《質問》カンテラ出身者がレギュラーを獲得できない現状をどうみてる?
コメント欄に質問があったので回答したいと思います。
『カンテラ出身者がレギュラーを獲得できない今の状況をどの様にお考えでしょうか?
バルサの若手が育っていないという記事をよく見ますが、Bチームは昇格しましたし出場機会を求めて移籍したトラオーレ、グリマルド、ロメウ、サンドロなんかは移籍先で活躍しています。デウロフェウやデニススアレス、ラフィーニャもレンタル先で結果を残して買い戻しされました。
カンテラの質の低下というよりも目先の勝利を求めてワールドクラスの選手を獲得し続ける事が問題な気がします。今回もデンベレ、パウリーニョを獲得した事によってトップチームのカンテラ出身者の出場機会が減りユースの選手は招集すらされなくなると思います。
確かにチーム内に競争は欠かせませんが、移籍金が高騰し続ける今の移籍市場で今の様な事を続けていてもシティやPSGには勝てるはずがないのでいずれ限界がくると思います。
デウロフェウにしても結果論ですが自前で育てていれば今回の移籍金は発生しなかったはずです。
バルセロナは今後もワールドクラスの選手を獲得して活躍したカンテラ出身者を買い戻すという事を続けていくのでしょうか?』
貴重なコメントありがとうございます。
コメント欄は記事の下にあります。質問や疑問点だけでなく思ったことなど何でも書いて頂けるとありがたいです。
■ 目次
見解・回答
1で「カンテラ出身者がレギュラーを獲得できない現状をどうみているか」
2で「カンテラの質が低下しているといわれる、近年のカンテラをどうみているか」
3で「この先もワールドクラスの選手を獲得し続けてカンテラは起用されないのか」
について書いています。
1、カンテラ選手が減るバルセロナはどんどんスタイルが弱まる
まずカンテラ選手がレギュラーを獲得できない現状をどうみているかですが、バルサファンとしてとてもまずい状況だと思っています。
自分はバルセロナのパス回しのプレースタイルにそこまでこだわりもなく、攻撃的な自分たちから主導権を握るバルセロナなら何でもOKというスタンスの人間です。
しかし、パス回しのバルセロナのプレースタイルを考えれば、カンテラ選手が減ることは確実にマイナスと考えています。
バルセロナの強みの一つとしては、カンテラの選手もトップチームとほぼ同じサッカーをしていて、長くやってきたサッカーが心身ともに身に付いた選手が多いということだと思います。
しかし、カンテラ選手がレギュラーを張らないチームになると、それはもはや普通の強豪チームと変わらないと思っています。
現状はメッシ世代のカンテラ選手が多くいるのでこの問題が表面化されていないようにみえますが、この状況が続くならメッシ世代がいなくなったら本当に地獄だと思っています。
メッシがまだバルセロナにいるこの強い時代に、次の世代につなげるためにもカンテラ選手を多く起用するというシーズンにするべきと思っていましたが、やはり今シーズンもそうならなかったですね。カンテラ選手にとっては苦しい時代が来ていると思います。
確か暗黒時代のバルセロナも内部でごゴタゴタがあったり、チームが弱いということでどんどん補強してカンテラ選手達が希望が見えずに流出する(ピケ、セスクなど)ということがありました。
有力な選手の補強は悪いとは思いませんが、現状のカンテラ選手や現戦力を考えて実行するべきだと思います。
バルセロナのプレースタイルに誇りを持って尚且つそれを大事にしようとするなら、カンテラ選手がトップチームのレギュラーになることは欠かせないと思っています。
ちなみに今シーズン始まる前に自分が希望した選手構成はこんな感じでした。
↓↓↓
4つに続く記事の1つ目の記事ですが、要点はMSN解体(スアレス放出)とカンテラ選手を中心にチームを構成し、多少敗戦をする前提の我慢するシーズンを1年か2年するべきというものです。
ネイマールが出ていってしまったり、ヴェラッティを獲得出来なかったことは大きな誤算でしたが、このような選手構成にならないと分かっていたのでほぼショックもありません^^
2、カンテラの質は毎年問題ナシ!?
