17/18CLラウンド16 1st 2/20 チェルシー対バルセロナ 試合結果・評価 

時間帯別試合支配率

※赤色はバルセロナ、白色は互角、黒色はチェルシー

・バルセロナ0分、チェルシー5分、互角85分

チェルシーは試合開始とともに下がって守備ブロックを形成してきた。

バルサの選手へのチェックは緩く、バルサがボールを支配して試合を落ち着かせながら進めていく。

それでもチェルシーの5-4-1の守備ブロックは固く、攻め込めないバルサ。

バルサ側に攻める意欲がそこまでなく、無理に攻めないこともチェルシーには有利に働いた。

チェルシーは30分過ぎからじわじわと守備ブロックのラインを上げ、前半終盤には前線から激しくプレッシングを仕掛けてきた。

チェルシーは勝負所に体力を温存するかのような戦い方で、ギアを上げるメリハリがあった45分間だった。

後半になってチェルシーは最終ラインを上げて戦ってきた。

それでも前半から両チームともそこまで攻める意欲がないことは変わらなかったが、

62分に、ウィリアンが個人技でバルサゴールを揺らしチェルシーが先制。

ここからバルサは一段ギアを上げて攻めようと試みた。

それでもチェルシーの守備ブロックに攻め込めなかったが、チェルシーのミスから同点に追いついた。

イニエスタがボールを奪い返し、パスを受けたメッシがワンチャンスをしっかり決めて同点。

そのまま試合は終了し、1stレグは1対1というスコアとなった。

バルサから見れば貴重なアウェイゴールを奪っての同点で、スコアは悪くなかった。

今日のスタジアムに来たお客さんは、消極的な両チームに退屈だっただろうな。

 

試合での課題点

・35分を無駄にしないために、もう少し攻撃性を発揮するべき

まったく攻撃性のないバルサほど怖くないものはなく、前半は本当に無駄な時間を過ごした。チェルシーの選手をばてさせるほどのパス回しではなく、ただ臆病に後方でただ回すだけという状況だった。今日は同点に追いついたから良いものの、負けていたら本当に無駄な時間となっていた。試合立ち上がりの10分はあの流れで良くても、どこかで縦パスやくさびのパスといった、仕掛けのパスが必要だった。

 

・ドリブラー相手に対しての守備の対応が悪い

チェルシーが前線にスピードのあるドリブラータイプの3選手を配置し、その対応がいくつか悪かった。ドリブラーは自分の中でのドリブルという選択肢は一番目か二番目にあるもので、ドリブルを全く警戒していないかのようなバルサの守備に問題があった。いつも通りのパスコースを切っておけば大丈夫だろうという守備では危なく、抜いてくることを考慮した1対1の対応をするべきだった。

 

試合での良好点

・アザールを封じ、要所はしっかりと守れていた

チェルシーの攻撃の半分以上はアザールの出来が大きく左右するので、バルサはアザールに対して数的有利を作るのがとても速かった。また、ウィリアンの個人技で何度か肝を冷やしたが、チームの守備ブロック的には大ピンチはほぼなかった。前線からのプレスも良かった。

 

監督選手評価・採点

※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMOMの選手。

監督エルネスト・バルベルデ(6)

この大一番にバルベルデ監督は現在の最強メンバー、そして最強の配置で挑んだ。

チームの攻撃性のなさは課題だったが、スコアは十分な結果を持ち帰ることに成功。

試合内容も悪くなく、チームの姿勢だけが不満点だった。

試合前日の会見のラキティッチの我々は勝ちにいく宣言どおり、もう少し攻撃性をみせてほしかった。

ビダル投入は良い判断のように思え、試合終盤に時間を使う途中交代もしたたかだった。

 

GKシュテーゲン(6)

セービング機会と呼べるものはほぼなく、失点シーンは見えなかったのかもしれない。足元のプレーでは問題なく、消極的なチェルシーだけに出番も少なくなった。

 

DFセルジ・ロベルト(7)

