15/16国王杯決勝 5/22 バルセロナVSセビージャ 試合前の注目ポイント

国王杯決勝(日本時間5/22日曜日の28時30分キックオフ)で、セビージャ(ビセンテ・カルデロン)と対戦する。WOWOWの放送は28時開始といつもより早めの時間帯になっています。

・セビージャ

セビージャは水曜日にEL決勝戦でリヴァプールを制して、中3日でこの国王杯決勝となるバルサ戦を迎える。中3日なので疲れもそこまで残らず、逆転での勝利でチームの勢いは上向きと考えて良いだろう。

ウナイ・エメリ監督率いるセビージャは4-2-3-1を基本システムとし、主にバルサ戦では2つの守り方を実践してくる。まず1つ目が90分の間で長い時間戦う戦術で、最終ラインを少し高めにして中盤でバルセロナの攻撃を待ち構える守備である。ある程度バルセロナにボールの主導権を渡してバルサの縦パスや中盤に入れたボールを奪いに来る守備で、この戦い方は0対0のスコアレスドローや早い時間で失点してもまだ残り時間がある時に行われるだろう。

2つ目がセビージャの強さを表す守り方で、前線からプレスをかけてバルサからボールを完全に奪いに来る守備が厄介である。セビージャのプレスの強さはリーガでも屈指で、セビージャが攻撃だけでなく守備でも攻撃性を出したときはバルサでもコントロールするのは難しいだろう。高い位置でボールを奪って一気に自分達の速攻につなげ得点を奪う爆発力があるチームで、今シーズンのリーガの前半戦のサンチェス・ピスファンではセビージャの良い時間帯に2得点を奪われてバルサは負けた。

守備では上記の1つ目を60~70分、2つ目を20~30分ぐらいで考えてバルサ戦に挑んでくるだろう。自分達の良い時間を15~20分ぐらいは作るつもりで、後はバルサの攻撃を耐えながら速攻で数少ないシュートチャンスを活かそうとした戦い方を実践してくるだろう。

攻撃は速攻を中心にサイドをえぐる攻撃がほとんどで、サイドからのアーリークロスや折り返しのボールをゴール前に入り込んだ選手がゴールをするというのがセビージャのフィニッシュパターンとなっている。

ここにトップ下にイボーラが起用されると攻撃パターンが少し増える。サイドを崩す前にクロスやイボーラにポストプレーさせるボールを蹴る攻撃も多くなり、よりゴールに向かった攻撃が増えてくる。どっちのセビージャが良いと言うのは難しいが、バルサはこのサイズのあるイボーラに手を焼いているという印象は受ける。

セビージャはこのバルサ戦に勝利すれば今週で2つのタイトル獲得となり、リーグ戦では7位と不覚を取ったが来季のCL出場権もしっかり確保できたので成功のシーズンになるだろう。例えバルサの前に負けたとしてもEL3連覇という偉業を成し遂げており、このバルサ戦に思い切って挑んでくることになればバルサはより難しい試合にはなるだろう。

 

・バルセロナ

リーグ優勝を果たしてから1週間、しっかり準備できるバルセロナは怪我人も復帰して全選手起用できる状態になり、ルイス・エンリケは全選手を招集してこの国王杯決勝戦に挑む。予想スタメンは、

GKシュテーゲン

DFアウベス、ピケ、マスチェラーノ、アルバ

MFブスケツ、ラキティッチ、イニエスタ

FWメッシ、スアレス、ネイマール

欠場想定選手なし

カップ戦なのでGKはシュテーゲンが守り、それ以外は鉄板メンバーの10人で間違いないだろう。今考えると昨シーズン終盤からメンバーの変更はないが、今シーズン最後の公式戦で勝てば国王杯のタイトルを獲得出来るだけにバルセロナ側もベストメンバーを送り出してくるだろう。

この試合の注目ポイントは、バルサは前半から飛ばして試合に入り前半で得点を奪えるかである。普通の決勝戦ではお互いに慎重な立ち上がりから得点差が離れない試合が多く、いつも以上に1失点の重みを感じて少し守備を意識した戦い方を見せるチームもしばしばある。

ウナイ・エメリ監督は慎重な監督であるためにバルサ戦に守備的に入ってくることが多い。試合の途中で仕掛けたり自分達の時間になりそうと感じたら一気に攻める監督であり、逆に言えば前半開始直後のセビージャはおとなしい可能性が高い。

そこでバルサは一気にボールを回してギアを上げてセビージャを押し込んで攻め込み、サイドをえぐって得点をいつも以上に積極的に狙うのがとても有効になるだろう。開始5分ぐらいはセビージャの出方を見ながらボールを触って落ち着き、10分ぐらいからは自分達のギアを上げて攻撃に出ても良いだろう。

