15/16リーガ第20節 1/17 バルセロナVSA・ビルバオ 試合前の注目ポイント
リーガ第20節(日本時間1/17日曜日の28時30分キックオフ)で、アスレティック・ビルバオ(カンプノウ)と対戦する。
・アスレティック・ビルバオ
ビルバオは現在8位でEL圏内を争っているチームである。エルネスト・バルベルデ監督に率いられたビルバオはかつてのプレスや球際で強く、攻撃ではクロスボールから脅威を感じさせるチームとなっている。
今季ではビルバオとは4度目(スーペル・コパで2試合、リーガで1試合)の対戦となるが、これまでの3試合でビルバオのプレスをバルセロナが打開出来ていた印象は受けない。それほど強力なチームで、コンパクトなプレスと前からの圧力はリーガでも屈指のチームと言える。
システムは4-2-3-1で、攻守両方ともコンパクトなサッカーを心掛けている。守備では最終ラインを高く設定し中盤との距離を縮め、中盤の真ん中の2人との距離が近く中央を突破するのはとても難しい守備組織がある。前からの圧力ではボールを奪えると思えば前の4人が追い回し、囲い込みに全速力で詰めてくるほどボールに対する執着心があるチームである。
ビルバオの中盤の守備のギャップを通すには相当速いパススピードが求められ、ビルバオの選手のハードワークもありバルセロナは得点を奪うのに苦労するだろう。中央寄りの守備組織であり、最近ではエスパニョールに近い守備組織と考えて間違いない。
攻撃では前線のアドゥリスの得点力は高いものがあり、PA内でこの選手にクロスボールやパスを供給するのがビルバオの攻撃の1つの狙いである。その為にサイドで仕掛けられる選手がおり、スピードもあり飛び出しやPA内へも頻繁に侵入してくる。
高いプレスでボールを奪い素早く攻めるのが第1の攻撃であるが、パスを回させてもレベルの高いチームである。中盤のベニャやスサエタなどテクニックがある選手がおり、パスを回しながらSBのオーバーラップを待ってサイドを崩す攻撃も可能である。
最後のフィニッシュへのパスはサイドからのパスやクロスが多く、サイドから攻撃を仕掛けてくるチームであるが、選手1人1人の能力も高く全て防ぐのは難しい。困ったら早い段階でクロスボールも考えられ、あれを止めてもこっちで攻撃可能なチームである。
後はベニャのプレースキックには要注意であり、遠めの距離のFKからでも積極的にゴール前に高く長いボールを蹴り込んでくる。バルサの高さの面での弱さもあり、この試合でも確実に相手陣地ぐらいの位置ならゴール前に蹴り込んでくるだろう。
・バルセロナ
国王杯の準々決勝でも戦うことがつい数日前にも決定し、ここから約10日間で3度の対戦をすることになる相手である。その3戦の内の初戦となるこのリーグ戦だが、ルイス・エンリケはほぼベストメンバーで挑んでくるだろう。予想スタメンは、
GKブラボ
DFアウベス、ピケ、マスチェラーノ、アルバ
MFブスケッツ、アルダ、イニエスタ
FWメッシー、スアレス、ネイマール
欠場想定選手
マテューとラフィーニャ(怪我)
ほぼいつもの鉄板メンバーだが、1つだけ変更点はラキティッチに代えてアルダを投入した。アルダの方がサイドでのプレーを得意とし、また攻撃する時にアルダの方がボールポゼッションに長けているからである。ラキティッチは地味に出場時間が長いので、そろそろ休む意味合いも込めてこの試合ではベンチスタートと予想した。この試合では鉄板メンバーの11人がほぼスタメンに名を連ねることは間違いなさそうである。
この試合の注目ポイントは、バルセロナが攻撃時に逆サイドの大外の選手を使えるかである。ビルバオのプレスやコンパクトな守備をバルセロナがパスをつないで動いて破れれば問題ないが、中央の攻撃に偏ったらまず難しいだろう。
ビルバオの守備を広げる意味も込めて、SBやCHの選手がウイングのメッシやネイマールより外のポジションでボールを受ける必要が出てくるだろう。止まって受けるのは難しいので、もちろんフリーランニングをしてである。
ビルバオは確かにコンパクトな守備だがボール保持の逆サイドのMFの選手は自分の裏への配慮の意識が低く、またコンパクトな守備陣形を維持する為に中央に絞るのがチームの決まりである。バックラインまで下がって守備をするのに反応が1歩や2歩遅れる癖があるので、バルサのSBのアウベスやアルバの逆サイドでの裏への飛び出しはとても有効な攻撃になるだろう。
