16/17CL第3節 10/19 バルセロナVSマンチェスター・シティ 試合前の注目ポイント

チャンピオンズリーグのグループステージ第3節(日本時間10/19水曜日の27時45分キックオフ)で、マンチェスター・シティ(カンプノウ)と対戦する。

マンチェスター・シティ

・チーム状況

バルセロナではお馴染みのジョゼップ・グアルディオラ、通称ペップが今シーズンから新監督に就任したシティは、新チームになったばかりだが好成績を収めながらスタートを切った。現在プレミアでは勝ち点で並んでいるが首位に位置し、このCLのグループステージでも1勝1分けと2位に位置している。

ここ3試合は勝利から遠ざかって騒がれているようだが、そこまでプレーレベルが悪いという感じは受けない。対戦相手(トッテナム)や難しいスタジアム(セルティック)、後は少しの運(エヴァートン)で勝利から遠ざかっているように思われる。

シティと言えば金満クラブで今夏にも大型補強をしており、昨季よりさらに戦力は強くなった。中盤から前は豪華な選手が並んでおり、選手層も選手の質もプレミアとCLの中でもトップクラスと言ってよい陣容となっている。

ペップシティには今夏にバルサから移籍したブラボが所属しており、この試合でもシティのゴールマウスを守ってくるだろう。ヤヤ・トゥーレはCLメンバーから外れているのでピッチで会うことはない。チームには帯同してスタジアムでは見ているのかな。

 

・システムや戦い方

基本システムは4-1-4-1で、対戦相手やチーム状況では細かくシステムを変更している。直近の試合では3-2-4-1(3-6-1)も採用していたが、基本は4バックの4-5-1か4-3-3と見て良いだろう。右SBのサニャが怪我で離脱していたので、直近では3バックを試してみた感じだろうか。

戦い方はペップらしくボール支配をベースとする戦い方で、ボールを支配して自分達が試合をコントロールすることが第1に考えられている。バルセロナでもバイエルンでもシティでも基本的にはボールを支配する戦うベースは変わらないようだ。

守備では攻守の素早い切り替えからのプレッシングが守備のベースで、なるべく相手から素早くボールを奪い返す守備を実践している。素早いプレッシングがかからない時は相手のシステムに合わせてプレスをかける守備を見せ、基本的には下がって守備をせずに前から守備をしてくる。

守備陣形は臨機応変で、相手の選手をフリーにさせないことを第一にしているので、最終ライン以外は変則的な守備となっている。バルサの監督の時と守備の仕方はそこまで変わっていないが、バルサほど圧倒的にボール支配も出来ないので、守備はより相手に合わせる守備をしている。

攻撃ではボールポゼッションからの細かい崩しとサイド攻撃をベースとしており、ここもバルセロナの時とそこまで変わっていない。バイエルン時代はサイドで1対1の状況を作ってそこからの個の力での突破が最大の狙いだったが、シティはバイエルンより技巧派な選手が多いので様々な攻撃が出来るチームとなっている。

ビルドアップでは相手の守備ブロックを開かせて中盤の選手がボールを受けるのを目的としており、アタッキングエリアでは相手の守備ブロックを中央に寄せてのサイドが狙いとなっている。相手のSBの裏のスペースを使うという狙いはバルサと同じで、とことんバルサと似た攻撃をしている。

ボール支配にはこだわっているがカウンターも出来るチームで、スピードと仕掛けが速い選手達で素早く攻撃することも可能となっている。攻撃力ではCLのチームの中でも5本の指に入るチームで間違いないだろう。

ペップシティの戦い方はある意味バルサを鏡にしたようなチームであり、それはバイエルン時代よりシティには技巧派な選手が多い分より似ている。現状のバルサよりもペップのチームなので、ボール支配にはこだわっているチームとはなっている。

 

・バルセロナ戦での狙い

システムは最終ラインが4バックの、4-5-1のシステムで戦ってくるだろう。バイエルン時代にはMSN相手に3バックも試していたが、タイマンの3人では守れないということで後ろは4バックで間違いないだろう。

バルセロナ戦の狙いとしては中盤の激しいプレスでバルサの前線のMSNにボールを送らせない守備を実践し、バルサよりボール支配率で勝って、少しでも自分達がパスを回して試合をコントロールしようとしてくるだろう。

バルサの守備ブロックもそこまで褒められるレベルではなく、特に中盤の真ん中が結構空くことが多いので、そこに縦パスを通して攻撃の形を作る狙いでパス回しを練ってくるはず。後攻撃ではショートカウンターも狙いとし、バルサの悪いボールロストから素早く仕掛けてフィニッシュも狙ってくるだろう。

ペップはこのバルサ戦にいつもの攻撃的な戦い方を変更することはなく、バルサ相手ということでいつもよりバルサに合わせた戦い方は想定して準備をしてくるだろう。ボール支配率はプレミアの時ほど高くはならないが、少しでも数字を高めることがバルサに主導権を握らせないことと、自分達が攻撃できるチャンスが巡ってくることを理解して、少しでもボールを保持したいというのが本音だろう。

 

・マンチェスター・シティの注目選手

17番、デ・ブライネ(25歳/MF&FW/ベルギー/推定移籍金7000万ユーロ)

