17/18リーガ第7節 10/1 バルセロナ対ラス・パルマス 試合結果・評価

試合支配率

※赤色は完全なバルセロナ、黄色は少しバルセロナ、白色は互角、灰色は少しラス・パルマス、黒色は完全なラス・パルマス

・バルセロナ25分、ラス・パルマス5分、互角60分

 

試合での問題点

4-4-2の守備ブロックを構成しているときに、DFラインの前、そして中盤の前にぽっかりとスペースが生まれる時がしばしばある。DFラインの前はブスケツがサイドに釣り出された時にパウリーニョのカバーリングが間に合っておらず、中盤の前は前線の2人が歩いて守備をサポっている。このままの守備ブロックでは強豪相手なら勝てないだろう。リーガ開幕時のような、チーム一丸となった守備をしなければいけない。

 

試合での良好点

政治的な問題もあり無観客試合だったり準備の段階で難しい試合だった。それでもしっかりと勝ち点3を獲得して、選手達は自分達のミッションを達成したのは素晴らしかった。カンプノウに試合を見に来た大勢の人は純粋にサッカーを観に来た人だったと思うけど、今回の無観客試合の決定は仕方なかったのかなと思う。

ローテーションの影響もあってか前半のバルセロナは、試合のペースも上がらなかったりバランスは良くなかったが、後半になってからはバランスが良くなってリアクションを示した。バルベルデ監督の交代カードの切る決断が素晴らしかった。

 

監督選手評価・採点

※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMVPの選手。

監督エルネスト・バルベルデ(7)

試合の準備の段階で難しい試合でローテーションを決行して前半は苦しんだが、後半頭から2枚替えで主力選手を投入して、無事に勝利を収めて見事な采配をみせた。

ポストにまた助けられた形となったが無失点での勝利となり、チームの守備はまだ改善点があるものの意識や組織は良いものとなっている。そしてバルベルデバルサの最重要課題は攻撃となりそう。

 

GKシュテーゲン(7)

飛び出しでピンチを救った以外はほぼ出番がなく、今日は相手の枠内シュートが少なかったこともあり見せ場はなかった。安定したプレーで無失点に威圧感で貢献していたのかもしれない。

 

DFセルジ・ロベルト(9)

前半から何度もドリブルの持ち出しで相手の守備ブロックを壊しにかかり、右サイドの飛び出しという面でもチームの攻撃に大きく貢献した。守備では右サイドを守るだけでなく中盤のサポートに入りプレスをかけるなど状況に合わした上手いプレスを見せ、一度ゴール前で決定機のクリアするという見せ場もあった。今日はこれでアシストやゴールがあれば完璧な活躍となっていた。

 

DFピケ(6)

終始安定したプレーで問題はそこまで起きず、ビルドアップでは特にピケの存在感は光った。ピッチ外ではいろいろ騒がれた数日となっていたようだが、ピッチ内では良い意味で目立たない活躍を見せてくれた。

 

DFマスチェラーノ(6)

出足の良いインターセプトをみせたり、対人での激しいタックルなどマスチェラーノらしい良いプレーを何度も見せながら、少しマークが甘いという悪い一面も見せた。それでも比較的安定したプレーぶりだった。

 

DFアルバ(7)

今日は全体的におとなしいイメージとなり、後半終盤の飛び出し以外はチームのバランサー的な存在となっていた。守備での相手への寄せはお手本のような存在であり、守備面でアルバがマークしたら何も問題は起きなかった。

 

MFブスケツ(10)★

ピッチ外で政治的な問題が起きていようともブスケツはブスケツであり、今日はいつも以上の幅広いエリアをカバーリングして素晴らしいプレーをみせた。相手の攻撃を止める出足の速さや読みで何度もチームを助け、球際でもブスケツの長い足が活きていた。攻撃では鋭い縦パスに両サイドに散らすパスで攻撃をスムーズにしており、貴重な先制点も奪い今日は攻守においてノーミスと言えるハイパフォーマンスだった。

 

MFパウリーニョ(6)46分OUT

攻撃ではゴール前への侵入で何度か見せ場を作ったが、パス回しではやはりというかリズムを上げることはできず、イエローを受けていたこともあり前半での交代となってしまった。守備では中央のスペースをカバーできておらず、何度か危ないシーンを作られる要因となっていた。守備での戻りが全体的に少し遅い。

 

MFデニス・スアレス(8)

前半は左サイド、後半は右サイドに入って両サイドで良いプレーをみせ、攻撃ではボールを触ればリズムを作った。もっとボールを受ければチームは良い攻撃が出来ただろうが、ボールを受けた回数だけが不満となった。アシストも決めて得点にも絡み、今日でさらにバルベルデ監督の信頼を高めた。

 

FWビダル(6)46分OUT

右サイドでのプレーでは良いプレーをみせたものの、中央に入ったプレーでは平凡なプレーとなり、右WGビダル起用の良い面と悪い面が見れた試合となった。少しボールロストは多かったが、裏の抜け出しや右の幅を使う意味でビダルの起用はこれからもありそうだ。

 

FWメッシ(7)

チャンスでシュートが入らず今日は無得点かと思っていたら、終わってみれば2ゴール1アシストと結果を残した。今日は歩ているシーンが多くサポートも動き出しが少なくてそこでは不満が残ったものの、最後の所でしっかり仕事をしてエースの働きはしっかりとこなした。この調子でアルゼンチン代表のW杯出場にも頑張ってきてほしい。

 

FWスアレス(7)

