい)

バルサの中盤の並びはフラットな4枚の形だが、パウリーニョの中央起用はチームのメリットは少ない。少し厳しく言うとデメリットしかない。守備のスライドが遅れて守備ブロックに穴ができている、ビルドアップ時にほぼ何もできない、パウリーニョの攻撃の良さがほぼ出ないなど、ラキティッチ自体はサイドでも中央でも良いプレーができるものの、パウリーニョにこの位置での起用はきつすぎる。この問題に関してはなかなか根深いので、CLのチェルシー戦までに記事として取り上げるつもりです。

 

・“完全に”試合の主導権を渡す10分間、CLでは痛い代償になる可能性あり

今日は前半の立ち上がりにエイバルに10分ほど完全に試合の主導権を渡し、試合を完全に支配されていた。試合において15~20分ほどは相手チームに少し主導権を握る時間帯があるのは普通のことなのだが、“完全に”主導権を握らしてはいけない。失点してもおかしくない10分を過ごし、これから強豪の試合が増えるなかで、このような時間は痛い代償になる可能性がある。

 

試合での良好点

・一週間空いて選手のコンディションは戻った

今週はミッドウイークに試合がなかったこともあり、選手たちの疲労はそうとう癒されていた。選手たちのプレー精度、そして動き、ハードワークを見る限り、2月に入ってからは疲れがたまった中での試合だったなと確信できるほど、選手達のコンディションは回復していた。中2日でCLの試合なのでコンディション面は心配ですが、たまっていた疲労はある程度とれたでしょう。

 

・守備で魅せたバルサらしくないバルサ

エイバルのハイプレスもあってバルサはボールをいつもより支配できず、さらに自陣から脱出できないことで今日は守備ブロックを構成して守る機会が増えました。その中で最終ラインのドシッと構えた守備、中盤の選手たちのハードワークにおける守備は良かった。バルサらしくないバルサの姿でしたが、これもバルベルデバルサの魅力の一つなのかもしれません。

 

監督選手評価・採点

※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMOMの選手。

監督エルネスト・バルベルデ(7)

ミッドウイークにCL決勝トーナメントのチェルシーとの直前の試合であり、バルベルデ監督はスタメンにガチのベストメンバーをそろえて挑んだ。(おそらくチェルシー戦でもこのメンツでしょう)

中盤の選手の配置に疑問がつくところはあったものの、後半になれば試合をより落ち着かせ、終わってみればピンチは多くなくしっかりと勝利を収めた。

チームを大きく動かしたことはないものの、選手たちの動きを見て今日はこのままでもいけると判断したのかもしれません。ベストメンバーでしたし。

 

GKシュテーゲン(7)

最終ラインの守備のおかげもあって被シュート数に対してセービング機会は少なかった。数少ないセービング機会もしっかりと守り、今日は足元のプレーで難しい状況判断が多かったが、セーフティにプレーして安定感があった。

 

DFセルジ・ロベルト(7)90分OUT

時よりみせるドリブル突破でチャンスメイクし、ビルドアップでも良かった。今日はどちらかというと守備面で対峙する乾貴士を抑え込み、ラキティッチのサポートもあったがバルサの右サイドから危ないシーンを作られるシーンは少なかった。

 

DFピケ(8)★

適切なポジショニングでゴール前に入るボールを何度もクリアし、体を張ったシュートブロックでピケの存在感は光っていた。カバーリングでもしっかりと守っており、ほぼノーミスの守備をみせて無失点に貢献した。

 

DFウムティティ(8)

ピケと同様中央の守備で存在感をみせた。中央から離れて危ないシーンになりかけたこともあったが、カバーリングやチーム全体の守備で守っていた。ピケとウムティティの安定したCBコンビがこの時期に見れてなにより。

 

DFアルバ(8)

チャンスだと思えば左サイドを駆け上がり裏のスペースにランニングし、オフサイドに何度もかかりながらチャンスメイクしていた。その攻撃の姿勢のおかげか、試合終盤にダメ押しゴールを決めた。守備ではオレジャナの対応に苦しめられたが、前半の立ち上がり以外ではそこまでやられておらずよく守れていた。

 

MFラキティッチ(7)