バルサの右サイドにほぼ問題を起こさせず、攻撃では意表を突くドリブルでアクセントを何度かつけていた。ブスケツがメディア的には過小評価されているが、バルサファンの中ではこのセルジ・ロベルトの評価が低すぎるような気がする。攻守において安定感が出てきており、大一番でも良いプレーをみせて、アウベスに近いレベルまで迫ってきている。

 

DFピケ(7)

スピード面で不安だったが、その弱点をさらけ出さないように前に出て守る守備はお見事。多少いちかばちかの守備がありつつも、前線に入ってくるボールをよく跳ね返していた。パス回しでも問題なかった。

 

DFウムティティ(6)

ほんの少し危なっかしいところがあり、ピケに比べればやはりビッグマッチの経験不足感は否めなかった。それでも自分のエリアはしっかりと止めており、問題にはならなかった。

 

DFアルバ(6)

チームが攻撃性をみせないことでアルバもおとなしかった。攻撃参加は少なく、チェルシーがアルバの攻撃参加を警戒していたこともあって見せ場はほぼなかった。それでも攻守において平均的なプレーはみせた。

 

MFパウリーニョ(6)63分OUT

チームの攻撃性があまりないことからゴール前にいく回数は少なく、パウリーニョの見せ場も少なくなった。右サイドでボールを受けシンプルにプレーし、相手のゴール前で何度か存在感はみせていた。

 

MFラキティッチ(6)

少しプレーの粗さが目立ち、少しのズレが何度も目についた。それでも守備でハードワークしてボールを奪い返すシーンもあり、悪いというほどではなかった。このレベルの試合ならラキティッチの技術でも、バルサファン的には少し怖さを感じるのかも。

 

MFブスケツ(6)

ウィリアンに振り切られてシュートを許し、1対1の対応で何度か問題だった。正直失点シーンは止めるのもコースを消すのも無理だと思ったが、それ以外の場面の1対1の対応が悪いときがあった。それでも後半になるとしり上がりに良いプレーが増え、パス回しではブスケツの存在はとても頼れる存在だった。

 

MFイニエスタ(7)90+2分

貴重なアシストを決めた。ボールを奪い返した直後のマイナスのメッシへのパスはお見事だった。左で何度もボールを受けて、安定したプレーをみせた。何度かギアを上げるようなスピードあるプレーもみせ、チームの攻撃を陰ながら引っ張っていた。

 

FWメッシ(8)★

比較的ボールを受けることができ、そのたびにチェルシーの守備は身構えていた。それでも一瞬のスキをついて攻撃しようとしており、何度か良い攻撃もあった。スペースもなく数的不利の状況でもボールを失わないことも多く、頼りになる存在だった。貴重な同点ゴールとなるワンチャンスをしっかりとゴールに沈めたことで、今日のMOMに迷いなく選出。

 

FWスアレス(7)

最前線でポストプレーや飛び出しと何度もチャレンジし、勝率も良かった。相手は3人いるのにスアレスはうまく動いて1対1の状況を作ったりと、頭脳的なプレーも見せた。プレミアのディフェンスとはやりやすいのか、ゴールはなかったがスアレスのプレーは良かった。

 

MFビダル(7)63分IN

おそらく試合を動かそうと準備していたが、失点した直後の投入となった。それでもビダルはアグレッシブに動き、運動量も豊富でチェルシーの左サイドをかき回すことにはなった。チームの活性化という意味でビダルの投入は意味があった。

 

MFアンドレ・ゴメス(ー)90+2分IN

時間稼ぎのための投入の役割で、ボールタッチは1回と採点不能。

 

試合結果

チェルシー1対バルセロナ1

得点者

62分ウィリアン[チ]

75分メッシ(イニエスタ)

 

最後に一言

試合内容は可もなく不可もなく、試合結果には満足、試合への挑み方は悪かった。

バルベルデバルサの弱点とも言っていい、勝利必須ではない試合での攻撃性のなさは、これからやばいことが起きる予感がプンプンする。

無駄な時間のように思え、パス回しするならもう少しくさびのパスなど前に送らないと本当に意味がない。

それでも2ndレグに少し有利なスコアで折り返せるのは良く、カンプノウでは文句なしの勝利で、次のラウンド進出を決めてやりましょう。

 
 

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