得点こそなかったもののアシストを決めるなどチャンスシーンで多く絡み、スアレスらしい裏の抜け出しもあり良いプレーは多かった。この調子ならゴールの量産もじきに訪れそうで、この調子でプレーを続けてほしい。

 

MFラキティッチ(7)46分IN

チームにバランスをもたらし、ブスケツとの中盤のコンビは現状バルサでは最高のコンビに思える活躍をみせた。強烈なシュートを放つなど高い位置に侵入しながらも中盤をしっかりと引き締め、ラキティッチ投入は今日の試合では大きかった。

 

MFイニエスタ(7)46分IN、86分OUT

中盤でボールを受けて存在感をみせ、良い活躍を見せていたが足の違和感を訴えて途中で下がったことだけが心配。足の怪我というより違和感での交代のようにも思え、代表では試合に起用せずおとなしくしていれば代表明けには戻ってこれそうな感じはする。

 

MFアンドレ・ゴメス(6)86分IN

体の動きは軽そうで良いように思え、前回にも書いたが出場時間だけがもう少し欲しかった。時間が短い中でもアピールは必要だが、さすがに15分間くらいは欲しい。ゴメスがこの先起用出来るかの判断はまだ難しそうだ。

 

試合結果

バルセロナ3対ラス・パルマス0

得点者

49分ブスケツ(メッシ)

70分メッシ(デニス・スアレス)

77分メッシ(スアレス)

 

最後に一言

ピッチ外で色々問題がある中での試合で、見事な勝利を収めて結果を残せたことが今日では全てのように感じる。さらに無失点だったのは良かった。

ここからは代表ウイークになり、バルサの多くの選手達がこの時期にバルセロナを離れるのはある意味良いことなのかもしれない。W杯出場をかけた最終局面となっている選手が多く、そこで勝利してバルサの選手が1人でも多くW杯出場を決めてくれることを願っている。

代表明けはアトレティコとのアウェイ戦となりそこでの勝利は極めて難しそうだが、それを考えるのも代表組が試合を終えてから考えよう。本当にW杯出場を決めるために少し無理してでも頑張ってきてほしい。

 
 

3 Responses to “17/18リーガ第7節 10/1 バルセロナ対ラス・パルマス 試合結果・評価”

  1. こおろぎ鍋 より:

    うーん、評価厳しいなぁ。
    ちょっとメッシの守備問題について思うことを少しだけ失礼します。

    この間のスポルティング戦は観ていないのでコメントしませんが、今日の試合やこれまでの試合を観る限り、前線の二人の守備というか戦術上メッシは4-4-2の守備ブロックを作っているときは明らかに前線に残るよう指示されており、4-4-1-1でスアレスがカバーする形のような気がします。

    攻守の切り替え時に近くの選手を捕捉する、追いかける、パスコースを切るといった動きは毎回ではありませんが程々にこなしていて、今日の試合でも相手から二度ボールを奪いチャンスを作っています。
    個人的にこれは毎回こなして欲しいですが、それを精力的に行い体力を失っちゃ本末転倒なので難しい……。

    メッシは守備を免除されている代わりに、決定力、密集地帯でのボールキープ、一対一での高い勝率、チャンスメイクなど攻撃で重要な役割を背負い、果たしています。
    マドリーのロナウドのようにゴールだけを期待されているフィニッシャーではありません。
    また、それは単純にゴールをしたかどうかではなく、上記の攻撃のタスクをどれだけこなせたかで評価するべきでしょう。

    選手それぞれ監督に定められた役割があり、それをこなした上で負けた(うまくいかなかった)責任はその役割を与え配置した監督の責任だと思います。

    と、長々書いてしまいすいません。

    守備の免除は織り込み済みで、メッシの評価は攻撃のタスクをどれだけこなしたかではないのだろうか。と書きたいだけでした。

  2. プラッシー より:

     メッシ、スアレスの2トップだと、サイドを広く使った攻撃ができておらず、中央の狭いスペースでの崩しに偏っています。(スポルティング戦のヒートマップでは右サイドの高い位置がほとんど使えていなかったです)
    そのため、攻撃ペースがいまいち上がらず、中央エリアで相手DF3人にメッシが囲まれるシーンが顕著にみられます。
     また、4-4-2はゾーンディフェンスを軸としているため、8人の選手が低い位置まで下がることは避けられません。そのため前線のFW二人が孤立している機会がより増えているのではないかと思います。

     このシステムよりも、デンベレがいたときや今日の試合後半(デニスがデンベレの代わり)のように従来の4-3-3(4-1-2-3)のシステムのほうがいいのではないかと思います。前線3人でのサイドを広く使った攻撃のほうがより得点に恵まれていたし、ディフェンスのハイプレスを軸に高いところでボールを奪い返していました。
     長くなりましたが質問です。なぜバルベルデ監督は4-2-2を使うのでしょうか? また、なぜ従来の4-3-3をやめてしまったのでしょうか?プレシーズンマッチの際には4-3-3のシステムでハイプレスをしていましたし、ネイマールが移籍したとはいえデンベレ、デニスらがいるしこのシステムは機能するとは思うのですが・・・

    • プラッシー より:

       少し補足しますが、私の質問の重点はなぜボールが奪われた際に、ハイプレスではなくリトリートに変えたかという部分です。
       先の3戦(今節は前半のみ)はシーズン開幕前後と違いリトリートが多かったです。そのせいか守備に追われている時間が多く感じます。バルサのポゼッションはこういった守備の時間を極力減らすためでもありますし、ハイプレスでボールを奪うかクリアさせるほうが良いとは思うのですが・・・

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