エイバルの左サイドの攻撃をほぼ完全に封じ込めるカバーリングをみせ、気の利いた守備をしていた。最後は中央に位置し、そこでも安定した良いプレーだった。ビルドアップでは危ないボールロストもあったが、チームのパス回しのリズムを大きく崩すことはないプレーぶりだった。

 

MFパウリーニョ(6)74分OUT

前半はほぼ消えており、後半になり攻撃面でパウリーニョの良さが出始めた。守備ではパウリーニョ自身の守備意識から中盤の中央での起用は難しそうで、今日は大きな問題にならなかったがパウリーニョの守備は危なっかしかった。

 

MFブスケツ(7)

中盤で光るプレーは多くなかったが、中盤の底で最終ラインと中盤の中央をハードワークしてよい守備をみせた。ルーズボールや球際でも頑張っており、地味なプレーが多かったがブスケツは効いていた。攻撃では何度か鋭い縦パスを通していた。

 

MFイニエスタ(6)63分OUT

攻撃でもう少しボールをキープしてチームのビルドアップを助けてほしかったが、受けたボールに対してはしっかりプレーしていた。守備では中央を絞って守っており、挟み込みなどでコンパクトな守備をしっかりと実践していた。

 

FWメッシ(7)

今日はエイバルの戦い方からメッシの周りに多くのスペースがあったが、いかんせんボールを受ける回数が少なかった。その中で1アシストやチャンスメイクはしっかりとこなしていた。守備でも最近はチームのために走る機会が多く、守備面でも良かった。少しボールを持ちすぎてボールロストするシーンがあり、囲まれたらパスで回避してほしい。

 

FWスアレス(7)

何度もエイバルの浅いラインの裏を取り、その中で1ゴールを記録した。スアレスならもう少し得点を取れそうなほど相手の裏をとれていたが、ゴールという形でしっかりと結果は残した。守備面でもいつも通りハードワークしており、攻守においてチームの勝利に貢献した。

 

MFコウチーニョ(8)63分IN

激しいプレッシングや自分のポジショニングに戻るという全力の守備をみせ、まず守備面でコウチーニョにしては期待以上の貢献をみせた。途中出場ならいつもこれくらいやってくれると助かる。攻撃でもスアレスとのリヴァプールコンビだけでなく、多くの選手と絡んで効果的な攻撃をみせていた。追加点の起点となるサイドチェンジも精度が高く、コウチーニョが本格的に周りと絡んで良いプレーをみせてきた。

 

MFビダル(6)74分IN

右サイドをランニングし、一度裏に抜け出して決定機を得ていた。積極的なプレーで攻撃にアクセントをつけており、ビダルの投入で右サイドはしっかりと活性化された。

 

DFセメド(6)90分IN

出場時間が短く採点が難しいが、しっかりとプレーしていた。

 

試合結果

エイバル0対バルセロナ2

得点者

16分スアレス(メッシ)

88分アルバ

 

最後に一言

前半立ち上がりに苦しみ、90分を通してしんどい試合になりましたが、結果は勝利でしっかり勝ち点3を獲得したことを評価できる試合でした。

エイバルは出来が良くさらに終了の笛まであきらめずに戦ってきたことで、バルサも油断する時間帯はなかったですが、CL前にまた90分通して集中したバルサの姿がみれたのは良かったのかもしれません。

次の試合はいよいよ本番ともいえるCL決勝トーナメントで、バルベルデバルサが強豪相手にどれだけできるかという意味で、よいテストになる試合になりそうです。アウェイなのでアウェイゴールを最低1点以上あげたい。

 
 

1 Responses to “17/18リーガ第24節 2/17 エイバル対バルセロナ 試合結果・評価”

  1. レト より:

    リーガでの勝利を取り戻すという意味で重要な試合でしたが、
    やはり中2日のチェルシー戦に向けてイニエスタしか休ませられなかったのは気になりました。
    こういった試合で出せる控えの選手がコウチーニョしかいませんし、
    バルサの層の薄さがジワジワとチームを追い詰めている印象です。
    今季のCLには期待していませんが、それでもベスト8には行って欲しいので守備の強みを最大限に活かして欲しいですね。
    特にアザールには決してロベルト1人で対応することのないように。

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