16/17リーガ第9節 10/22 バレンシアVSバルセロナ 試合前の注目ポイント
リーガ第9節(日本時間10/22土曜日の23時15分キックオフ)で、バレンシア(メスタージャ)と対戦する。
■ 目次
バレンシア
・チーム状況
現在バレンシアは3勝5敗と不調のシーズンを過ごしている。チーム成績が良くないこともあり10月の代表ウイークが始まると同時に、イタリア人で世界的に有名なチェーザレ・ブランデッリ新監督が就任した。
そして代表ウイーク明けのヒホン戦ではアウェイゲームと難しい状況だったが、ブランデッリバレンシアは2対1と勝利し復調の兆しを見せ始めている。
バレンシアは若手の有望な選手が常に在籍している感じであり、現在ではガヤ、カンセロ、サンティ・ミナなどが在籍して主力選手として活躍している。他にはリーガでも屈指の選手が多数在籍し、30歳ぐらいの円熟期を迎えた選手が主力として活躍しており、リーガの中でも5本の指に入るぐらいのスタメンを構成する事が可能なチーム。
現在バルサからはムニルがレンタル中でバレンシアでプレーしているが、ブランデッリ新体制では出番がもらえるのかは微妙な所。後は元カンテラのモントーヤがヒホン戦ではスタメンフル出場を果たしており、モントーヤは右SBとして出場してきそうだ。
・システムや戦い方
ブランデッリ新体制になってまだ1試合しかバレンシアは戦っておらず、戦い方など変えてくるなら全く予想が難しいのでご了承を。昨季からバレンシアと対戦する時は常に監督交代直後のイメージが。
基本システムは4-2-3-1で、攻撃時は4-2-1-3、守備時は4-4-1-1のような形で戦っている。
守備では、イタリア人のブランデッリが就任したおかげか、強固な守備になるとともに選手達はとてもドンと構えた守備を実践している。前節のヒホン戦だけだが、選手達はアトレティコ張りに自信に満ち溢れてチームで守備を行っている。
前からプレスをかけるというよりはある程度守備ラインを下げて、守備ブロックを形成して守る方法を取っている。後方の4枚と4枚の選手間が上手く配置されており、横の選手との距離感は5~7mぐらいでとても均等な距離感で守っている。
しっかりと統率された守備はある程度サイドを捨てて中央を意識した守備を見せ、サイドにボールが渡っても中盤の4枚が綺麗にスライドして守っており、カバーリングもバッチリといった守備をしている。守備はとても統率されて守っており、ブランデッリ監督が就任してまだ3週間足らずだがチーム作りは早いなという印象。
最終ラインの4人もそこまで広がらずに中央を意識して守っており、中盤のボランチの2人と共に危険なエリアを意識して守っており、中央は簡単に崩れないイタリアの守備に似ている。チームの守備意識はとても高く、ボールロスト後は全速力で守備ブロックに戻るバレンシアの選手達が見られ、攻守の切り替えがとても素早くなっているのはバレンシアに良い意味で変化をもたらしている。
攻撃では、ボールを奪った後に手数をかけずにサイドからのドリブル突破をベースとして、サイドの選手が積極的にドリブル突破してから攻撃が始まるチームとなっている。特に右のカンセロは脅威になる選手で、カンセロのドリブル突破が現在のバレンシアの一番のストロングポイントと言っても過言ではない。
良い選手がいるバレンシアだけにビルドアップは上手く、遅行になっても特に焦ることなく攻撃することも可能である。パレホが下がってボールに触ることで攻撃にリズムが作られ、サイドの選手に良い形でボールが渡すことも可能となっている。
前線に入るロドリゴは中央でじっとしている選手ではなく動き回ってボールを引き出そうとしており、動いて空いたスペースに他の選手が必ず入り込んでおり、ロドリゴが動いた中央のスペースを使う攻撃は1つの攻撃パターンとなっている。
バレンシアと言えばサイド攻撃で、SBが積極的に攻め込んでくるのが今までのバレンシアだったが、ブランデッリになってからは少し攻撃参加は少ない模様。しかし遅行などで時間がある時、そして速攻時のここぞという時は攻め込んでくるので、突如に来るSBの攻撃参加も良い変化をつけている。
・バルセロナ戦での狙い
ブランデッリ監督をそこまで知らないが恐らく戦い方にはしっかりとしたベースがあり、上記の戦い方をそこまで変えてこないはず。
守備ブロックを敷きバルサを迎えて、ボールを奪ってからの速攻でバルサから得点を狙ってくるだろう。まずはイタリア人らしく守備から考え、失点せずに自分達のチャンスをものにして、逃げ切りが試合前の理想的なプランにはなるだろう。
スタメンの選手は強力だがベンチにはそこまで攻撃に変化を付けれる選手はいないので、得点を狙わないといけない状況になるとバレンシアは厳しい。だからこそ拮抗したスコアで維持する必要があり、特に0対0のスコアで進んでいくことはバレンシアにとっては望ましいスコアになるだろう。
・バレンシアの注目選手
2番カンセロ(22歳/右SB、右SH、右WG/ポルトガル/推定移籍金2500万ユーロ)
