16/17スーペルコパ1st 8/14 セビージャVSバルセロナ 試合前の注目ポイント

スーペル・コパのファーストレグ(日本時間8/14日曜日の29時キックオフ)で、セビージャ(サンチェス・ピスファン)と対戦する。

セビージャ

・チーム状況

昨シーズンまでEL3連覇を達成したウナイ・エメリ監督は退陣し、現在はコパ・アメリカでチリ代表を優勝に導いた経験があるホルヘ・サンパオリ監督が指揮している。今シーズンから指揮していることとサンパオリ監督が前監督と違うサッカーを展開しているということもあり、現在のセビージャはまだまだ未完成なチーム状況となっている。

このバルサ戦の前には欧州スーパーカップでレアル・マドリードと戦い延長戦の末負けてしまったが、後半終盤までリードしており選手のコンディションも良さそうなので、簡単に勝てないチームという状況は変わっていない。今夏は主力選手がそこまでチームを離れていないことと、選手層を厚くする補強は成功しているので昨期に比べて戦力は落ちていないというより、上がっている可能性もある。清武弘嗣がハノーファーから加入していることは、日本人にとっては大きな注目点となっている。

 

・システムや戦い方

システムの完璧な判別は難しいが守備の形から一応4-4-2ということに。守備時と攻撃時に選手の配置が全く変わるチームなのでまずは守備のお話から。守備時は4-2-3-1や4-4-2と言える形で前線からマークを受け渡しながらコースを切ってプレスをかけてくる。今までのセビージャはボールを奪ってカウンターというのが1つの狙いだったが、今のセビージャは対戦相手からボールを奪い返してマイボールにする意味合いが強い守備を実践してくる。自陣の深い位置では4枚と4枚の8人でしっかり守備ブロックを作って守るのは普通のチームと同じで、前線からのプレスがサンパオリセビージャの特徴的な守備となっている。

今のセビージャは自分達がボールを保持するのがチームの1つの目標であり、素早い攻撃を仕掛けるというよりはしっかりボールをつないでビルドアップして攻撃するチームに変わっている。変な話バルサにとても近いサッカーを実践しており、この試合はとても激しく技巧的なシーンが多くなる試合になりそうだ。

攻撃ではバルサ同様ビルドアップが生命線で、選手の広がり方がとても特徴的となっている。言葉だけでは難しいのでまずは図で。

20160814 セビージャ

最後尾はCB2枚の間にCHの選手が下りてきて3バックの形でパスを回し、SBはサイドラインギリギリで高い位置を取る。残りの中盤の3枚と2トップの一角となるST(セカンドトップ)の選手が中盤でボールを貰おうとし、中盤でのパスコースをとても多く作り対戦相手に中盤に人数を割く守備を敷いてくるビルドアップが特徴的である。

この中盤で受けれる選手を多くしたセビージャの最大の狙いは、対戦相手のSBの背後のスペースを狙うことにある。守っているSBの選手がセビージャのSBをマークすると、SHやSTが積極的にその背後のスペースへフリーランニングをしてくる。普通に考えればセビージャは1トップを除けいて9人でパスを回しているので対戦相手は最後尾の選手が中盤に引き出されるパターンが多く、そのスペースを狙うのがセビージャの最大の狙いとなっている。

普通のチームが中央のCBが前に出て守備をしないことも計算しており、あえてCFに入る選手がそこまで動かずに中央にドンと位置することで2人を前に出させず中央で守らせ、SBを前に釣り出すのを助けている。SBが前に釣り出さなければパスをつないで攻め込むことで釣り出すのを狙い、ほぼ最後はSBの裏のスペースを狙ったサイド攻撃を仕掛けてくる。

この戦い方は欧州スーパーカップのレアル戦でしか確認していないが、レアルとバルサはシステムが似ているしサンパオリ監督は対戦相手によって戦い方を変えない攻撃的なサッカーを実践する監督ということもあり、ビルドアップの選手の広がり方など細かい所で違いはあるかもしれないがこれがセビージャの狙いで間違いないだろう。

 

・バルセロナ戦での狙い

セビージャのこの試合での狙いは基本的に上記に書いており、まずは自分達がボールを保持することを最大の狙いとしてくるだろう。その為に守備ではハイプレスでボールを奪い返そうとし、得点を取る為にバルサのSBの裏を狙ってサイド攻撃で得点を取りにくるだろう。

スーペル・コパの1stレグとホームでの試合だからと言って、慎重に戦ったりアウェイゴールを気にして保守的に戦うことはまずないだろう。恐らく2試合ともバルサに勝つことを現状では考え、2ndレグはこの1stレグのスコアからゲームプランを少し変えてくるぐらいになるだろう。まずは1得点でもいいからバルサより多くゴールを奪うという勝利を狙ってくるのは間違いない。

 

・セビージャの注目選手

22番、フランコ・バスケス(27歳/OMF/イタリア/推定移籍金2000万ユーロ)

今夏にパレルモから加入した選手で、とても技巧的な選手である。スピードがあるわけではないがその左足のボールタッチやキックはとても精度が高い。足元にボールが入ると簡単にボールを奪えず、変にボールを奪いに行くとあっさりかわす力もある。レアル戦ではゴールも決めており、今シーズンのセビージャの前線で“何か持っている”選手な気がする。セビージャでは2トップの1角となるSTの位置に入り、とても警戒が必要な選手になりそうだ。清武はレアル戦で延長含めてフル出場して、プレシーズンでは怪我をしてコンディション的にこの試合はスタメンではないと思っているので注目選手にはしていません。

 