シティの攻撃のエースであり、攻撃では何でも出来る選手なだけに止めるのが難しい選手。両足でボールを蹴れ、ドリブルやパスやキックも上手く、スピードもありチームメイトと連携して崩すことも出来る選手。アトレティコのカラスコを苦手としているバルサだが、同じベルギー人だからではないが恐らくバルサはデ・ブライネを簡単に止めれないだろう。豪華なタレントがいる前線の中でも際立っている選手。

 

バルセロナ

・予想スタメン

GKシュテーゲン

DFセルジ・ロベルト(マスチェラーノ)、ピケ、ウムティティ、アルバ(ディニェ)

MFブスケツ、アンドレ・ゴメス、イニエスタ

FWメッシ、スアレス、ネイマール

欠場想定選手

シレッセン(怪我)、ビダル(判断)

現状バルサの怪我人の状況はよく分からないが、試合直前の練習にはセルジ・ロベルトもアルバもロンドに参加しており元気そうで、共に怪我からの回復が見られても良い期間は経ったのでスタメンで来るのかなと予想。代わりとなる選手は右SBにマスチェラーノで、左SBにはディニェだと予想。セルジ・ロベルトが復帰したならCBには怪我明けのウムティティではなく、マスチェラーノの可能性もありそう。

中盤から前はこの6人でほぼ間違いないだろう。ラキティッチのスタメンが普通だが、この試合ではアンドレ・ゴメスが強豪相手にどれだけ出来るか、見極めるテストの試合にはなるだろう。直近の試合で完全休養を貰っており、ここはフル出場したラキティッチではなくアンドレでいくべき。

ほぼ鉄板メンバーだがウムティティとアンドレ・ゴメスという、今夏の新戦力の中でも出来が良い2人が、このハイレベルの中でどこまでできるか試しても良い試合だろう。

 

・この試合での注目ポイント

今回のペップシティとの試合で何よりも重要になるのが中盤での勝負に負けないことになる。中盤で激しい競り合いになるのは必至で、そこでバルセロナは何が何でも勝たなければいけない。そこで勝ることがバルサが試合の主導権を握ることになり、ボールを保持して攻撃することに直結する。集中力を保ち選手全員が連動して攻守の切り替えを素早くしていつも通りの事をすれば、自ずとバルサが優位性をつかみ取れるはず。シティの出来よりもバルセロナの出来がある程度良ければ、勝つのはそこまで難しくないだろう。

そして上にも該当するが個での勝負に負けないことも注目となる。シティがサイドからドリブルで仕掛けたりする場面は出てくるだろうが、そこで抜かれるとバルサはどんどん悪いムードになってくる。どこの状況でも1対1で負けないのは試合を有利に進めるのに1番重要で、同じような戦い方でコンパクトな戦い方をする両チームなので、対人で負けないことは状況打破や全ての局面で重要となる。

ペップシティが相手だが押し込める試合になれば最高の試合展開となる。ボール支配率自体五分五分になるぐらいだろうが、そこをバルサがビルドアップの高さでシティのプレスをかいくぐって攻撃出来れば最高。今シーズンのバルサはビルドアップが少し心配でこんな試合展開にはならないだろうが、こういう時間帯を作ることは狙いたい所。現在上がり調子のバルサなので、バルサに先制点が生まれたりすると一気に落ち着いて調子に乗り、バルサペースとなる可能性もありそうだ。

基本的には奇策をしないでバルサはいつも通りで勝てる試合。最近は新システムや3バックを試しているが、このシティ戦は相手が強いこともあり慣れている4-1-2-3のいつものシステムで戦うのがベストだろう。そして自分達がハイレベルのプレーをすればカンプノウという状況もあって勝てるチームはほとんどおらず、現在の調子からもバルサはドンと構えてシティを迎えたい所。選手の質など多くの部分でバルサはシティより上回っているので、変なプレーにならなければ良い結果は得れるだろう。

 

・バルセロナの注目選手

MFアンドレ・ゴメス

激しい中盤の競り合いの中で、パワー面や抜け出す一瞬のスピード、そして上手さでバルサに優位性をもたらしてほしい。ここまでアンドレがダメな試合は1試合たりともなく、ある意味期待以上の出来を見せてくれている。このビッグマッチでも活躍してくれればアンドレにほぼ全幅の信頼をおけそうで、そんな選手になってバルサの中盤に良い刺激を与えてほしい。もはや心配な面よりも期待しかない。

 

最後に一言

ペップがバルセロナ(カンプノウ)へ帰還しバルサファンにとっては特別な試合なわけだが、ここでシティを叩くことはバルサの必須のミッションとなっている。ホームカンプノウの試合ではどこが相手でも勝利しなければならず、シティから勝利するとグループリーグでは相当有利な状況に位置できる。

実力的にもバルセロナがシティより劣っている部分は少ないので、普通にバルサが集中と気合いを見せれば勝てる試合になるはずで、今のバルサの上がり調子を考えれば勝利は疑いの余地なし。ペップが“選手の質”に対して語っていたように「選手の質でバルサの方が上だからバルサが勝てる」と信じたい。

 
 

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