17/18国王杯準々決勝 1st 1/17 エスパニョール対バルセロナ 試合結果・評価
■ 目次
時間帯別試合支配率
※赤色はバルセロナ、白色は互角、黒色はエスパニョール
・バルセロナ15分、エスパニョール5分、互角70分
攻撃をほぼ捨ててでも守備を固めるエスパニョールに対し、バルセロナがボールを支配して試合は進んだ。バルサは前半から攻めあぐねていたが、良い時間帯もありまずまずの戦いぶりの前半でした。
これまでの試合なら後半にバルベルデ監督の途中交代などが効いて、得点を奪ってバルサの勝利という展開だったのですが、この試合が1stレグの試合ということもあり、バルサが攻勢に出ることがなくチャンスが生まれない。
引き分けでもOKとバルサの選手たちが思い出した80分過ぎから、エスパニョールは最後のエネルギーを絞り出して活動的になり、最後はバルサから得点を奪って見事な勝利を勝ち取りました。
試合での課題点
・失点関係なしに、攻勢に出なかったツケが最後に回ってきた
最後は失点してバルサは負けてしまったわけですが、それはもともとバルサが攻勢に出ずに、得点を積極的に奪うことをしなかったことが原因のように思えた。エスパニョールの守備に攻めあぐねていたものの、サイドからの突破や攻略はできそうだったのに、それをしようとせずに少し後ろに比重を置いてしまった。今までこの形で勝利したから結果論に思えるかもしれませんが、やはり得点を奪わないと勝利できないし、攻撃の姿勢をなくしてはいけなかった。
試合での良好点
・試合に出ていない選手たちのパフォーマンスは高かった
シレッセン、ディニュ、アレニャ、ビダル、デニス・スアレスと日ごろ試合に出ていない選手が出るというローテーションで戦ったバルサですが、試合内容としては悪くなかった。選手一人一人の出来は決して悪くなく、しっかりと練習して試合に備えていることが見てとれた。長丁場のシーズンで、試合が立て込んでくるこの後半戦に、こういうパフォーマンスはポジティブなものだった。
監督選手評価・採点
※()の中の数字は選手評価点。6が平均で1が悪く10が最高点。★はMOMの選手。
監督エルネスト・バルベルデ(6)
ローテーションをした試合で、昨シーズンのルイス・エンリケのように悪い結果をカンプノウの2ndレグに持ち帰ることになった。それでも試合内容は悪くなく、いつかは起きる敗戦がここに来たというイメージ。
国王杯でローテーションするよりも、余裕のあるリーガで多少ローテーションをしたほうがいい気がするが、バルベルデ監督の中ではリーガに大きなプライオリティを置いている感じですかね。
今日は途中交代が当たりませんでしたが、途中交代の時間や選手の投入は今までと変わらず、結果だけがついてこなかった。
次の2ndレグの試合でほぼほぼ2点差以上の勝利が必要となり、そこはバルベルデ監督の手腕に期待。
GKシレッセン(7)
失点シーンは難しいセービングで仕方ないものに思え、それ以外は安定感抜群だった。セービングにキャッチングに足元としっかりプレーしており、数少ない出場ながらシレッセンは仕事をしてくれた。
DFセルジ・ロベルト(7)
今日は左のディニュとの関係で、攻撃的に高い位置でプレーして深いところまでえぐることも多く、そこからPKを獲得した。バルサカンテラ出身ということからか、今日はいつも以上にカンテラ時代からライバル関係のエスパニョールとやりあう感じがあり、激しく力強い姿だった。守備では少し危ないプレーもあったが全体的に問題なく、今日も全体を通して違いを作る右SBだった。
DFピケ(6)
エスパニョールが1トップで低い位置まで下がって守備をしていたことから、CBはあまり仕事がなく、後半終盤まではそこまで苦労するプレーはなかった。ビルドアップでプレッシャーをかけられたが落ち着いてプレーしており、特に問題なくプレーしていた。
DFベルマーレン(6)
体にここまでムリがきくのかと思えるほどベルマーレンの動きは躍動しており、攻守において問題なかった。ピケ同様ビルドアップでプレッシャーをかけられたが、ベルマーレンも落ち着いてパスを回していた。
DFディニュ(6)
守備ではディニュらしく問題なかったが、攻撃面ではパス回しの時にボールを足元に止める癖があり、そこを動かしながらキープできるようになりたい。それには状況判断もここは関係するので、経験を積んでこれからもっと良いビルドアップ、そして攻撃参加に期待したい。失点シーンの裏を取られたのは仕方なかった。
MFブスケツ(7)★
中盤で大きな存在感をはなったのがブスケツだった。いつも通りの上空から見ているかのような素晴らしい状況判断のパスのつなぎに、鋭い縦パスも何度も出ていた。守備でも長い足でボールをつつくシーンがあり、攻守においていつも通りの安定した高いパフォーマンスをみせていた。前半最初のルーレットパスもお見事でした。
MFパウリーニョ(6)54分OUT