バルセロナの獲得リストでも上位に位置している選手で、バルサでは右SBの補強選手として名前が挙がっている選手。右サイドならどこでもプレー可能で、攻撃力に持ち味のある右サイドのスペシャリスト。ドリブル突破や足元の上手さに特徴があり、特に初速から速いドリブルは1対1で止めるのは難しい選手。バレンシアでは主に右SHとしてプレーしており、より攻撃的な役割を担っているがその期待に応えるだけのプレーをしている。
バルセロナ
・予想スタメン
GKシュテーゲン
DFセルジ・ロベルト、マスチェラーノ、ウムティティ、ディニュ
MFブスケツ、ラキティッチ、イニエスタ
FWメッシ、スアレス、ネイマール
欠場想定選手
シレッセンとピケとアルバとアルダとラフィーニャ(怪我)
試合直前にアルダとラフィーニャが怪我で招集されていない。相手が相手なのでルイス・エンリケは現状のベストメンバーで挑むだろう。セルジ・ロベルトにOKサインが出ており、CBコンビもマスチェとウムティティコンビで間違いだろう。中盤にはアンドレ・ゴメスをスタメン起用しても良いのではと思うが、一応無難にラキティッチとイニエスタコンビを予想。前線は文句なしのMSNトリオで間違いなし。
・この試合での注目ポイント
今回のバレンシア戦ではビルドアップ自体はそこまで難しくなさそう。重要になって来るのは中盤にボールを入れれるかで、そこでバレンシアの守備に引っかからないようにパスを回す必要がある。バレンシアの守備ブロックを動かす為にも中盤や前線の選手がボールを受けなければいけなく、そこのサポートも速くしてダイレクトのプレーが出ればベスト。しっかりと複数のトライアングルを作り出し、バレンシアの守備ブロックにボールを出し入れしながら、バレンシアの守備ブロックを完全に自陣に下げさせたい。バレンシアに攻撃させず、バルサは押し込む攻撃で守備が楽になりたい。
この試合ではメッシやネイマールが中に切れ込んでプレーするというよりは、同サイドを崩す攻撃の方が効果的になるだろう。中に切れ込んでもバレンシアの分厚い守備ブロックに引っかかる恐れがあり、SBと連携してサイドをえぐりたい。メッシとネイマールはサイドで良い形でボールを受ければ迷わず仕掛けるドリブルを見せ、自分にマークを集めて他の選手にタイミングよくパスを送りたい所。
裏への飛び出しで一気にゴールを奪いたい。メッシが復帰したことは精度の高いパスが送られることも意味し、メッシがボールを持てば逆サイドの選手だけでなく、中盤の選手も積極的にバレンシアの背後を突くランニングを見せてほしい。シティ戦では目まぐるしい試合展開だったのでそれは不可能だったが、ボールを持てるバレンシア戦ならそれはとても重要になる。この形はしっかりとチームとして徹底されており、後は試合中にどれだけ実行できるかが重要になる。
バレンシアの速攻を防ぐ為にも、しっかりと後方ではリスクマネージメントが重要になる。常に+1で数的有利を作りながら後方は構え、スピードのあるバレンシアの前線の選手に自由にプレーさせたくない。ピケ不在だがその分バルサの最終ラインは全員スピードがあり、スピードだけなら心配はなさそう。後はカバーリング含めラインをコントロールし、ブスケツと連携してバレンシアの速攻を防げばバレンシアの脅威は半減。カンセロの所には常に2人で対峙し、スペースを与えないことも重要になりそうだ。
・バルセロナの注目選手
FWネイマール
中央が固いバレンシアの守備を左サイドから崩してほしい。ボールを受けて縦に素早く仕掛けサイドをえぐり、ボールを持ちすぎるとすぐ囲まれてカバーリングされて効果的な攻撃は出来ないだろう。ネイマールのドリブルは重要なポイントとなり、メッシがボールを持った時は裏へのランニングで決定的な仕事をしてくれれば。対峙するのがモントーヤだとすれば・・・勝てる!?
・最後に一言
水曜日に戦ったバルサが土曜日の早い時間(中2日)、火曜日に戦ったレアルが日曜日の遅い時間(中4日)と日程に突っ込みたい所がある今回の第9節だが、そんなことを跳ね返して勝利をしてほしい試合。
ピケやアルバの怪我もあり苦しい最終ラインになっているが、まだまだメンバーはいるので大丈夫。ルイス・エンリケがこの重要なバレンシア戦にどれだけ鉄板メンバーをローテーションするかは注目が集まり、その起用方法で選手の序列だったり信頼度の高さは見れそうな試合となっている。
そしてブランデッリバレンシアは正直チーム作りが早く、守備はもうすでに形となっており、ブランデッリ新監督になって3週間足らずでバレンシアと試合をすることは助かったと思う。ここからバレンシアは勝ちまくりそう。
いまSBはセルジ・ロベルトですが冬の移籍市場などでSBが獲れてセルジ・ロベルトより良い働きが出来ればセルジ・ロベルトは2番手になるのでしょうか?それとも中盤に戻されると思いますか?まだ早い話ですが気になったので…。今の現状セルジ・ロベルトよりフィットする選手はそう簡単にいないと思いますが。