17/18リーガ第22節 2/4 エスパニョール対バルセロナ 試合結果・評価
■ 目次
時間帯別試合支配率
※赤色はバルセロナ、白色は互角、黒色はエスパニョール
・バルセロナ0分、エスパニョール0分、互角90分
試合前から雨が降り、グラウンダーのボールはスピードが遅くなるほど水を含むピッチのなか試合は始まった。
エスパニョールは前からプレッシャーをかけて、国王杯2ndレグの時とは違って最終ラインを押し上げて戦ってきた。対するバルサは今日は4-3-3で挑み、メッシ不在もあって攻撃で変化をつけることが難しかった。
両チームともそこまで攻撃性を前面に押し出すことはなく、前半の45分間は試合がフワフワと進み、シュート機会は少なかった。バルサがボールを支配したが、試合としてはイーブンの45分間だった。
後半は雨がたまったことによってさらにピッチの状況は悪くなった。水たまりに近い場所も多くなり、バルサのパスサッカーには難しいピッチだった。雨でピッチが悪くなるように、後半は時間が進むとともに試合も荒れ模様になっていった。
試合展開は前半と変わらずとも、ピッチの影響もあってバルサの悪いボールロスト回数は増えていた。そしてその一つをエスパニョールがいかして先制点を奪った。
このまま敗戦も考えられる試合展開だったが、最後にピケがセットプレーから頭でゴールを決めて試合は同点で終えた。
悪いピッチ状況もあり両チームとも最後はシンプルなプレーに終始し、試合もどちらも支配したとは言えず、両チームともワンパンチで得点を奪ったような試合だった。
試合での課題点
・サイドでクロスを上げれる状況でも中が準備できていない
今日のスタメンでは両サイドで細かく崩すのは難しく、サイドチェンジなどのパス回しの中で、サイドからのクロスというのはひとつの攻撃の形となるべきだった。パコ起用もそれを助長しており、バルサもいつもよりクロスを上げるシーンはあった。それでも不慣れな戦い方であり、クロスを上げれる状況でもFWのスアレスやパコが、ボールに寄ってきてゴール前の準備ができなかった。さすがに選手によって戦い方を変えるほど器用でも、チームとしても成熟していないので難しかったのかもしれない。
・ピッチ状況を踏まえたサッカーができたのかが疑問
ピッチ状況が悪いにもかかわらずいつもと同じサッカーをしようとして、ピッチがさらに悪くなった後半は悪いボールロストの回数は増えた。バルサらしいといえばバルサらしいが、ボールロスト後のピンチを防ぐためにも、サイドにボールを運んでそこからどうにか攻撃したほうが良かったように思える。普通に後方でパスを回すにはリスクが大きく、なるべくサイドにパスを回すことがパスサッカーをするベストの判断に感じられた。後半は左より右のほうがピッチ状況が良く、セルジ・ロベルトやコウチーニョも右にいることから右中心で攻撃しても良かった。
試合での良好点
・中盤の守備など守備全般ではとても集中していた
ボールロスト後の中盤の守備は良かった。挟み込みや素早くプレスできており、エスパニョールボールを奪い返すのは早かった。また、悪いピッチのなか守備やボール処理でミスを犯してもおかしくない最終ラインも、ほぼミスなくプレーできており、1失点したものの守備に関してはしっかり守れていた。
監督選手評価・採点
※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMOMの選手。
監督エルネスト・バルベルデ(6)
今日は半分ほどローテーションをして挑んだエスパニョール戦、ピッチの悪さが目立つ試合だったが、試合内容も芳しくない試合であった。
両SBとメッシ不在でチームのやれることが限定され、今日はその中で悪くはなかったが良いパフォーマンスでもなかった。
途中交代でも試合内容は改善されず、今日はバルベルデマジックが出なかった。
チームの戦い方も大きな変更はなく、選手交代によるシステム変更で後は選手の判断に任せたようだ。
GKシュテーゲン(5)
雨でピッチが悪い、キーパーグローブが濡れていつもよりセーフティーにプレーする必要があったが、それができていたとは思えないプレーだった。前半はキャッチングしそこなう危ないシュートがあったり、後半はパスをつなごうとしたパスをカットされピンチになることもあった。プレーの結果というところを見ているのではなく、GKとして今日の状況ならもっとセーフティーにプレーしなければいけなかった。
DFセメド(5)59分OUT