セビージャは後半にギアを上げて自分達の時間を作れる可能性が高いだけに、スコアレスドローで後半に入るとバルサは怖いことにはなりそうだ。EL決勝も後半に大きく巻き返しての逆転勝利であり、セビージャは後半にも強いチームとも言えるかもしれない。

そんなセビージャにバルサは常に先行する形で試合を進める為にも、前半から得点を意識した縦パスだったりSBの攻撃参加で攻め込んで得点を奪うのが理想の展開になる。セビージャの両ウイングの選手を下げさせることでセビージャの素早い速攻を防ぐ為にも、バルサのSBが攻撃的に出ていくのは1つの手になる。

バルサの最近の攻撃は裏へのランニングも多かったり中盤の選手も動いてパスを貰ったりと文句なしなので、自分達が攻撃を仕掛けてセビージャの守備ラインを下がってもシュートチャンスまで持っていけるだろう。ここにきてのMSNの好調ぶりもあり、週1試合になったことで心身ともにリフレッシュして試合に挑めてバルサの強さは際立ってきている。

守備ではセビージャの前のガメイロやイボーラを止めるのは当然のごとく、やはりこの試合でも前線含めたプレッシングは重要になる。セビージャにパスを回させずに高い位置と素早くボールを奪い返すことで自分達の攻撃の時間が増え、ハーフコートマッチにできればバルサの勝利はもう目の前になるだろう。

セビージャの攻撃が出て変にオープンな試合になったり攻守の入れ替えが速い試合になればバルサは少し不利で、守備ではセビージャの攻撃を出させないことと少しでも自分達のゴールから遠ざけた所で守備をすることが目標になる。

セビージャが相手ということで球際が激しくなる試合は当然になるだろうが、バルサの選手も集中して試合に入っていれば負けることはないだろう。ルイス・エンリケ監督になってこういうビッグマッチで期待をほぼ裏切らないバルサの選手たちなので、この試合でもきっちり試合に入って勝利してくれるだろう。

 

バルセロナの注目選手

・MFブスケツ

対峙するであろうイボーラを止めるだけでなく、守備ではセビージャに速攻を発動させないためにもチームのプレッシングの中心として中央でセビージャの攻撃を止めてほしい。セビージャを自陣に閉じ込め、ガメイロをCBと3人で見ながら守備では余裕の対応が出来るバルサ有利な試合に進めて欲しい。

・FWメッシ

最近ではスアレスに主役を奪われている感は否めないが、決勝戦でのメッシの決定力の高さや頼れる感は半端ない。メッシがゴールを決めるとバルサは決勝戦で負けなしというデータもあり、「メッシのゴール=バルサの勝利」という記録を継続してほしい。今シーズン最後の試合でメッシはやはり凄すぎたと思える試合をしてくれそうという期待感は高い。

 

セビージャの注目選手

・MFイボーラ(28歳/スペイン/推定移籍金1400万ユーロ)

ユーロ2016のスペイン代表には名前は一切挙がっていなかったが、スペイン代表の攻撃に高さや強さという意味でアクセントをつける意味では、イボーラ選出は面白いものになっていたかもしれない。それほど今シーズン活躍している選手で、セビージャではリーグ戦においてチーム得点ランク2位(7得点)に位置した高い得点能力もある。足元も結構ある選手で懐の深いトラップや胸トラップからセビージャの攻撃にアクセントを付けれる選手である。

・FWガメイロ(29歳/フランス/推定移籍金2800万ユーロ)

バルサの来季のMSNの補欠候補にも名前が挙がるほどで、その得点能力やスピードやゴール前への侵入は対戦相手の守備に脅威を与える。EL決勝でも同点ゴールを決めており、リーグ戦では16得点だがジョレンテと出場時間を分けずに多くの時間に出場していたらもっと得点は増えていただろう。今シーズンのセビージャで最も活躍している選手とも言えるほどで、その調子の良さでバルサのゴールを何度も襲ってくるだろう。

 

この国王杯決勝戦がバルサの今シーズン最後の公式戦となり、長かった15/16シーズンも終わりとなる。最後は勝って国王杯のタイトルを獲得し、2冠王者として気持ちよくシーズンを締めくくりたいものだ。セビージャが対戦相手であり簡単な試合にはならないだろうが、シャビがコメントしていたようにバルサに優位性があるのは間違いない。そんな優勝候補に挙げられても数多くのタイトルを獲得してきたバルサの選手達は必ずやってくれると信じ、後バルサファンが出来るのは応援するだけだ。そして勝って最後に“カンピオーネ!”の大合唱( `ー´)ノ

 
 

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