15/16CLラウンド16 1st 2/23 アーセナルVSバルセロナ 試合前の注目ポイント
チャンピオンズリーグラウンド16の1stレグ(日本時間2/23火曜日の28時45分キックオフ)で、アーセナル(エミレーツ・スタジアム)と対戦する。
・アーセナル
アーセナルは国内では現在3位に位置してFA杯では生き残り、今シーズンは国内で大きなことを成し遂げられそうなシーズンである。長年に渡りアーセン・ヴェンゲル監督が指揮しており、アーセナルのサッカーと言えばバルサと同様なパスサッカーと言って間違いない。
今シーズンは4-2-3-1が基本システムで、バルセロナ戦での予想メンバーは
GKチェフ
DFベジェリン、メルテザッカー、コシールニー、モンレアル
MFコクラン、ラムジー、チェンバレン、エジル、アレクシス・サンチェス
FWジルー
アーセナルのサッカーと言えば今までパスサッカーだったが、今シーズンからは速攻気味の攻撃も積極的に取り入れている。特に攻撃面では両サイドの攻撃的な選手にボールを渡して一気に前への推進力を高め、手数少なく相手の陣地深くまで攻撃する一面も見せている。
ある種近年のバルセロナのようで、今までのパスサッカーだけでなく引いて守って速攻という、俗に言われる“現実的なサッカー”の戦いも取り入れている。そのせいかボール支配率がなくても今までのアーセナルよりあたふたしたり後手に回らなくなっている。
恐らくこのバルセロナ戦ではボール支配率は負けても速攻で得点を狙いに来るだろう。ある程度引いた戦いを見せてくるに違いない。パス回しやボール支配でこれまでの経験からバルサに勝利するのは難しく、真っ向勝負で向かえば前線のMSNにバックラインを破られて失点すると思っているだろう。
その為チーム全体で守備ブロックを作り、ボールを奪ったら両サイドのスピードある選手の突破が最大の狙いになる。ジルーを絡めたポストプレーとエジルのパスもありながら、時間をかけずにバルサ陣地に侵入する戦いを見せてくる可能性が高い。
また今シーズンのアーセナルはサイドからのクロスもシンプルに入れることも多く、ジルーめがけてクロスを上げて得点も狙ってくる。ジルーがポストプレーヤーとして良い働きを見せており、ここで攻撃の起点を作る可能性もある。
バルセロナにアウェイゴールを奪われたくないという感情も働き、MSNにスペースを与えない為にも守備から考える1stレグになる。プレミアやCLでも引いた戦いはなかなか実績が出ているらしく、アーセナルというより昔のチェルシーのような戦いでバルサから無失点での勝利を狙ってくる。
守備ではチーム全体で片サイドの寄る守備も見せ、プレミアのチームにしてはコンパクトな守りをしてくる。最終ライン対MSNという構図になると不利になる分、中盤の底の2人がしっかりカバーリングと中央を締めてくるはずだ。
プレミアでは結構高い位置でもプレスをかけることもあり高い位置からプレスをかけてくると予想することも出来るが、そこまでのリスクを負わずにハーフライン付近からのプレスになると予想している。1対1でやるとバルサより劣る箇所が多く、その為周りの選手がカバーリングを意識して人数をかけて守って来るだろう。
・バルセロナ
バルサからしたらホームゲームとなる2ndレグへつなげる結果を持ち帰りたい試合となる。CLの決勝トーナメントということもあって現状のベストメンバーをスタメンで起用してくるだろう。予想スタメンは、
GKシュテーゲン
DFアウベス、ピケ、マスチェラーノ、アルバ
MFブスケツ、ラキティッチ、イニエスタ
FWメッシ、スアレス、ネイマール
欠場想定選手
アルダ(累積)、バルトラとドウグラスとサンドロ(判断)、ラフィーニャ(怪我)
もうお決まりのフィールドプレーヤー10人といった感じで、バルサのスタメンはこの11人で間違いない。
この試合の注目ポイントは、ボールを支配してMSNにどれだけ良い体勢でボールを供給できるかである。アーセナルが引いて守ってくると予想出来る分、バルサの攻撃のスペースは多くないだろう。しかし、アーセナルが前線からのプレスを無くせばバルサがボールを支配するには難しくない。
まずはCBとブスケツの3人でしっかりボールを回し、悪いボールロストを避けることが1番である。アーセナルの速攻というサッカーに対してバルサはボール支配という真っ向勝負で良いだろう。これにはアーセナルの守備力も関係しており、アーセナルは決して守備が固いチームではない。
今シーズンは引いて速攻の形がはまって勝利出来る試合もあったのだろうが、バルセロナのボールキープとプレスも相当なハイレベルである。恐らく世界で最も質とレベルの高いチームであり、アーセナルの守備をパス回しで崩せると予想している。
アーセナルのボールへの寄せもビルバオなどのリーガのプレスの強いチームに比べれば弱いものがあり、集中力の高いバルサなら攻略して攻撃できるだろう。中2日の連戦による疲れが心配なバルサファンは多いだろうが、メンタル面の集中力とモチベーションアップで高いパフォーマンスの試合をしてくれると楽観視しても良いだろう。エンリケバルサは大事な試合でほぼ必ずやってくれるので。
後はパスを回せればMSNに供給するだけで、正直1対1ならバルサのMSNなら突破は難しくないだろう。アーセナルの最大の弱点はバックラインの個人の守備力が低いことであり、MSNという個と比べたら完全に劣勢である。特にプレミア経験者のスアレスはアーセナルとの試合にも慣れていると予想出来、期待は大きい。
