《質問》今シーズンのメンバーなら3-4-3(中盤ひし形)は?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

「ゆうzi」さんより

「サイドアタッカーも増えメッシが真ん中でやりたがっていそうなので3-4-3(中盤ひし形)はどうでしょうか。後ろからマスチェラーノ、ピケ、ウンティティ。アンカーがブスケッツ 左CMがイニエスタ 右CMがラキティッチ トップ下メッシ。左FWがネイマール CFスアレス 右FWがD・スアレスでどうでしょうか?

DFの時はマスチェラーノ、ピケ、ウンティティ、ブスケッツの4人とネイマール、イニエスタ、ラキティッチ、Dスアレスの4人の4-4ブロックで大丈夫かなと思います。DFが不安なら右CMがブスケッツ、アンカーがマスチェラーノ、CBにマテューでどうでしょうか?」

「ゆうzi」さんコメントありがとうございます。

見解・回答

・守備がリスキーな攻撃的バルセロナ

「ゆうzi」さんのメンバーとフォーメーションを図にしたらこんな感じですかね。

20160725

最終ラインが3枚となっており、攻撃的なバルセロナと言った印象ですね。バルサの3バックは基本的にイタリア代表やユベントスのようなWBを配置して5バック陣形で守ることを考えていないので、最終ラインの3枚は1人1人の守るスペースが大きくなってきつくなりそうですね。守る時にブスケツが最終ラインに入るのなら、初めから4-2-1-3や4-2-3-1の形でも良いのではと思います。

攻撃時には両ウイングの2人がサイドラインギリギリに張る感じですかね。真ん中のゾーンはブスケツが後方気味に位置して中盤の3人で支配し、ワンツーや細かいパスなどでも中央突破しそうな選手配置ですね。もしかしたら前線や中盤が手詰まりになったらマスチェラーノやユムティティがボールを持ち上がって攻撃参加するのも1つの策かもしれませんね。

ディフェンスが不安な時には右の中盤にブスケツ、アンカーにマスチェラーノで最終ラインにマテュー投入ですが、この3-4-3のひし形のシステムを使うのなら中盤に攻撃的な選手を多く使いたいので中途半端に守備的にならなくて良いでしょう。守備を気にするのならブスケツとマスチェラーノのダブルボランチ気味にして、中盤はボックスではないですが後方2枚(ブスケツ、マスチェラーノ)、前2枚(メッシ、イニエスタ)の形で良いと思います。

ざっと見て対戦相手が2トップの場合は“あり”なフォーメーションだとは思います。最近のリーガのチームは4-4-2が主流になって来ており、かつての1トップ+トップ下というよりも横並びの2トップの形が多くなってきているので3バックで十分対処できると思います。

そして攻撃的なバルサと言うだけに、バルサがボール支配をできるかがカギとなるでしょう。最近のエンリケバルサでもボール支配率は対戦相手に負けることはほとんどないですが、その数値は下がってきている傾向にあります。それをペップバルサの時のように70%近い数字までもっていくことがこのフォーメーションで戦って勝っていけるポイントになるでしょう。対戦相手がどこでも最低65%の数字は残すことが目標になりそうです。

後はボール支配率を上げる為と下がって守備をしない為にも、前線からのプレスが今まで以上にチームの生命線になりそうです。下がって守る時は4-4-2の陣形で守るとしてもブスケツが最終ラインに、デニス・スアレスとネイマールが前線から中盤に戻るとなるとこれを何度も繰り返せばスタミナも奪われるし、選手が戻る間に対戦相手の速攻を喰らうのも怖い所です。

この3-4-3をクライフのドリームチームのようにベーシックに使うのなら、クライフの昔のインタビューで「バルサファンは守備時に何度も肝を冷やしていた」と振り返るように、心臓に悪い状況で守備をする機会が増えるでしょう。バルサの最終ラインと前からのプレスである程度守れるでしょうが、それでも守備ではリスキーな戦い方に変わりはないでしょう。

個人的には得点の欲しい試合や状況で、対戦相手のシステム的にこの3-4-3でも対処でき試合をコントロールできる場合にだけ採用するフォーメーションに感じます。常時このフォーメーションなら現在のサッカーでは厳しいのかなと思います。

この3-4-3のバルサに勝つ方法は?

今度は対戦相手目線でこのバルサを考えてみたいと思います。フォーマーションを考える時は対戦相手あり気で考えないといけないので、対戦相手を考えないと正直コメントするのは難しい所があります。自分がこの3-4-3のバルサに勝つシステムを言うなら、エドゥアルド・ベリッソ監督のセルタのような両ワイドに開いた3トップの4-3-3で勝てると思います。

というかセルタの監督になったつもりで話します。バルサが3バックなら両ワイドのウイングの2人をマークするのは誰になるのかとなるのは明白。バルサの左右のCBがマークに付いてきて3トップ対3バックの形になれば、CFの選手(イアゴ・アスパス)の周りにスペースが生まれ攻撃の起点を作るのは簡単。ピケはそこまでスピードがなくスペースがあり後方を気にすると思い切りプレッシャーをかけれないので、ボールはしっかり収まるでしょう。

もしもバルサが4-4-2の陣形で守るのならこの戦い方は難しいでしょうが、自分達が守備から攻撃になった時はバルサの守備ブロックが整っていないので、主に速攻狙いでこの戦い方は有効でしょう。バルサがしっかり守るのなら守備が甘いネイマールサイドから徹底的に攻め、ユムティティの出来次第ですがオレジャナの個人技中心からクロスやマイナスのボールでチャンスは数回作れそう。