ここでは近年言われるバルセロナのカンテラの質についてで、個人的にはカンテラには良い選手が毎年何人かいる状態が続いていると思っています。
カンテラの質が悪いと言われていますが、そこまで悲観的になるほど悪い選手ばかりという印象は受けませんし、トップチームに昇格して起用してほしいと思う選手がこれまで何人もいました。
近年のカンテラの質に問題ナシと個人的には見ていますが、カンテラ選手が起用されない大きな原因はバルサファンの変化だと思います。
絶対的な勝利主義と言いますか、毎試合のように勝利しないといけない状況を作り出し、その為に監督もカンテラ選手を起用する余裕がないというのが実情だと思います。
また、ペップバルサにいたカンテラ選手の全体的な能力が高すぎて、バルサファンの見る目の基準が高くなりすぎているのも問題かなと思います。
カンテラの質が落ちたというよりもトップチームが強くなって、カンテラ選手に求める基準も高くなり、それに伴いトップチームに定着できないということだと思います。
トップチームに昇格したカンテラ選手で即戦力やいきなり違いをみせる選手はほとんどいないので、数年間我慢して起用し続けなければいけないのですが、その若手を成長させる環境が今のバルセロナにはほぼないですね。
このことにも昔記事に書いています
↓↓↓
2記事続編で書いたものです。要点は、勝利に固執しすぎてカンテラ選手を起用する環境がないということです。
3、カンテラを起用しにくい流れをどうにか断ち切るしかない!?
最後にこの先もワールドクラスの選手を獲得し続けてカンテラは起用されないのかについてですが、この流れはメッシ世代がいなくなるか、もしくは現フロント陣営が退任しない限り続くと思っています。
まず1つ目でメッシ世代がいなくなると、バルセロナは間違いなく弱くなってしまいます。それから数年間その穴を補強で埋めようとして迷走し、その先にもう一度カンテラ選手を重視するチームが来ると思っています。
そうなればカンテラ中心のチームは今から10年近く先になるかもしれないですね。
次に2つ目で現フロント陣営が退任すれば、カンテラ中心のチームになる可能性はあります。
トップの人がチームの方向転換を示せばカンテラ選手中心のチームになりますし、その為の監督就任も考えられます。
現フロント陣営は相当痛い目にあわない限り、補強するというチーム状況から変わらないと思っています。
マネーゲームでバルセロナは交渉の席でも使える金額でも勝てないのは明らかですが、現状はバルセロナの強さやブランド力や多額のお金で有力な選手を獲得しています。
それらに甘えて有力な選手をまだ獲得出来ている現状がありますが、チームが弱くなれば選手自身からのバルセロナへの逆指名の声も減ってくるでしょう。
そうなればビッグネームは獲得できません。例を出して悪いですが、弱くなったミランやインテルが当てはまったと思います。
メッシ世代がいなくなるのは数年先、現フロント陣営のトップたちが変わるのはすぐにでもできるので、個人的には現フロント陣営が退任することによってカンテラ選手の多いチームになる可能性が先に来ると思っています。
また、個人的ではありますが元会長のラポルタ氏がバルセロナのトップに返り咲けばその可能性は高いのかなと思います。
ラポルタ氏はお金の収支の面では上手くないですが、ピッチ上のことをよく考えてくれている会長という印象です。ライカールトもペップも監督に就任させたのがラポルタ会長の時でしたし。
こうやって書くと現バルトメウ会長の退任を要求しているようにみえますが、まぁ心情的にそれを支持しています。
バルセロナが現状自チームで育てる環境を作らずに他のチームで活躍した選手を買い戻す件ですが、これはまだマシな状況なのかなと思っています。
この状況でもカンテラ選手がバルセロナに在籍することには変わりありませんので、お金を使うことになりますがそれは教育代と考えるしかないですね。
最悪なのはカンテラ選手が自チームにほとんどいないことなので、その状況だけは避けてほしいものです。
