15/16リーガ第16節(延期開催) 2/17 S・ヒホンVSバルセロナ 試合前の注目ポイント
リーガ第16節(日本時間2/17水曜日の26時30分キックオフ)で、スポルティング・ヒホン(エル・モリノン)と対戦する。この試合はクラブW杯で延期された分の試合で、ミッドウイークにリーガの試合があるのはバルセロナだけです。
・スポルティング・ヒホン
今季から1部に昇格したスポルティング・ヒホンは、現在16位で1部残留に向けて戦っているチームである。26得点38失点と、どちらも順位に近い数字を記録している。
ヒホンを指揮しているアベラルド監督はバルサでも8シーズンプレー経験があり、バルサOBの監督の1人である。ヒホンでは基本システム4-4-2を採用しており、とてもコンパクトでハイプレスのサッカーを実践している。イメージ的にはビジャレアルの守り方に近い気もする。
昇格チームと言うこともあり、やはりチームは守備をベースとして作られている。最終ラインを高く設定し、最前線のFWが高い位置から相手DFにプレスをかけ、狭いスペースの中で人数をかけてボールを奪いに来る。片サイドによる守備も実践しており、特にゴールに直線的な中央を簡単に突破されないような守備が特徴的である。
チームとしてプレスと囲い込みが体に染みついており、下位の順位のチームだがプレスは素晴らしいものがある。ある程度ゾーンの守備で奇麗な3枚のラインを並べて、全員の守備意識も高く対戦相手にその中では余裕を簡単には与えない。バルサと言えどもビルドアップ含めてパス回しには苦労することが予想される。
攻撃ではそこまで何かを仕掛けてくるという特徴はない気がするが、攻撃では思い切って人数をかけて攻撃するチームである。両サイドのMFは高い位置を取り、SBもチャンスと見れば前の選手を追い越して裏のスペースに走り込んでくる。
チームの攻撃の決まり事としては、基本的にボールを奪えば逆サイドへの展開があるように思われる。長いパスで相手の裏のスペースを狙うことも多く、FW陣にポストプレーを入れてからサイドへの展開もある。バルサの高い守備ラインの裏も積極的なランニングで狙ってくるに違いない。
そしてこの試合ではヒホンにとってホームの試合ということも大きい。エル・モリノンに詰めかけるヒホンサポーターはとても熱狂的なサポーターが多く、1プレー1プレーに大きな声援でチームを鼓舞してくる。サポーターは12人目の選手とはよく言ったもので、ヒホンは試合開始から飛ばして全力でバルサに挑んでくるだろう。
・バルセロナ
お互いに延期分の試合という構図だが、バルセロナには首位の座を盤石に固める為に重要な試合となる。この試合に勝てばアトレティコとは6差、レアルとは7差になる。予想スタメンは、
GKブラボ
DFアウベス、ピケ、マスチェラーノ、アルバ
MFブスケツ、ラキティッチ、イニエスタ
FWメッシ、スアレス、ネイマール
欠場想定選手
ラフィーニャ(怪我)
ほぼローテーションを行わずに、ベストメンバーで挑むだろう。来週のCLのアーセナル戦を見据えて何人かローテーションする可能性もあるが、次のラス・パルマス戦で何人か休ませるだけで十分だろう。まずは目の前の試合で必勝を狙い、油断も隙も見せない鉄板メンバー11人と予想している。
この試合の注目ポイントは、メッシのキラーパスである。メッシのパスと言っても後ろに下げるパスではなく、相手の裏へのパスと逆サイドへのロングパスである。ヒホンの守備はコンパクトでバルサでも細かいパスワークで崩して中央を突破するには難しいものがある。
メッシが相手のゴールに対して半身の状態や前を向いた状態でボールを持てば、ヒホンの守備はメッシの突破を警戒して必ずバルサの右サイドに守備を固めてくる。逆に言えば逆サイドではネイマールがフリーもしくは1対1の状況であり、ネイマールにメッシの正確無比なロングパスを通すのは大きな狙いになる。
