17/18国王杯準決勝1st 2/1 バルセロナ対バレンシア 試合結果・評価
■ 目次
時間帯別試合支配率
※赤色はバルセロナ、白色は互角、黒色はバレンシア
・バルセロナ15分、バレンシア0分、互角75分
バレンシアはコンパクトな4-4-2の守備ブロックで超守備的な戦いをしてきた。チーム全員がPAの横幅以内に収まり、バルセロナの中央に入ってくるボールを徹底警戒してきた。
前半はバレンシアが超守備的な戦いをしたこととバルサのプレスが機能して、圧倒的にバルセロナがボールを支配して試合は進んだ。
バルセロナは主に中央を崩そうとし何度もトライするが、バレンシアの守備をほぼ崩せず、サイドから何度か良い形をみせただけの前半となった。
後半も前半と同じ試合展開で進んでいった。そんな中でバルサは何度もバレンシアに攻撃したかいもあって、スアレスがチャンスでゴールを決めて先制点を奪った。
最後までバルサは追加点を狙って攻めたが、バレンシアの守備を崩せずに1stレグを1対0というスコアで折り返すことになった。
試合での課題点
・中央を崩す攻撃に固執過ぎて、バレンシアの守備に何度も阻まれた
バルサの攻撃の中心であるメッシとスアレスが中央にいるので、中央付近にボールが入ることは仕方ないものの、バレンシアのコンパクトな守備ブロックの前に、正攻法の中央攻撃はどうかなと思えた。もっとサイド攻撃でサイドをえぐるランニングを増やし、そこからの折り返しやクロスで得点を狙った方がチャンスは増えたように思える。
試合での良好点
・ボールを失ってからのプレッシングは文句なしのレベル
ボールを失った後のプレッシングは文句なしの素早いプレッシングができていた。体が自動的に動いていると言って良いほどチーム全体でコンパクトなプレスができており、敵陣地深くのボールロストは安心レベル。バレンシアが攻撃をほぼ捨てた戦い方だったが、それに加えてバルサのプレッシングが良かったので、バルサの圧倒的なボール支配率となった。
・最後まで得点の意識を持って攻め続けた
ビハインドの時は最後まであきらめないという言葉が使われるが、最後まで得点を狙って攻め続けたことも評価すべき。90分間得点を意識しなかった時間帯がないほど攻めて攻めて攻めまくり、少しでも2ndレグに向けてアドバンテージを得ようとハードワークしていた。とても集中しており、選手たちの戦いぶりは今日も満足でした。
監督選手評価・採点
※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMOMの選手。
監督エルネスト・バルベルデ(7)
今日も中央を固めて守備的に戦うバレンシアを予想して、サイド攻撃のためのビダルを起用して挑んだ。スタメンの選手起用は悪くなかったが、サイド攻撃の回数が多いとはいえるものではなかった。
それでも途中投入の選手が活躍したり、無失点での勝利、試合内容も悪くなく、マイナスなことがない試合を演じた。
GKシレッセン(6)
ほぼ出番は回ってこなかったが、数少ない飛び出しやセービングや足元でしっかりとプレーしていた。全く問題ない安定したプレーだった。
DFセルジ・ロベルト(7)
右からのクロスでチャンスは演出できなかったが、右でボールを受けてパス回しにしっかりと貢献。守備では素早い切り替えで良いプレッシングをしていた。逆サイドからのクロスの対応の悪さは相変わらずだった。
DFピケ(6)
そこまで仕事はなかったがカバーリングが良く、ボール処理含めて安定したプレーぶりだった。ピケが目立たないということはほぼ最終ラインの仕事がなかったという証明。
DFウムティティ(6)
裏のスペースへの対応で少し危なっかしい場面こそあれど、前への当たりや対人の守備はうまく守り、ボール処理も良かった。苦しい状況でパスをつないだシーンもあり、悪いプレーが少しありながら良いプレーが多かった感じだった。
DFアルバ(7)
バレンシアの守備を広げるべく左サイドでボールを何度も受け、攻撃の起点の一つとなっていた。深いところまでえぐって中央への折り返しも悪くなく、守備では相変わらず問題なかった。
MFビダル(6)58分OUT
右サイドで何度も動き出ししていたが効果的な攻撃とはならず、今日はビダルの起用はそこまで効果的なものとならなかった。アグレッシブな一面は悪くなく、次の試合でのビダルの活躍に期待。
MFラキティッチ(8)68分OUT
中盤の後方に位置しながらバレンシアの攻撃の起点をつぶし続け、何度もボール奪取をみせた。守備面でとても良く、攻撃でもパスを散らして良かった。ラキティッチの3列目からの飛び出しがあればもっとよかったが、チームのバランスをとって守備面で大きな貢献をしていた。
MFブスケツ(7)
攻守にわたり中盤で仕事をし、攻撃ではポジショニングを変えながら上手くパス回しに参加していた。守備でも前にプレッシングをかけたり、後方でしっかり守ったりと地味ながら貢献度は高かった。
MFイニエスタ(7)72分OUT
何度もバレンシアの守備を崩すべく、ドリブルや飛び出しやくさびのパスを送っていた。左の攻撃をスムーズにしており、効果的な攻撃は少なかったが攻めの意識を強く感じさせた。パス回しでは相変わらずの安定感で、イニエスタの存在感をはなっていた。
FWメッシ(7)
バレンシアにスペースをつぶされ、挟み込みで簡単にプレーできなかったが、結果的に1アシストと結果を残した。中央に攻撃が偏る原因を作っていたり、ボールを持ちすぎたりする場面はあったものの、全体で見ればチームの攻撃をしっかり引っ張ってくれていた。
FWスアレス(8)★
ポストプレーや左サイドに流れてチャンスメイクしようとし、何度かチャンスも演出していた。ストライカーらしく数少ないチャンスをしっかりとゴールにつなげて、今日の決勝点を決めた。守備でもハードワークしてプレッシングに参加しており、今日のMOMに。
MFコウチーニョ(7)58分IN
はじめは右、途中から左に入り、左で存在感をはなった。カットインからの鋭いシュートがあったり、パスコースを作ってくさびのパスを何度も入れたり、ゴールにはならなかったが良い攻撃を繰り返していた。まだ遠慮気味にみえるが、もっと積極的にプレーしてゴールを狙ってくれたらそろそろ得点に絡みそうだ。
MFパウリーニョ(6)68分IN
今日は完全にバランスをとるための役割で起用され、ほぼ攻撃参加せずに守備面で貢献した。ラキティッチを休ませる役割もあり、問題なくプレーしていた。
FWパコ・アルカセル(7)72分IN
右サイドに投入されて攻守に走っており、攻撃ではボールを何度かよい形で受けていた。守備では良いボール奪取をみせており、今日はパコのチームへの献身性がうまく出た試合となった。
試合結果
バルセロナ1対バレンシア0
得点者
67分スアレス(メッシ)
最後に一言
試合終了の笛とともに選手たちは悔しそうな顔をしていたが、アウェイゴールを許さずの1対0の勝利は決して悪くなかった。
バレンシアが逆転するには2得点が必要なこと、次のアウェイの試合でバルサが得点を奪えばバレンシアに大ダメージを与えることを考えれば、スコアは良いものだった。
試合はコントロールして試合内容も悪くなく、攻め続けた中で得点も奪って良い試合に感じられた。
ここ数試合少しずつパスやトラップがずれることが多くなってきたように見え、これが主力選手の疲れでないことを祈る。ほぼローテーションしなかったツケが出てこないようにお願いしたい。