バルセロナが本気でカンテラ重視に方向転換しても、自チームでカンテラ選手を育てながらもある程度勝てるチーム作りはできると思っています。しかし、勝てなくなるというリスクが恐くて一歩を踏み出せないのでしょうね。
プラッシーさんの仰るとおりだと思います。
カンテラを軽視する訳ではありませんが、重視するあまり”目標”を間違えてはいけない。
私が思うその目標、バルサのアイデンティティーは”クライフ・ポゼッションスタイルでの勝利”だと思っています。
数あるオプション戦術は用意すべきですが、根底にあるこの考え方、根っこは大切にするべきです。
バルセロナを大樹に育て、支えているのはこれでしょう。
そのスタイルを支える手段としてカンテラがあるのであって、同じ役割をよりよくこなし才能があり将来有望な選手が他のチームに居るならそれは獲る選択肢も認められるべきです。
例えばウムティティはカンテラ出身でなくともカンテラ出身のようにプレーできる素晴らしい選手で、実力は放出されたバルトラ以上でしたし。
それと今の大多数のバルサのファンは、ポゼッションを主体とした攻撃的なサッカーで、タイトルを獲ることを最優先にしています。カンテラはそれを達成するための”手段”に過ぎず、カンテラを重視すること自体が”目標”になると、ビルバオのような別なチームに変わってしまうと思います。
テア・シュテーゲン、ウンティティらのようにカンテラ以外でも素晴らしい人材がいるので無理にカンテラにこだわらず、補強するのはそこまで悪いものではないはずです。
カンテラが輩出しやすいポジション(CMF,DMF,CB,GK)とそうでないポジション(WG,CF,SB)を分けて考えたほうがいいと思います。
バルサ特有の動きが求められる前者の補強はともかく、後者はカンテラ以外でも適応は難しくなく、そこまでカンテラを重視する必要性はないのでしょうか。
また近年バルセロナBからの昇格が少ないのは、今シーズンまで3部にいたカンテラーノが1部で経験を積ませるのは時期尚早で、2部、1部下位、中位へのレンタル、途中出場からローテーションへと段階的にステップアップさせるためで、別段カンテラを軽視してるわけではないはずです。
むしろトップチームでいきなり起用しても、クラックらに遠慮して無難なプレーに終始してしまい、かえって成長を妨げることも考えられます。
メッシが抜けたらバルサは国際タイトルからは遠ざかるでしょう
ペップもバイエルンでは一度も決勝に行けなかったのですから
それから今のバルサはレアルが黄金期に突入しつつあるという意味でもプレッシャーは大きいでしょうね。
特にスーペルクラシコでの完敗からのスタートという時点で過去最悪の夏だと思います。
個人的にはカンテラを採用するにしても一度はレンタルで武者修行させるべきだと思います。
下部組織上がりの選手は全体的に遠慮しがちでアピールが弱い気がするので他クラブで揉まれて負けん気の強さを身につけてからチャレンジして欲しいです。
「とし」さんへ
2005年にライカールトバルサがCL制覇してから、バルサはタイトル取らなければ失敗という傾向が強くなったと思います。そしてそれはペップバルサにより、とても強くなりました。それが今の育成よりも勝ちにこだわって、カンテラ選手を継続的に起用できない状況に繋がっているのではないかと思います。
「ケンジ」さんは現在のフロントが変わらなければ状況は変わらないと言われていますが、どのフロントになっても大して変わらないと思います。メッシ世代が抜けたら、変わるのではないでしょうか。メッシがいるうちにできる限りタイトルを獲得したいと皆考えるでしょうし。
タイトルを獲得しながらカンテラから引き上げて育成も行う。それはすごく難しいことですが、ブスケッツ、イニエスタ、シャビ、そしてメッシが同時期に揃ってしまったことで難しく見えなくなってしまったことが今の問題につながっているのかなと思います。仕方がないことですが苦笑
育成も頑張ってほしいとは思いますが、2008-2009年から現在まで無冠だったのは1回とタイトルを毎年のように取ってる状況ではなかなか難しいかな~と思います。
バルベルデもタイトル、結果を出さなければ・・という重圧があると思いますし・・まあ頑張ってほしいです。
長文失礼致しました。