15/16国王杯準決勝 1st 2/3 バルセロナVSバレンシア 試合前の注目ポイント
国王杯(コパ・デル・レイ)準決勝1stレグ(日本時間2/3水曜日の29時キックオフ)で、バレンシア(カンプノウ)と対戦する。
・バレンシア
以前リーガで戦ったバレンシアと、現在のバレンシアは少しチームとして変化している。ガリー・ネビル新監督が就任し巻き返しを狙っていたが、結果としてはあまり上手くいっていない。ガリーネビル新監督が就任後はリーグ戦で勝利はなく、カップ戦では勝ち上がってきているというチーム状況である。
まだガリー・ネビル氏の戦術が浸透していないのか、バレンシアの戦いはまだ完全に確立されていない。システムは4-1-2-3を多く採用し、このバルサ戦でもこのシステムを採用してくるだろう。
1stレグがアウェイということもあり、2ndレグに希望が持てるスコアを持ち帰りたいと言うのが本音だろう。1得点奪っての1点差負けの1-2の敗戦ぐらいなら許容範囲なのかなと感じる。それだけに選手達の集中力が切れにくい状態のバレンシアであろう。
守備ではガリー・ネビル氏がプレミア経験者からなのか、ゾーンで待ち構える守備を実践している。かつての前線から激しく守備をするバレンシアの姿は今のバレンシアにはほとんどない。ネビル氏は最終ラインを高く維持し各ラインの距離を縮め、コンパクトなサッカーが好みなのだろう。しかし、ボールを持っている選手へのプレッシングが弱いこともあり、高い位置でボールを奪える可能性は少ないように感じられる。
プレッシングではまだまだチグハグな部分は否めないが、最終ライン含めメンバーはいるので守れている。前線の選手以外はしっかり守備をするチームを作り上げているので、守備では何とか持ちこたえているというのが現在のバレンシアである。
問題は攻撃で、エースのパコ・アルカセルの怪我もありネグレドの高さ勝負というイメージが強い。バレンシアと言えばサイド攻撃が持ち味だが、サイドからのクロスをネグレドが合わせるという攻撃があまりにも目立つ。
ウイングの選手含め中盤のセントラルの選手が運動量豊富に走ってポジションチェンジするが、前線の選手との距離が遠く効果的な攻撃は少ない。場面場面で崩せているが、得点につながる崩しがもっとできるチームなだけに得点数が伸びていない。
選手は相変わらず強力な選手が揃っており、リーガの3強を除けば4番手と言ってもおかしくないチームである。それだけに本気になったりチームがかみ合えば怖いチームであり、ガリー・ネビル氏のモチベーションアップという技量にも注目が集まる。
・バルセロナ
バルセロナからしたらこの準決勝を戦う中で、バレンシアというのは最も嬉しい組み合わせだったように感じる。他のセルタやセビージャの方がもっと嫌なイメージがあり、組み合わせが決まった段階では少しだけ楽観視できる対戦となっている。予想スタメンは、
GKシュテーゲン
DFビダル、マスチェラーノ、マテュー、アルバ
MFブスケツ、アルダ、イニエスタ
FWムニル、スアレス、ネイマール
欠場想定選手
ラフィーニャとメッシ(怪我)
メッシは前回のフェリペ・ルイスのタックルを受けて膝を負傷していたらしく、大事を取ってこの試合は欠場と見られているので欠場予定。数選手をローテーションしながら、しっかり勝利出来るメンバーをルイス・エンリケは用意するだろう。バックラインではアウベスとピケを休ませてビダルとマテューと予想。中盤ではラキティッチを休ませてアルダ。前線ではメッシが欠場の場合、目下出場した3試合で連続ゴールを記録しているムニルが起用されるだろう。ムニルにはゴールに強い期待がもてそうだ。
