《質問》エンリケバルサのシーズン後半戦での問題点は?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

「レト」さんより

『なんだかんだで不振を脱却して1年を締めることが出来たのは良いですが今季は課題がいろいろと表面化してきたのがやはり不安ですね。

最大の問題は守備ですがそれだけでなく、メッシの中央移動を戦術に組み込めていない弊害や中盤の選択肢の少なさも気になります。

冬の補強も関心事ですが、それ以上にチームが現状に満足してしまっていないか、という懸念があります(343は・・)。後半戦に入る前に今一度チームの問題点を見つめ直してほしいです。』

「レト」さんコメントありがとうございます。去年の質問でしたが新年迎えて申し訳ありません。バルセロナが良い後半戦になる為にも回答していきます。

 

見解・回答

細かい問題点を考えるとキリがないので、チームの問題点は大きく次の3点と絞って、それらを考えていきます。大体「レト」さんが書いてくれたことが、大きな問題と自分も捉えています。

「安定したビルドアップが出来ない」

「メッシを活かす攻撃の形が未完成」

「守備ブロック(特に中盤の中央)が弱い」

 

・安定したビルドアップが出来ない

バルセロナの基盤ともなるボールポゼッションを高めてボールを支配する戦い方ですが、今シーズンは特にこのビルドアップで苦しんで、全てが後手に回っています。安定したビルドアップが出来ない為にボールを前に運べず、ボールロスト回数も増えて守備をする機会が増えています。

質問をくれた昨年の終盤の対戦相手は前からプレスをかけてこなかったので、バルセロナがボールを支配して比較的楽に試合に勝利出来ました。今年に入って初戦の国王杯でのビルバオ戦では明らかにプレスに苦しめられましたし、2失点とも自分達の低い位置でのボールロストからの失点で、まだ前から激しくプレスをかけてくる対戦相手に対処できていないというのがエンリケバルサの現状です。

現システムの4-3-3ではもう限界に感じ、ビルドアップを安定させる為にも3-4-3気味のシステム変更はアリだと思います。そのシステムを詳しく書いた記事はコチラ⇒バルセロナは3バックを試すべき時!?5バック推奨!?

いつもの4-3-3のシステムでブスケツがCBの間に下がれば解決する形ですが、個人的にはCBの選手を3人並べた方が相手の速攻の対処を考慮すると良いと思います。

この形にするのはリーガで最も使用されている対戦相手の、4-4-2の両SHを後方に下げさせることが最大のミソです。相手の2トップVSバルサのGK含めて4人の状況にするとともに、ピッチの横幅を目いっぱい使うことで相手の中盤の守備ブロックを中央に絞らせない目的があります。細かいことは上記に記したURLに書いてるのでそちらをチェックしてください。

バルセロナが今シーズン苦しんでいるのはビルドアップが上手くいっていないと断言でき、バルサの問題はこのビルドアップが解決して相手を自陣に押し込めればほとんど消えます。

相手を押し込めれば10人の守備ブロックを崩すという作業は問題の1つですが、相手の攻撃の回数は激減して守備の問題もほぼなくなります。

バルセロナが悪い時のボールを支配できない状況になれば、バルサはピンチのシーンが間違いなく多くなります。逆にボールを支配して相手を押し込めれば決定機の数は少し減るかもしれませんが、ピンチの回数は激減して、負ける確率は下がり勝利する確率は少し上がります

その為には安定したビルドアップでボールをハーフラインより前に持っていく必要があり、3-4-3でなくてもボールを前に運ぶことはエンリケバルサの大きな問題です。

 

・メッシを活かす攻撃が未完成

次の問題ですが、今シーズンはメッシが中央に位置する機会が多く、試合の8割ぐらいの時間は中央でプレーしています。このタイトルこそ「メッシを活かす攻撃が未完成」と書いていますが、メッシの中央配置での攻撃がまだ確立されていないのが問題です。

バルセロナの左や中央の攻撃は良いのですが、右はメッシが中央にいることで人員不足になって右サイドを縦に崩す機会はほとんどなくなっています。「レト」さんが以前言っておられたセルジ・ロベルトが孤立している問題ですね。

バルセロナの右の攻撃が機能しなくなると相手は守るのがとても楽になります。相手は自分達の中央と右を防げばバルセロナの攻撃をほぼ防げるわけですから、守る横幅はとても狭くなり、そこに人数をかけることでカバーリングをしスペースを消して失点する確率は下がっていきます。

その為にもバルセロナは攻撃で右サイドも左サイド同様に活かす必要があり、メッシが中央にいる場合はスアレスが右サイドに顔を積極的に出すなど対処しなればいけません。

そして右と左をバランスよく攻撃すれば一番良しですが、ネイマールサイドの左の方がイニエスタやアルバを絡めて強力なので、左多めの攻撃でも問題ナシです。それでも比率的には7.5:2.5ぐらいが限度で、現状9:1ぐらいなのが問題です。

ラス・パルマス戦でもチームは快勝しましたが、右の攻撃は少なくほとんど左中心で攻撃していましたし。メッシを右に戻せば攻撃回数のバランスは良くなりそうですが、恐らく今シーズンのエンリケバルサではメッシは中央でプレーする予感プンプンなので、メッシの中央配置で相手をもっと崩したい所です。

相手が下がってゴール前で守備を固めても、左右の両サイドから攻撃できるチーム作りになればベストです。そしてさらにメッシのボールタッチ回数もチームとして増やしたいです。メッシはバルセロナのエースですから( `ー´)ノ

 

・守備ブロックが(特に中盤の中央)が弱い

最後は最近の試合の問題点でもずっと書いている、中盤の守備ブロックの弱さが大きな問題です。最終ラインはそれなりに守っているとは思いますが、中盤のチームの守備ブロックは笑けてくるほどモロイです。

前線からプレスをかける場合など敵陣地での中盤の守備が悪いということはありませんが、ハーフライン付近から自陣にかけてチームが4枚のラインの守備ブロックを構成しているときが大きな問題です。

基本陣形は4枚のラインの形を作っていますが、好き勝手にマークに付いたりプレスをかけたりしているようにしか見えず、このラインがすぐガタガタになってギャップを作り間にパスを通され、中盤の4枚がいとも簡単に突破されるシーンが多々あります。

中盤を4枚のラインで守るなら肝となる選手は中央の2人です。この2人が簡単に中央のスペースを空けるようにプレスをかけて、そこを他の選手がカバーしていないのでそこを使われています。

4枚で中盤全てはカバーしきれないので、中央は絶対に崩させないように守る、サイドに追い込んでワンサイドに寄って守るなど、どこを締めてどうやってボールを奪うという、チームとして守り方の共通意識が見られないのが問題です。

現状守備ブロックを作ってただ守っているだけにしか見えず、中盤の選手が走らされるというシーンもしばしば見られます。チームの守備を強固にするためにも、中盤でどう守るかは重要な部分になります。強豪相手なら本当にピンチシーンは多く作られることに…。

初めの問題点で書いた相手を押し込めればバルサの前線からのプレスでほぼ守れるので、自分達が守備ブロックを作って守る機会を減らすためにもやはりビルドアップが一番重要です。そもそもバルセロナは相手の攻撃を真に受けて守るのは得意ではないですし。自分達の得意分野で勝負したい所です。

 
 

コメントを残す

このページの先頭へ