今日はブスケツの横でどちらかというと守備的な役割が多くなり、やはりというかこのポジションでの起用なら、パウリーニョの持ち味である飛び出しの機会が少なかった。エスパニョールの攻撃を受ける回数も少なく守備では大丈夫だったが、攻撃面でもっと貢献できる前の位置で起用したほうがパウリーニョは活きそうだ。今日はメッシの1トップ気味だったので、なおさらパウリーニョのランニングが必要だった。
MFアレニャ(6)59分OUT
相変わらずというか、止めると蹴るの技術面が極めて高く、特にボールを止める技術は一級品で上手いボールコントロールをみせていた。まだ遠慮していてパス回しの一人としてプレーしている感があり、今日は数回飛び出しだったり相手のPA付近で前を向いてボールを受けることがあったが、このプレーをアレニャは増やしたい。技術面だったりバルサのサッカーの流れでは問題ないので、あとは自信と実力面を上げればトップチームでの活躍はいけそう。
FWビダル(6)
アグレッシブに動いて、右サイドだけでなく中盤にも下りたりと積極的にプレーに関与していた。ビダルの場合はあまり中盤まで下りずに裏への飛び出しでボールを受けてほしいが、前半はそれで攻撃の起点となっていた。周りとの連携した攻撃もできており、今日はラッキーボーイであるビダルは数字という結果は残せなかった。このビダルが1000万ユーロ、安すぎな感が否めない。
FWメッシ(6)
久しぶりの最前線に入り、中盤に降りて何度も前を向いてプレーしていたが、そこからのラストパスを出す選手がおらず、メッシの単独突破の形となって苦しんだ。いつもと周りが違ったことでメッシも個人技にはしる機会が多くなり、チャンスはあったが今日は決めきれなかった。PKの失敗は蹴っていればあることなので気にせず、2ndレグでのエスパニョールを倒す一撃に期待したい。
FWデニス・スアレス(5)78分OUT
とにかく上手いプレーをみせていたが、チームのチャンスになる効果的なプレーは少なく、デニスに求めているプレーはできなかった。後半になるとボールを触りたがってか後方に下がり、ボールを受ける回数は増えたが、デニスがボールを受けるのはその位置ではなく、もっと高い位置の密集地帯だったり相手のギャップであり、ボールを受ける位置を間違えたポジショニングをしていた。出場機会が少ないことから活躍しなければいけないと焦っているように思え、それが空回りしているように見える。
MFラキティッチ(5)54分IN
全体を通せば悪くなかったが、後方での不用意なボールロスト、そして失点シーンのマークはラキティッチのように思えた。失点シーンではボールが自分の後方にあるにもかかわらず戻りが遅く、ゴールを決めた選手を完全にフリーにしてしまった。これはおそらくラキティッチ自身が一番気づいているので、次の試合でびしっとした活躍に期待。あとラキティッチにもう少し休養の試合をあげてほしい。
FWスアレス(5)59分IN
途中出場でスアレスのゴールでバルサが勝ち越すと思えたが、エスパニョールのコンパクトな守備の前にスアレスにパスが出る機会はほぼなく、存在感が出なかった。ポストプレーでは良いプレーをみせていただけに、チームとしてスアレスをもっと生かせればよかった。
MFラフィーニャ(6)78分IN
移籍間近といわれている選手だけに出場機会は与えられないと思っていたが、まさかの出場で久しぶりのバルサでの試合となった。久しぶりの出場でパフォーマンスは高いものではなかったが、元気な姿が見れてなにより。バルベルデ監督の惜別の出場なのか、チャンスをあげたのかはわからないが、チャンスならもう少し様子を見て移籍の決断をしてほしい。レンタル移籍ならまだしも、完全移籍させるのはもったいなさすぎるカンテラの選手。
試合結果
エスパニョール1対バルセロナ0
得点者
88分メレンド[エ]
最後に一言
今日の敗戦で公式戦29試合無敗記録は終了。いつかは負ける試合が来るが、それが国王杯のこの試合で助かったと思える2ndレグの逆転劇に期待したい。
記録に固執する必要はなく、タイトル獲得に固執する必要があり、このラウンドを突破できればこの敗戦は痛くもかゆくもない敗戦となります。
2ndレグの試合でどのようなメンバーと戦い方をするのかを、バルベルデ監督の手腕に注目が集まり、CL決勝トーナメントが始まる前にこういった、緊迫した試合を経験できることをプラスととらえて応援していきましょう。
これである意味天狗になっていたチームを引き締めるという意味もあり、次のリーガのベティス戦で勝利を取り戻して、ここからのバルサのさらなる高みに期待。
アピールが求められるデニスの奮起に期待していたので
試合結果以上にデニスのプレーにガッカリしました。
試合に絡もうとはするもののリスクを恐れチャレンジはしない、
これではリードしている試合のクローザーとしてしか活躍できないでしょう。
アウェーなのでリスクを犯さないのは共通認識だったのかもしれませんが、正直デニスはもっと早く下げて欲しかったです。