バルセロナ

・予想スタメン

最近作っている図のサイトがバージョンアップ中で安定していないので、今回は昨期と同じ表示方法で<(_ _)>

GKブラボ

DFセルジ・ロベルト、ピケ、マスチェラーノ、ディニュ

MFブスケツ、ラキティッチ、イニエスタ

FWメッシ、スアレス、アルダ

欠場想定選手

シュテーゲン(怪我)、ラフィーニャとネイマール(代表招集中)、ドウグラス(戦力外)

システムはいつも通りの4-1-2-3で、この試合ではほぼほぼガンペル杯のスタメンと同じスタメンが並ぶと予想。GKはシュテーゲンが右ひざを怪我してしまったのでブラボで、CBコンビはやはりピケとマスチェラーノの鉄板コンビにすると予想。マスチェラーノのコンディションがまだ上がってきていないが、マテューよりは安心感がある。左SBではアルバをいきなりスタメン起用は冒険的過ぎるので、体調が回復して足に異常がないのなら途中から起用するのが最善策になりそう。中盤はなんだかんだ言って鉄板メンバーで、後は前線にアルダで間違いないと思う。ガンペル杯では良いパフォーマンスを見せて、ルイス・エンリケは良いパフォーマンスなら続けて起用することが結構多い。

 

・この試合での注目ポイント

この試合でバルサがすることは基本的に変わらない。しかしセビージャの戦い方が普段戦わない対戦相手なので、それに合わしてバルサも対策を取ることは求められるだろう。

まずはバルサも守備からで、基本的にはボールを奪われたら攻守の切り替えを早くして囲い込みとプレスでボールを奪いにいくのは変わらない。この試合でバルサの守備で最も注目したいのは前線からのプレスとなる。セビージャは上記にも書いたように3バックの形でパスを回すことから、この3人を抑えれば前線や中盤へのパスは極端に精度を無くす。GKのセルヒオ・リコもビルドアップではキックミスが多く、ここもボールを奪い返す狙い目となるだろう。まずバルサは3トップでセビージャの後ろの3人に激しくプレスをかけ、最終ラインと中盤の選手が連動して前に圧力をかけてプレスをかける。追い込みのコース切りやそのプレスのスピードが求められ、後ろの選手も連動して行えばバルサは高い位置でボールを奪い返して、速攻や1本のパスで決定機を作る出すことが出来るだろう。バルサなら十分に出来そうなミッションである。

守備である程度下がるとセビージャの中盤にフリーの選手を作ってズルズル下がるだけだと思うので、まずは前線からのプレスでバルサも応戦すべきだろう。それが無理なら4-5-1の形でしっかりと守備ブロックを作って、速攻を中心に考えたサッカーに切り替えても良いだろう。初めから保守的な下がる守備で入ると試合の主導権を渡す形となって厳しい気がする。

攻撃ではセビージャの前からのプレスをかわすことが求められるが、今のバルサのビルドアップならいくつも悪い形で奪われそうな気もする。これはコンディション的な部分が多く、バルサはまだまだ本調子のサッカーが出来ない状況で間違いない。対処方法は難しくバルサがパスサッカーを止めてロングボールを使うというのも簡単に出来ないので、メッシやスアレスやアルダという前線の選手が頑張ってボールキープしてくれることを願う。ある程度のボールロストは覚悟でパスをつなぎ、それでも前線の選手のボールキープ力から攻撃の起点を作りチャンスを作りたい所。

セビージャはハーフラインを越して自陣に入ればプレスを止めて守備ブロックにひとまず変わるので、そこまでボールを運ぶためにも前線の選手がボールキープしてほしい。正直今回はボールポゼッション率でバルサがセビージャに負ける可能性もある試合かなと思う。ボールを保持していなくても今のバルサにはカウンターがあるし、初めから変に引いて負け腰にならなければそれなりに攻守ともセビージャと戦えるだろう。

サンチェス・ピスファンのアウェイの試合と1stレグの試合であり、バルサは得点を決めれなくてもそこまで焦る必要性はないが、アウェイゴール1点ぐらいは何とかとっておきたい。ホームのカンプノウではパスを回してバルサが優位に進めれると思うので、ある意味この1stレグは耐えながらアウェイゴールを奪えればという試合にはなりそうである。今のバルサのコンディションはそこまで高くないが、それなりに戦えるコンディションまではもってきたとは感じる。

 

・バルセロナの注目選手

FWメッシ

前線からのプレスで守備をするのはもちろんだが、やはり攻撃の部分でも最後はこのメッシの足からバルサのゴールはほぼ生まれてくる。決勝や大事な試合で活躍するのはもう当たり前となっており、この試合でもやってくれるに違いない。代表復帰も正式に発表して、まずはバルセロナで勢いをつけてそのまま代表戦も頑張ってくれれば。

 

・最後に一言

この試合はスーペル・コパの1stレグであり、このアウェイの90分間の結果でバルサは敗戦濃厚をまずは避けなければいけない。その為にもアウェイゴールを1点以上決めること、そして2ndレグへ期待を抱かせるスコアで終わらすことがこの試合では求められる。最悪1対3の敗戦ぐらいが限界で、コンディションに少し不安が残るバルサだがセビージャも戦い方が完全に定着していないので五分五分といった試合にはなりそう。最後はメッシやスアレスの力で勝ちきれれば嬉しいのだがどうなることやら( ̄▽ ̄)

 
 

1 Responses to “16/17スーペルコパ1st 8/14 セビージャVSバルセロナ 試合前の注目ポイント”

  1. レト より:

    スタメンはサンプドリア戦と同じで問題ないでしょう。
    リヴァプール戦では左サイドのムニルとカマラが脅威になれないという問題がありましたが、アルダとディーニェなら大丈夫そうです。

    日程に差があるとはいえセビージャも延長戦の末に負けているのでコンディションはどちらが有利とは言えないかと。

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