17/18リーガ第3節 9/9 バルセロナ対エスパニョール 試合結果・評価

試合支配率

※赤色は完全なバルセロナ、黄色は少しバルセロナ、白色は互角、灰色は少しエスパニョール、黒色は完全なエスパニョール

・バルセロナ20分、エスパニョール0分、互角70分

最近のバルベルデバルサの試合支配率をどう評価するのかが難しい。試合を危なげなくコントロールしていることを試合支配とするならほぼバルサ一色となるが、そこまで試合を支配しているようにも見えない。でもリーガが始まって毎試合ごとに、バルサの攻守が良くなってきて試合を支配し出しているのは間違いない。

 

試合での問題点

自陣のPA付近まで下がって守備をする時にセカンドボールが拾えない状況が多かった。現在のバルベルデバルサの4-4-2の守備陣形だと、中盤が下がって守備をすると前線との距離が開いて、そこのエリアでボールを拾われて相手の二次攻撃を受ける状況となっている。メッシかスアレスのどちらかがもう少し下がった位置で、守備なりスペースを埋めてくれればマシにはなりそう。

メッシを起点にサイドにパスを散らして攻撃ができていたが、やはりというかサイドを縦に切り裂く攻撃では物足りなかった。特に今日の右サイドはセメドとデウロフェウという高速ドリブラーが2人いたのに、この2人の関係で崩せたシーンは少なかった。連携面の不足などから攻撃のポジションが被っていることもあったが、メッシに頼らなくても攻撃が出来ればよりチームもメッシも活きる。

 

試合での良好点

現在のバルベルデバルサの最高の功績はやはり守備面で、それに伴いボール支配率の時間も増えて守備面が大きく改善されている。ピンチは少なく、クリアボールを拾われた以外はほとんどなかった。相手GKまで全力でプレスをかけた後もしっかりとボールを奪い返せているので、前線や中盤の選手も追いかけまわすことが苦にならないだろう。守備は大方このままハードワークしてくれればOK。

攻撃面ではメッシ中心にサイドを崩して攻撃しており、代表ウイークでチームの練習時間がほぼなかったにもかかわらずこの成長ぶりには驚かされる。またコンディション面でも良い選手が多く、バルサはFIFAウィルスにかからずに済んだ。もしかするとバルサの試合前にどこかのチームが勝ち点を落としたことで、チーム全体に火がついていたのかもしれない。

 

監督選手評価・採点

※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMOMの選手。

監督エルネスト・バルベルデ(7)

代表ウイーク明けの難しい状況の試合にもかかわらず、バルベルデが送り出したのはベストメンバーに近い11人を送り出した。怪我明けだったりコンディション面が不安だったが、その心配はご無用と言わんばかりのパフォーマンスを選手もチームも見せてくれた。さすが内部でチーム状況を冷静に見ている監督の采配といった感じ。

チームも少しずつ成長して良くなっているのが目に見え、バルサファンも満足の試合内容だった。さらなる改善でチームをもっと強くしてくれそうな雰囲気が今のバルベルデバルサにはある。交代枠も現状全て使い切っており、人員過多の選手数だが上手くマネージメントできるのかもしれない。

 

GKシュテーゲン(7)

セービングでは一度ビッグセーブをし、ハイボールの処理も危なげなく処理した。今日は足元のプレーで精度の高いキックでパスをつなぎ、ビルドアップに一役買った。落ち着いた両足のキックでバルセロナのGKというパフォーマンスを見せていた。

 

DFセメド(7)

少し遠慮もなくなって右サイドでのボールの持ち上がる姿やタイミングがとても良かった。守備でも相手の速攻を防ぐ守備も見せたりと、今日は守備も危なげなくこなした。90分通してテクニック面やフィジカル面が落ちないことからも、やはり体力がずば抜けてありそうだ。

 

DFピケ(7)

エスパニョール戦では何かとゴールを決めるイメージがあり、今日も1ゴールを決めた。守備でも基本安定しており、攻撃面のビルドアップも安定したプレーをみせた。高い最終ラインの守備では、ピケの足の遅さからくる対人の守備は少し心配な点だが、読みの鋭さや危険なプレーをさせないということで対処してくれればOKだろう。