中盤にアルダ起用もサイドに流れてプレーする癖も考慮して、なおかつボールを失わないのでサイドで攻撃の起点になれる可能性が高いのかなと考えられる。中央の攻撃に偏ると危険で、サイドや逆サイドを使う攻撃を意識して攻撃はしなければいけないだろう。
ビルバオが高い位置からプレスをかけてくるかもしれないが、それでもバルサのCBラインではボールキープにそこまで苦労しないだろうと予想している。ビルバオの守備もボールの奪い所をバルサのSB、DH、CHなどのパスの出されたところで激しくチェックを行う感じと予想しているので、ボール保持自体は大きく苦労することはないだろう。
守備ではビルバオの速攻が何よりも要注意で、バルサの悪いボールロストからのビルバオの攻撃は止めることは難しいだろう。悪いボールロストは注意して少なくするとして、スピードある選手がビルバオにはいるのでやはりサイドの選手の攻撃には要注意である。
サイドでは積極的に仕掛けてくるのは間違いなく、バルサは中盤の選手が挟み込みで自陣のサイドで1対1の状況を多く作らせてはいけない。基本的にはバルサの守備はプレスと囲い込みが生命線なので、まずはこれで最終ラインまで守備を多く回させないことが求められる。
ビルバオのロングボールやハイボールに対して競り合いの勝負も何度もあるだろうが、ピケ中心に何度もはね返すことが求められる。ここはビルバオ戦ということでバルサの選手も気合が入っているだろうし、ここ最近の集中した守備をしてくれればピンチは少ないものになるだろう。
守備は集中力と運動量とチームへの献身性が求められるもので、ビルバオが相手でよりバルサの守備陣が鋭さを増して守ってくれることを期待したい。最近のバルサなら心配ないらないだろう。ビルバオにベニャという良いプレースキッカーがいるので、いらないファールだけには最大の注意を。
バルセロナの注目選手
・MFブスケツ
ハイボールの競り合いやフィジカル的な要素も含めて、ブスケツの存在はDFの前で重要になる。セカンドボールへの反応や中央を締める意味でも、中盤のブスケツの守備には期待がかかる。攻撃ではビルバオのプレスから前の選手との中継役となり、ボールロストをなくしてしっかりパスをつないでいかなければいけない。困ったらバックラインに入ってビルドアップを助けるなど、臨機応変なポジション取りが求められる。
・MFイニエスタ
ブスケツと2人で1週間近く試合から遠ざかり、コンディション調整はバッチリと期待したい。休養明けでリフレッシュされたイニエスタが個人で打開することにも期待が持て、前線のMSNだけでなくイニエスタもアンタッチャブルな存在であってほしい。バルサの攻撃ではイニエスタの存在は欠かせないので、困ったら下がり目のポジションで多くボールに関与してほしい。
アスレティック・ビルバオの注目選手
・DFラポルト(21歳/フランス/推定移籍金4500万ユーロ)
バルセロナの獲得の噂もあり、今夏には本当に獲得する選手の1人かもしれない。CBの補強リストの上位に位置することは確かであり、ビルバオとの対戦でしっかりチェックしておきたい選手の1人。恵まれた体格でパワーに優れており、足元やパス出しもとても上手い。対人やスピードという所ではまだ若く不安はあるが、それを含めて要チェックの選手である。
・MFウィリアムズ(21歳/スペイン/推定移籍金2500万ユーロ)
ビルバオの数多くの良い選手の中でも若く、今期に大きく飛躍した選手。リーガではチーム内2番目の6得点を記録し、186cmと恵まれた体格を持つウイングの選手。スピードが持ち味であるが、ドリブルの突破や飛び出しでもそのスピードを活かせる選手。まだ粗削りなプレーが多く現段階ではスペイン代表に入ることは考えにくいが、数年後にはスケールの大きさを感じるプレーが自分のものになっていれば、代表でも活躍できる可能性がある選手。スペインの若手の有望株の1人で間違いない。
1試合だけ間に入るとはいえほぼビルバオの3連戦となるここからの約2週間、まずこのリーガの初戦でビルバオにシーズン序盤とは違うバルセロナの姿を見してほしい所である。ここからリーガの折り返しで本当の後半戦となり、また厳しい相手との戦いが続くが、カンプノウでの試合も多くしっかり勝っていきたい試合である。そのリーガの後半戦のスタートとなる試合であり、まずは勝ち点3獲得が最大の目標である。
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今回アドゥリス出場停止だと思います。