守備ではそこまで悪いシーンはないものの、セメド起用による攻撃のメリットは相変わらずほぼ出なかった。攻撃参加のタイミングも遅く悪ければ、ボールを持った時の意識も後ろ向きで、ボールを失わないことだけに気が向いている。サイドで1対1やスピードに乗ってボールを受ければもっと仕掛ける必要があり、そろそろセメドのドリブルが出てきてほしい。
DFピケ(7)★
失点シーンではクロスボールが良くてDFにとっては対応しきれず、ピケのポジショニングも悪くなかったように思う。それでも同点ゴールとなるヘディングゴールを決めて、チームに勝ち点1をもたらした。右サイドを突破されるシーンはあったものの、全体を通せばピッチ状況のわりに攻守で安定したプレーだった。
DFウムティティ(7)
鉄壁のウムティティが戻ってきた感があり、攻守においてパフォーマンスは高かった。カバーリングやボールの処理など落ち着いてプレーしており、ボールを運んでのパス回しも良かった。このまま調子を上げて良いプレーに期待したい。
DFディニュ(5)75分OUT
攻撃では高い位置をとって数回左サイドで良い形を作った。あとはこの回数が増えてくればOK。守備では何度か左サイドをぶち抜かれるシーンがあり、守備が良いディニュにしては問題を引き起こした。
MFブスケツ(7)
DFラインのカバーだったり中盤の守備で存在感をみせ、攻撃ではボールを動かす役割としてもサイドにパスを散らしていた。後半は少し不用意なボールロストはあったが、全体を通せば良かった。
MFパウリーニョ(5)
今日はパウリーニョの存在感は少なく、攻撃での良いプレーは数回ゴール前に侵入しただけとなった。守備でも数回良いプレーがあったものの、全体を通せば消えていた時間が長かった。
MFイニエスタ(7)
雨でピッチが悪くても細かくボールを動かしたり体の使い方でうまくボールをキープし、相変わらずのテクニックと対応力の高さをみせた。守備でも攻守の切り替えが早くボールを奪い返すシーンもあり、攻守においてパフォーマンスが高かった。
FWパコ・アルカセル(6)59分OUT
攻撃ではもっとパコのゴール前での動きをチームでいかせれば良かったが、右サイドでしかボールを受けれなかった。それでも時より右サイドで良いポストプレーやクロスを上げて、ストライカーの割には器用なプレーをみせた。守備ではチームの規律に従って中盤の位置にも入り役目を果たしていた。
FWスアレス(7)
ゴールこそなかったが今日はポストプレーで存在感をみせ、前半からバルサのチャンスシーンにスアレスのポストプレーが絡むことは多かった。シュートシーンがほぼなく苦しんだが、今日はメッシ不在のなかチャンスメイクをしてくれた。
FWコウチーニョ(6)
試合序盤こそボールが足についていなかったが、時間とともにピッチにも慣れてしり上がりによいプレーが増えた。周りとの連携が不十分で、コウチーニョが周りを生かしきれなかったり逆にコウチーニョを生かしきれておらず、大きな活躍とはならなかった。それでも前半にクロスパー直撃のシュートを放ったり、上手いボールタッチで局面打開をするシーンはあった。
DFセルジ・ロベルト(6)59分IN
右サイドを活性化するために投入されたが、周りのサポートの遅さやエスパニョールの良い守備もあって個人としては大きな活躍とはならなかった。それでもセメドに比べれば右の攻撃は格段と良くなり、セルジ・ロベルト投入は良い途中交代だった。
FWメッシ(6)59分IN
今日はスタメンを外され途中出場となったが、そこまで存在感じゃみせれなかった。悪いピッチ状況の中でうまいプレーだったが、効果的なプレーは少なかった。それでも同点ゴールをアシストするFKを蹴り、同点劇に貢献した。
DFアルバ(6)75分IN
ラスト15分間の出場となったが、エスパニョールがラインを下げたこともあり裏のスペースを突くことは難しかった。それでも左サイドで何度もボールを受けて攻撃の起点となり、中央に良いパスを送っていた。
試合結果
エスパニョール1対バルセロナ1
得点者
66分ジェラール・モレーノ[エ]
82分ピケ(メッシ)
最後に一言
バルセロナダービーとなるこのエスパニョールの試合が簡単ではないと思っていたが、雨の影響でピッチ状況が悪くなりさらに難しい試合となりました。
それでも最後は追いついての勝ち点1を積み重ねて、バルサは粘り強いチームになりながら、リーガ優勝に少し前進したという印象です。
ローテしたスタメンで、試合のスコアばかりか試合内容をほぼ動かせないのは課題ですが、少しずつ改善していくことを願うばかり。