 

DFウムティティ(7)

いつも通りの安定した攻守を見せ、もはやコメントすることがないほどの安定したプレーだった。ゴール前でのシュートブロックはチームを救った。

 

DFアルバ(9)

今日の影のMOMの選手であり、効果的な攻撃参加から決定的な仕事を何度もやってのけた。2アシストも決めたし、アルバの前のスペースが基本空いてることもあってか深くえぐるランニングが多かった。攻守においてパフォーマンスが高く文句の付けどころはほぼなかった。

 

MFブスケツ(8)73分OUT

何度も足の裏を使った上手いボールタッチで相手のプレスをかわし、バルサファンを喜ばせるプレーをみせた。攻守にわたって質の高いプレーを長い時間継続しており、文句なしのプレーぶりだった。ブスケツの存在感が光った試合だった。

 

MFラキティッチ(8)

怪我が心配されたがゴール前に入ってきて何度も得点チャンスがあり、CK含めた2アシストも記録した。守備面でもブスケツと並んで中央をしっかりふさぎ、高いパフォーマンスをみせた。最後はアンカーに入ったが安心して見れるレベルであり、さすがラキティッチ。

 

MFイニエスタ(7)77分OUT

試合序盤はパスミスが少し目立ってイニエスタらしくなかったが、徐々にイニエスタの高いキープ力で存在感をみせた。守備でもハードワークしてボールを奪い返すシーンもあり、プレッシングでもしっかり仕事をこなした。

 

FWデウロフェウ(7)68分OUT

まだデウロフェウの良さが全部出たわけではないが少しずつ改善されてきている。何度か突破や飛び出しでチャンスを演出し、デウロフェウのバルサ復帰が良かったものと確認できる。後は自分の良さを出しながら右SBの選手にスペースを空ける動きも見せたらより良い選手になるが、それはまだ数年後の先になるだろう。全体的に良いプレーだった。

 

FWメッシ(9)★

メッシが普通に活躍すると誰もかなわないというプレーぶりでハットトリックも決め、文句なしのMOM。攻撃で常にスイッチを握り、それに見合う活躍を見せた。アルゼンチン代表では良い位置やスピードに乗ってボールを受けれないが、まだまだ改善の余地がある今日のような試合でもこれだけ活躍するのだからさすがとしか言いようがない。アルゼンチン代表ももう少しメッシに良い状況でパスを送れれば活躍しそうなのだが。

 

FWスアレス(7)

久しぶりのバルサでの試合だからか周りの選手と動きが合わないシーンが目立ち、あたかも新加入選手かのようにボールを失うシーンがあった。それでも最前線で存在感と威圧感はみせ、何度かボールを受けてチャンスを演出した。今シーズンのスアレスはなぜか最後のフィニッシュの得点に苦しんでいるようにも見えるが、最後にはゴールを決めてこれで勢いに乗ってくれれば。足の状態だけはムリしないでもらいたい。

 

FWデンベレ(7)68分IN

遂にバルサデビューを飾り、テクニックの高い選手のオーラを漂わせるプレーをみせた。チームが3点目を決めてペースダウンした直後の投入で見せ場はほぼなかったが、最後にスアレスのゴールのアシストをするのだからやはり大物感がある。ドルトムントでも多くのアシストをしているだけあってラストパスはお見事だった。

 

MFパウリーニョ(7)73分IN

一度迫力あるランニングからゴール前で惜しいシーンがあり、こういうシーンはバルサファンの大好物のシーンでもあった。守備面ではリーガのリズムや相手選手に慣れておらずまだファールが目立ち、少しずつ慣れてボールを奪い返してくれれば。中盤で絶えず動き回っていたのも高評価。最後に関係ないけどパウリーニョの笑顔はとても素敵な笑顔!