守備では前線からのプレスと下がって守備ブロックを作る2つに分け、前線からのプレスではバルサの3バックに3トップ全員でプレスをかけ中盤や前線に良いボールを出させないことが最大の狙い。中盤の3枚がパスの出し手から送られるであろうショートパスのコースを2人で消し、1人はメッシのマーク。最終ライン4枚でバルサの3トップをマークし、SBはウイングの選手をマンマーク気味でマークし前を向かせないほど激しくマーク。

下がって守備ブロックを作る時は中盤の3枚はフラットの守備陣形で、3トップが全員ブスケツより下がってがっちり守備。フィールドプレーヤー10人でしっかり4-3-3のコンパクトなブロックを作り、バルサの中盤の選手にパスを入れさせずに最終ラインでパスを回させるようにする。マスチェラーノの所をプレスのかける狙いとして、マスチェラーノにボールが渡るとウイングの選手が強めに前からプレスをかけてピケに戻させるように誘う。そこでCFが全力でプレスをかけGKのシュテーゲンに下げさせ、そのプレスの勢いのままCFはプレス。シュテーゲンに渡る間にチーム全体を押し上げ、前線からのプレスの守備に切り替え。シュテーゲンに浮かしたフィードのパスを出させ、そのボールを競り勝ったりキックミスでボールを奪う。

この攻撃的な守備を前半立ち上がりから60分まで継続するのが狙いで、後は選手交代で疲れた選手から3枚替え。バルサから先制点を奪うのが最大の狙いで、1点奪えばバルサは徐々に焦る。最近のバルサは後半に入るまでギアが上がらない試合も多いので、先行逃げ切り狙いでラスト30分間は守りを固めて速攻の攻撃で時間を使いながらバルサをイラつかせて逃げ切り勝利( `ー´)ノ

とまぁこの戦い方がバルサ相手に簡単にはまることもなく、ネイマールやメッシに個人技で1対1のマークを剥がされれば終わりで、全てが空想上で現実的に実現するとなれば相当なハードワークと集中力も求められる。またスタミナ面も心配な部分であり、もっと早い時間で足が止まる可能性もありそうですね。バルサの調子が良ければポンポンとパスが回りプレスもかわされてやられるでしょう。

今回のテーマの3-4-3にバルサがするならと言うより3バックにするのなら、戦対相手が3トップだったりサイドに開いた選手がいれば誰がマークをするのかは大きな問題になるでしょう。スペイン代表がイタリア代表のWBの選手のマークを上手く付けないことからも、スペインのチームと言うのはある意味フォーメーションや型にはまった守備をするのでフォーメーション選びは対戦相手次第と考えて良いでしょう。

どんなフォーメーションでも11人でピッチの全てをカバーすることは不可能で、どんなフォーメーションでもウイークポイントだったり穴があるもの。今回の3-4-3の中盤のひし形では、対戦相手が3トップなら守備時に後手に回ることが多いかなと思います。1対1で勝てれば問題ナシとも言えますが、ビッグクラブが相手で強力な選手がFWにいれば、そこからやられて守備崩壊もあるだけにフォーメーションは一概に“これ”というのは難しいでしょう。

それでも現在バルサが採用している4-1-2-3はほぼどんな相手にも対処でき、バルサの選手達の特長を活かすのにも向いているのかなと思います。なんだかんだ言って4-3-3はバルサにとってバランスが取れているフォーメーションだと言えるのかもしれませんね。

 
 

4 Responses to “《質問》今シーズンのメンバーなら3-4-3(中盤ひし形)は?”

  1. ゆうzi より:

    半年以上まえに提案させていただいた3-4-3のシステムが実際に使われてとてもうれしいです。

    それでもエンリケさんはさらにディフェンスでもしっかり4-4-2の仕組みをつくってきましたね!

    そこで半年前に考察して頂きましたが今のバルサでの3-4-3の弱点を教えていただけないでしょうか?ぜひお願いします!

  2. アイコン より:

    2008のスペイン代表のことなんですが、0TOPの解説をして頂けませんか?
    たしか、ブスケツとアロンソがDMFで、セスクがトップの位置より中盤の位置で動いて、トップ下(?)がイニエスタとシャビとシルバだった気がします。
    このシステムで起こるメリットは切り替え時の守備と攻撃で敵を引きつけることだと思うのですが、他に狙いはあるのでしょうか。
    それと、このサッカーが今のスペインでできると思いますか?僕はできないと思ってはいますが、できる限りできそうな配置を考えてくれませんか?長文すみません

  3. ao より:

    試合の状況にもよりますが、最近のサッカーのサイド攻撃の重要度からしても、来季もフォーメーションは4-3-3だと自分も思いました。
    そこで質問です。4-3-3の場合、右サイドバック以外はいつものスタメンがファーストチョイスになると思いますが、中盤の人員が溢れている今、各ポジションのセカンドチョイスとなる選手はどういったメンツになると予想しますか?
    既出の質問だったら申し訳ないです。

  4. ih より:

    3-4-3のアイディアはとても面白いと思います。メッシが真ん中と言うのも見てみたい思いもあります。
    しかし昨季の攻撃時におけるサイドバックの役割は非常に大きかったようにも思います。
    また、中盤を多くしてもカンテラ育ちが少ない中で以前のペップ時代の様なパスワークも難しいのではないかと個人的には思いました。

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