またヒホンの守備はゾーンで守りながら綺麗な守備陣形で守るが、こういう守備こそ2列目からの飛び出しにはマークが遅れる傾向が強い。SBの飛び出しにはある程度マークは付けるだろうが、バルサの中盤のセントラルの選手のフリーランニングには恐らくついていけない。
2列目からの飛び出しとサイドチェンジでチャンスを作り、後は前からのプレスで高い位置でボールを奪ってショートカウンターで先制点を奪うのがバルサの狙いになる。パス回しやドリブルや連携などで崩すのは、ヒホンの守備の場合は前半と後半のある程度の時間までは難しそうである。
ヒホンも後半終盤には疲れるのでそこまで最低同点、出来ればリードを奪って迎えて最後に完全に突き放すというゲームプランで良いだろう。ヒホンは現在16位だが、7位や8位のチーム並にタフな試合になることが予想される。
守備では裏への飛び出しに警戒して前線の選手に攻撃の起点を作らせないことはもちろん、出来れば中盤の位置のプレスでヒホンの攻撃をひっかけたい。中盤の競り合いや激しいコンタクトが多くなる試合になる可能性が高く、それでもバルサの中盤なら上回って守れると信じている。
ヒホンを自分達のゴール前に近づけさせない為にも、ハイプレスと素早い攻守の切り替えで、ヒホンの長いパスをアバウトなパスにしたい。守備ではバルサに心配な点は少ないだろう。
バルセロナの注目選手
・MFラキティッチ
ここ数試合で出場時間を削られてある程度体は休まっただろう。2列目からの飛び出しと言えばセルタ戦でもゴールを見せたこの男で、ネイマールやイニエスタなどの左サイドでボールを持った時に積極的な飛び出しに期待。ミドルシュートも生きる可能性もあり、2試合連続ラキティッチのゴールはあるかもしれない。
・FWメッシ
セルタ戦では試合時間が過ぎるほど体の切れが良くなり、ここから調子を上げてバルサを勝利に導いてくれるだろう。止まっていてはヒホンのプレスに引っかかるので、動きながらボールを受けてワンツーやドリブルで良い体勢を作って、ラストパスに期待したい。スアレスへの裏へのパスでも良いので、メッシのアシストに期待したい。
スポルティング・ヒホンの注目選手
・MFハリロビッチ(19歳/クロアチア/推定移籍金1600万ユーロ)
まだバルサに所属しており今季はレンタルでヒホンに移籍している期待度の高いカンテラ選手。最近はスタメンでの出場が減少している感じはするが、テクニックやドリブルに圧倒的なキレを見せ、スピードある突進力は世界でもトップクラスに入る。今季はヒホンで多くの試合に出場し成長中。
・FWサナブリア(19歳/パラグアイ/推定移籍金800万ユーロ)
17歳でパラグアイ代表デビューを飾り、現ローマ所属でヒホンにレンタルに出されている選手。バルサカンテラからローマに引き抜かれた選手であり、今季はヒホンで大活躍を見せている。チーム得点王(10得点)を記録し、しかも15試合での記録に驚きである。現在は怪我?なのか分からないが試合に出てくるかは不明。
この試合は延期分の試合であり、この試合が終わると消化試合が同じになり本当の現状のリーガの順位表が現れる。ここで敗戦してレアルと勝ち点4差で終わるのか、勝利して7差で終わるのかには相手にダメージを与える量が変わり、7差なら白組の諦める姿勢はもうすぐ目の前である。4月のカンプノウクラシコにバルサがリードした状況で迎え、そこで勝利して完全に白組を終戦にさせる為にも、この延期分の試合で勝利することはこの後のリーグ戦を楽にするに違いない。ある意味この2月で1番重要なリーグ戦と言えるかもしれない。
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