 

MFアンドレ・ゴメス(7)77分IN

試合に出場したときにはペースダウンした試合の状況の中、アピールしようとゴメス1人だけ攻め急いでる感はあったが、そのアピールしようとした積極的な姿勢が最後のゴールを生んだ。守備面やパスのつなぎでも問題なかった。

 

試合結果

バルセロナ5対エスパニョール0

得点者

25分メッシ(ラキティッチ)

35分メッシ(アルバ)

67分メッシ(アルバ)

87分ピケ(ラキティッチ)

90分スアレス(デンベレ)

 

最後に一言

代表ウイーク明けで落とし穴になりそうなバルセロナダービーとなったエスパニョール戦、バルセロナは見事な試合内容と結果で外野の心配を黙らせた。

これでリーガでは3試合連続の無失点の勝利も良い点で、確かエンリケバルサのリーガの1年目は8試合連続無失点だったので、この記録を超えてくれればうれしいものだ。

この勝利でどこかのチームが勝ち点をすでに4落としているので、バルセロナはチーム作りで忙しいこのシーズン序盤を少しでも余裕を持って戦えそうだ。

次は大会も変わってCLのユベントス戦、難しい対戦相手だがホームカンプノウということもあって勝利あるのみ。この試合に勝利したら90%以上の確率でグループリーグ突破は決まりそうな感じがするほど大事な一戦というイメージ。

 
 

4 Responses to “17/18リーガ第3節 9/9 バルセロナ対エスパニョール 試合結果・評価”

  1. メシコシ より:

    なかなか良い試合でした。
    管理人さんの指摘通り、守備面での向上そのままに、今回は攻撃面でも改善が見られたと思います。
    ただ前節印象的な活躍を見せたデニスはベンチ外、しかもセルジ、アルダ、ラフィーニャが怪我であるにも関わらず、という状況に悲しみを感じます。
    デロウフェウの意外な安定感、デンベレの大物感、セメドのフィット感とかなり良い雰囲気があるのも事実ですが、上記中盤の過多感もまた依然として拭えないものであると思います。

    そこで管理人さんに質問です。
    中盤の優先順位希望を教えて下さい。
    怪我中のラフィーニャ、セルジ、アルダなどは怪我前のプレーレベルである、フォーメーションは4-3-3という条件です。
    因みに私は
    ①ブスケ②ラキ③イニエスタ④セルジ⑤ラフィー⑥デニス⑦ゴメス⑧パウリーニョ⑨アルダ
    です。
    将来性にやや重きを置き、ウィング起用時のパフォーマンスは考慮してません。
    ややこしい質問で申し訳有りませんが、御高配宜しくお願い致します。

  2. 医師 より:

    初めまして。
    クレ歴15年ほどの医師です。
    素晴らしいブログに出会えて嬉しいです。

    今回の記事とは無関係で恐縮ですが、ネイマールについてご質問させてください。

    以前の記事で、ブログ主様は、
    ネイマールを大変評価していらしたと思うのですが、今シーズン、PSGおよびブラジル代表でのネイマール、あまりにボールロスト、持ちすぎ、判断遅い が続いていませんか?

    若さゆえなのかよう分かりませんが、およそエースと呼ぶにはほど遠いレベルのように感じます。

    全盛期を楽しむためにとにかくメッシばかり観ている私の目が肥えてしまったのか、イライラが止まりません。

    もしかしたら、トリデンテ時代のリバウド、全盛期ロナウジーニョ、暗黒期リケルメを今観てもイライラするかもしれませんが笑

    ブログ主様のお考えをお教えいただけたらと思います。

  3. プラッシー より:

    空いている左サイドのスペースをアルバが上手く活用することで、スアレスがサイドに開く必要がなくなり、スアレスの本来の力が出しやすくなったと思います。
    また、今回のアシストを見た感じ、デンベレがいることで中盤のボール奪取からのショートカウンターが仕掛けやすくなり、より得点機会が多くなると期待しています。

    あとは、レアルのように無茶なローテーションで下位相手に取りこぼしをしないように気を付けたいですね(笑)

  4. レト より:

    バルサの騒動が世間を騒がせた一方でレアルもCFの控えを獲得しないなど補強に問題があったようで。
    バルサより先に影響が表れたのは皮肉な話です。リーガに対する油断があったのでしょうか。

    今回の試合では中央での崩しも見られるようになってチームの展望が開けた感じですね。新加入の選手にとっても満足な内容だったので後半戦に期待が持てます。CLはまだ様子見ですけど。

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