スアレスという最前線の中央にボールを供給出来たらバルサのゴールはもう目の前で、連携や個の力でゴールを間違いなく奪ってくれるだろう。バルサが最も恐れるのは前線と後方の7人が分離されることであり、アーセナルが相当積極的な試合をしない限りこういう状況には陥らないだろう。
守備ではアーセナルには警戒すべき選手が多すぎて困るが、意外にジルーのポストプレーが重要かなとも思える。ジルーの位置でバルサがボールを簡単に奪えればアーセナルの攻撃はほぼブロックの外となり、バルサを焦らせるシーンは少なくなりそうである。
基本はアーセナルの速攻に警戒だが、特別バルサが対策を取る必要はないだろう。今まで通りリスクマネージメントをして攻撃して、高い位置からのプレスと囲い込みでボールをひっかけ、何度も攻撃をして守備の時間を短くするのが最高の守備になる。
後は意外にアーセナルのセットプレーの高さには警戒かもしれない。バルサの選手が背が高くないのはあるが、アーセナルにはメルテザッカーやコシールニーやジルーのようにターゲットマンになる選手がおり、バルサの対応が下手なボールを動かしてゴール前に蹴ってくるかもしれない。これが1番恐い可能性もある。
ここまで書いてきてバルサが負ける要因はほとんどないと思うが、簡単に勝利出来る相手でもない。この1stレグではアウェイゴールをしっかりと2点ぐらい奪い、最悪引き分けでカンプノウへ折り返してもバルサには勝ち上がりの可能性が高いスコアとなる。そこまで無理をせずにバルサ側も慎重に試合を進め、チャンスでMSNが効率性を出してアーセナルを仕留めるというのが、バルサから見たら1番安定した戦いになるだろう。
バルセロナの注目選手
・DFピケ
ジルーを抑えるにはピケのラインコントロールと高さが必要で、バルサの最終ラインで最も頼りになって期待のかかる選手。スライディングで守る守備をさせないほど高い位置でボールを奪い返す為にも、ピケのジルー封じは重要になる。
・MFブスケツ
中盤の攻守でキーマンとなり、恐らくマークするであろうエジル封じにも期待がかかる。攻撃ではいとも簡単そうにボールを周りに散らし、シンプルかつ上手いプレーに期待。守備では中盤のスイーパーのようにアーセナルが攻撃するボールを止める必要があり、幅広いゾーンをカバーしながらもハイレベルのプレーに期待。
・FWスアレス
どこのリーグでもどこが相手でも得点を取れる選手であるが、プレミアの相手では実績もありより期待がかかる選手。昨シーズンはアウェイ時のシティ戦で2ゴールを記録し、バルサのCLベスト8進出に大きく貢献していた。アーセナルの両CBとも対峙経験があり、スアレスなら個での攻略もしてくれるはず。現在好調中であり、ゴールに絡むプレーをしてくれることに期待。
アーセナルの注目選手
・GKチェフ(33歳/チェコ/推定移籍金800万ユーロ)
メッシはまだチェフからゴールを奪ったことがないなど、チェルシー時代に何度もバルサの前に立ちはだかった1流GKの選手。アーセナルでもハイレベルのプレーを継続しており、チェフが変に当らない日を願う。
・MFエジル(27歳/ドイツ/推定移籍金3000万ユーロ)
バルサの獲得の噂も出ており、アンリ氏がアーセナルの攻撃のキーマンと挙げる選手。元白組の選手であるがバルサファンは結構有名で、今夏にバルサの周りを騒がせるかもしれない。このバルサ戦での出来がバルサから正式なオファーが届くかの重要にはなりそうな感じはする。
・FWアレクシス・サンチェス(27歳/チリ/4000万ユーロ)
元バルサの選手で惜しまれながら移籍していった選手。現在はアーセナルで攻撃の中心的な役割を担っており、そのボールキープはとても厄介である。バルサから見たら対峙するのがアウベスとなり、1対1の状況で最も心配な部分でもある。サンチェスもバルサ戦ということで結構燃えてそうな気もする。
180分の内の90分の戦いであり、恐らくこの1stレグのスコアで勝ち上がりを決める決定的なスコアまではどっちも持っていけないだろう。バルサはアウェイゴールを決めて引き分け以上ならOKであり、勝利出来れば尚良いという状況である。楽観視し過ぎてはいけないが、バルサが負けるとも思えない試合でもある。最後まで油断せず、アーセナルに力の差を見せたい試合となる。
タグ:アーセナル, チャンピオンズリーグ, 試合前
2010/2011シーズンのノックアウトラウンドでアーセナルと対戦しロンドンでは負けました。
この時のアーセナルの中心選手はセスク・ウイルシャ・ナスリ・ファンペルシ・ウオルコットでした。
あの時はナスリとウイルシャの個人技で突破され 特にナスリにやられたという印象があります。
で今の主力はエジル・ウオルコット・ウイルシャ・ジルー・サンチェスです。
ナスリは在籍してないしウイルシャはケガで出れませんが 中々強力な面子に思います。
特にジルーみたいなターゲットマンはリーガにはほとんどいないので厄介です。見ていると五分のハイボールは大体勝ってる感じです。
ベンゲル好みの快速ウイングは抑えられそうですが、ジルーは厄介。
あれに勝てるのはピケだけとマンマークする訳にはいかないのでミスマッチが怖い。ドキドキですね。
2-1とか3-2とか僅差での勝利の気がしますが、最低限アウェイゴール奪ってイーブンで帰ってきてもらいたいものです。
ユーベーバイエルン然り 超ビックマッチが続きます。明日は休んで観戦する事にしました。
ケンジさん・皆さんも楽しんでください。