この試合の注目ポイントは、ビルドアップで落ち着かせて試合をコントロールすることである。バレンシアの守備はバルサのCBには恐らく激しくプレスをかけてこず、ここでボールを落ち着かせてしっかり攻撃を組み立てることが求められる。
最近のビルドアップで苦しむ試合展開から、バルセロナはボールを保持して相手をある程度押し込んだ試合展開になると予想され、攻撃のバルセロナと守備のバレンシアという構図になるだろう。
バルサが最も気を付けたいのは悪いボールロストから、バレンシアの速攻で失点することである。貴重なアウェイゴールを自らのミスで与えると試合は難しいものになり、2ndレグにバレンシアの希望はほぼつながるだろう。
バルセロナがしたい試合展開はハーフコートマッチでバレンシアの攻撃を自分達のゴール前に寄せ付けず、パスを回して攻撃し続けることである。バレンシアの守備は人数をかけてしっかり守るので崩すのは難しいが、チャンスが作れないほど強いわけではない。後半にバルサのパス回しがジャブのように効いてきて足が止まることも考えれば、圧倒的にバルサがボーを支配して試合を進めたい。
守備ではハイプレスを基本とした高い位置でボールを奪い返すことを目的とし、そこまで下がって守備をしたくないと言うのが本音である。しかし、バレンシアの選手達からボールを奪うのも難しいミッションなので、ある程度の時間は下がって守備をする時間も強いられるだろう。
自分達のゴール前でネグレドと競り合いの場面を作らせないことに気を付け、セカンドボール含めてしっかり集中して守備をしたい所である。前回のアトレティコ戦ではセカンドボールを拾えず苦しい試合展開だったが、この試合ではバレンシアの攻撃を単発で止めたい。
楽観視できる試合ではないが、そこまで恐れを持って試合に挑まなくても良いだろう。今のバレンシアは本調子が出ていない感じもあり、バルサが爆発すれば大量得点での勝利も期待できるだろう。
バルセロナの注目選手
・DFマテュー
最近マテューとベルマーレンのパフォーマンスが批判されているらしいが、この2人はバルサレベルの選手だということを改めて証明してほしい。CB起用のマテューは大きな問題はなく、SBだと多少の問題が出てきているだけである。この試合でどちらかはCBで起用される思うので、その不安を払しょくする大活躍を見してほしい。
・FWスアレス
前回の対戦でもバレンシアからゴールを決め、メッシ不在もあれば得点面では大きな期待がかかる選手。バレンシアのCBはとても強力だが、それでもスアレスなら1対1で勝てるだけの実力がある。アトレティコ戦のような理不尽なゴール含め、得点に絡んだ活躍を見してほしい。複数ゴールも大歓迎!!!
バレンシアの注目選手
・DFムスタフィ(23歳/ドイツ/推定移籍金2800万ユーロ)
バルサのCBの補強選手の噂にも出る選手で、ドイツ人ということもありリーガでは屈指のフィジカルを誇っている。強さだけでなく読みの良さや前へのタックルも強力で、現在のバレンシアで最も頼れるディフェンスリーダーである。このムスタフィの中央を突破するのは結構骨が折れそうである。
・MFアンドレ・ゴメス(22歳/ポルトガル/3000万ユーロ)
ネビル監督になって、とてもイキイキプレーしている選手である。足元の上手さなど上手さが今まで強く目立った選手だったが、最近ではボールのない動き出しもとても良いものを見している。ゴール前だけでなくサイドに流れる動きも増えて、幅広いゾーンでプレーが良くなっている。
バレンシアという名前を見れば苦しく難しい試合と感じられるが、ホームのカンプノウと今のバレンシアの状態を考えればバルセロナは勝たなければいけない試合と言える。国王杯の決勝に進むためにもこのホームの1stレグはとても重要で、出来るならこの試合で3点差ぐらいつけて勝ちたいというのが本音である。まずは勝利で、次に点差を意識した戦いが出来ることを願う。