《質問》なぜ現在のバルセロナは4-4-2でプレスをしなくなったのか?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

2か月前くらいの質問なので状況も変化していますが、現状の状況から回答しています。

『メッシ、スアレスの2トップだと、サイドを広く使った攻撃ができておらず、中央の狭いスペースでの崩しに偏っています。(スポルティング戦のヒートマップでは右サイドの高い位置がほとんど使えていなかったです)

そのため、攻撃ペースがいまいち上がらず、中央エリアで相手DF3人にメッシが囲まれるシーンが顕著にみられます。

また、4-4-2はゾーンディフェンスを軸としているため、8人の選手が低い位置まで下がることは避けられません。そのため前線のFW二人が孤立している機会がより増えているのではないかと思います。

このシステムよりも、デンベレがいたときや今日の試合後半(デニスがデンベレの代わり)のように従来の4-3-3(4-1-2-3)のシステムのほうがいいのではないかと思います。前線3人でのサイドを広く使った攻撃のほうがより得点に恵まれていたし、ディフェンスのハイプレスを軸に高いところでボールを奪い返していました。

長くなりましたが質問です。なぜバルベルデ監督は4-2-2を使うのでしょうか? また、なぜ従来の4-3-3をやめてしまったのでしょうか?

プレシーズンマッチの際には4-3-3のシステムでハイプレスをしていましたし、ネイマールが移籍したとはいえデンベレ、デニスらがいるしこのシステムは機能するとは思うのですが・・・』

貴重なコメントありがとうございます。回答が遅くなって申し訳ありませんでした。

コメント欄は記事の下にあります。質問や疑問点だけでなく思ったことなど何でも書いて頂けるとありがたいです。

 

見解・回答

>>メッシ、スアレスの2トップだと、サイドを広く使った攻撃ができておらず、中央の狭いスペースでの崩しに偏っています。(スポルティング戦のヒートマップでは右サイドの高い位置がほとんど使えていなかったです)>>

現在のバルセロナも4-4-2(4-3-1-2)ですが、サイドを広く使った攻撃は確かに少ないと思います。

中央からサイドの展開の攻撃はメッシが行っているため、サイド攻撃できていないわけではないですが、サイドからの縦の崩しというのは欲しいですね。レアル・マドリードはこれがメチャクチャ上手い。

また、攻撃が左に偏っているのは気になる所です。ラキティッチが守備的な役割でブスケツの横の脇を埋めることが多く、右の攻撃が右SB1人で攻撃する状況もあり、ただパスを受けて横幅を使っているだけの機会が多いのは問題です。この問題はルイス・エンリケの時から変わっていないですね。

 

>>そのため、攻撃ペースがいまいち上がらず、中央エリアで相手DF3人にメッシが囲まれるシーンが顕著にみられます。>>

バルサの選手達が中央に寄り気味な配置なので、確かにメッシが中央で囲まれるシーンは確かに多くなっています。

相手チームもメッシを封じるために中央を固めていることもありますが、それを広げさせるためのWG配置だったり、横幅を使う攻撃が必要になってきますね。

 

>>また、4-4-2はゾーンディフェンスを軸としているため、8人の選手が低い位置まで下がることは避けられません。そのため前線のFW二人が孤立している機会がより増えているのではないかと思います。>>

この問題は確かにありましたが、パウリーニョをトップ下で起用することで中継役が出来たこと、メッシが下がってもパウリーニョが前線に飛び出すこと、

この2つでライン間の距離の問題は少なくなっていると感じます。

4-3-3ではなく4-4-2のゾーンディフェンスの場合、8人の選手が低い位置まで下がる機会が多くなるとは思いませんが、これはバルベルデ監督のプレッシングをかける位置が関係しているように思います。

バルベルデ監督はピッチを縦幅で3分割した時の、敵陣地での1/3のゾーンでしかプレスをかけようとはせず、ハーフライン付近までボールを持ってこられると守備ブロックを作って守るという選択をしています。

シーズン開幕時から数試合の4-3-3の時は、ボールを敵陣地まで運べてそこでボールロストしていたのですぐプレッシングに入れていました。

しかし、4-4-2になると横幅も使いにくいので自陣からのビルドアップで少し苦労する機会も多くなり、敵陣地深くでバルサがボールを支配する試合は減ってきています。

その為バルサのプレッシング機会が少なくなっているように感じます。

最近はビルドアップも良くなってきていますが、2か月前の4-4-2の時はチームのバランスがとれておらず、苦しんでいたように思います。

 

>>このシステムよりも、デンベレがいたときや今日の試合後半(デニスがデンベレの代わり)のように従来の4-3-3(4-1-2-3)のシステムのほうがいいのではないかと思います。前線3人でのサイドを広く使った攻撃のほうがより得点に恵まれていたし、ディフェンスのハイプレスを軸に高いところでボールを奪い返していました。

>>長くなりましたが質問です。なぜバルベルデ監督は4-2-2を使うのでしょうか? また、なぜ従来の4-3-3をやめてしまったのでしょうか?

>>プレシーズンマッチの際には4-3-3のシステムでハイプレスをしていましたし、ネイマールが移籍したとはいえデンベレ、デニスらがいるしこのシステムは機能するとは思うのですが・・・>>

4-3-3ではなく4-4-2をバルベルデ監督が起用している理由ですが、それはパウリーニョへの信頼度が高いことが理由です。

デンベレが負傷離脱したことで右WGの位置にはデウロフェウ、ビダルと試してきましたが、バルベルデ監督の中では納得できるチームにはならず、パウリーニョをトップ下に起用する今の形に落ち着いたのだと思います。

デニスをWGの高いサイドの位置で起用するのは面白いし、現状のデニスなら活躍できるポジションでもあり良いと思うのですが、バルベルデ監督はデニスをあまり起用しようとはしませんね。デニスは起用してもいいくらい活躍している気はしますが・・・。

右WGで起用する選手を見つけられなかったことが、現状4-3-3ではなく4-4-2(4-3-1-2)にした大きな理由だと思います。

来年になるとデンベレが復帰するので、ここでもう一度右の高い位置にデンベレを起用する4-3-3気味のシステムは試すことは間違いないでしょう。

バルベルデ監督がデンベレをどう評価しているかはまだ見えてきませんが、4-3-3をもう一度試してみて、良かったほうが重要な局面を迎える3月以降の戦いのベースになるのは間違いないでしょう。

バルベルデとしては4-4-2も4-3-3も相手チームや状況次第で使い分けるとは思いますが、基本的なチームの戦いとしてどちらかを選択する時がこの先にきます。

そしてそれはほぼ間違いなく4-4-2のパウリーニョ起用になると思っています(笑)

デンベレ起用で今の守備バランスが崩れる可能性があるのは心配な要素で、バルベルデ監督は手堅い監督で勝利を強く意識しています。

このバルセロナでの1年目は勝利をするためなら若手選手を起用するという考えはある程度捨てているように思え、チームの強さだけを追及したら4-4-2だと自分も思います。

デンベレは成長のためにもスタメンで固定してほしいと思っているのですが・・・どうなるでしょうね。

 
 

1 Responses to “《質問》なぜ現在のバルセロナは4-4-2でプレスをしなくなったのか?”

  1. レト より:

    今のバルサはウィング不在ですからね。
    デンベレは負傷し、デウロフェウは戦術理解度が低く、他のオプションにも納得していないようです。
    デンベレの復帰でどう変わるのかに期待してます。

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