《質問》セルジ・ロベルトとアウベスの違い(右ラテラル)は?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

「茶飲みばーさん」より

「1、セルジロベルトとアウベスの違い(右ラテラルとして)

2、ベテラン選手と若手 切り替えるタイミングについて

3、ルイスエンリケの監督としての評価

一応私なりの意見もつけておきます。

1 セルジロベルトが優れている点・・・パスの正確性、守備時の勤勉性。アウベスが優れている点・・・スピード、スタミナ、特に連戦に耐えうるスタミナがロベルトには足りないと思われるので当面は丁寧な疲労管理が必要

2 シャビやアウベスを見ていると、平均してパフォーマンスが落ちるのではなく水準以上のパフォーマンスを示せる試合数が減っていく形で衰えていくように思います(原因はケガ、疲労回復、モチベーション等様々ですが)。本人がバックアッパーの立場(処遇を含む)を受け入れられるか、チームが限られた試合出場のためにスタッツに入れられるかが判断ポイントでしょうか

3 試合または試合中の采配に革新性は少ないので評価は低いようですが、シーズン中の体調管理は天才級と思っています。特に昨期の連勝中の間、非常に限られたメンバーでかつ相手の戦力差ぎりぎりを見極めながらのローテーションがすごかったです。残念ながら代表W+クラシコの日程でその手腕が活用できず失速しましたが」(コメント多少修正)

「茶飲みばーさん」コメントありがとうございます。3つの質問に答えるとあまりにも記事が長くなるので、1つの質問に対して1つの記事で回答したいと思います。今回は「1、セルジロベルトとアウベスの違い(右ラテラルとして)」です。

見解・回答

・フィジカル面ではスピード系のセルジ・ロベルト、強靭な肉体のアウベス

まず比較する時にフィジカル面、攻守、戦術理解度、キャラクターの4つに分けて考えていきます。まずはフィジカル面ですが、せっかくなのでアウベスは現在のアウベス(33)ではなくペップバルサの時の全盛期のアウベスと比較していきたいと思います。

まずラテラル(SB)に大きく求められる走力ですが体力面ではアウベス、スピードや敏捷性ならセルジ・ロベルトが優れていると思います。アウベスは体力面では間違いなく世界のサッカー選手の中でもトップクラスで、怪我のしない強さも含めて筋肉の耐久性は常識に当てはまらない選手。セルジ・ロベルトもよく走り体力がある選手ですが、トップレベルでシーズンを通して毎試合戦ったことがないので耐久性では劣り、純粋に体力面でアウベスに劣っているでしょう。アウベスが常人レベルではない

スピード系では多少セルジ・ロベルトの方が上かなと思います。セルジ・ロベルトは結構足が速い選手で、特に出足の1歩となる敏捷性は相当速い。アウベスもスピードがあって敏捷性に優れていますが、アウベスの場合は読みだったり動き出しがセルジ・ロベルトよりレベルが上なのでより速く感じているのかなと思う所。個人で測定すると同じか多少セルジ・ロベルトの方が上なのかなと思います。

体の当たりの強さではアウベスの方が間違いなく強いでしょう。これはセルジ・ロベルトの24歳という年齢とトップレベルの試合を経験した成長後を考えてもアウベスほどは強くならないと思います。セルジ・ロベルトが純粋に体の当たりがメチャクチャ強くなる選手になるとは思いませんが、そこは頭を使ってカバー出来るぐらいまでは強くなると思います。

全体的にフィジカル面ではアウベスの方が勝っていると思います。アウベスのフィジカル面が常人レベルではないだけで、セルジ・ロベルトも走力に関しては相当高い選手なのは間違いないでしょう。セルジ・ロベルトがラテラルでやっていくのにフィジカル面で困ることは何もないレベルだとは思いますし、走力は1つの持ち味ぐらいに思ってよいレベルでしょう。

ここでアウベスのフィジカル面についての小話。アウベスの子供の頃の話で学校までの10kmほどの距離を毎日走って往復し、学校が終わると少しでも長くサッカーをしたかったので急いで走って家まで帰っていたというお話。日本人なら自転車や公共機関の乗り物を使って登校しそうですが、3年間や6年間走ってこの距離を学校へと通うとアウベスほどの耐久性の強い筋肉のベースが出来上がるのかもしれませせんね( ̄▽ ̄)。とてもしんどそうですが慣れたらなんてことないんでしょうね( `ー´)ノ

 

・攻守ともにセルジ・ロベルトよりアウベスの方が1枚上手

次は攻守で、セルジ・ロベルトの現状の実力なら攻守共にアウベスの方が1枚上手なのは間違いないでしょう。もし今20代のアウベスがバルサに在籍していたら、アウベスが1番手でセルジ・ロベルトが2番手という序列で疑いの余地なし。現状のセルジ・ロベルトはラテラルとしてもサッカー選手としても発展途中なので、さらなる急成長があったりしたらセルジ・ロベルトの方が上に来る可能性もあるかもしれませんね。

攻撃ではアウベスの方が周りと連携して攻撃するのが上手く、特にメッシとの連携はセルジ・ロベルトが将来的に到達出来るかは難しそうなレベル。さらにラテラルとしての経験がアウベスの方が豊富で、オーバーラップのタイミングやフリーランニングでもセルジ・ロベルトは劣っている。さらにアウベスには積極的なドリブル突破もあり、それがサイドだけでなく中央に入ったプレーでも効果的でしたが、セルジ・ロベルトはドリブルという突破面でもアウベスに劣っている。

逆に言えばセルジ・ロベルトにはこういう部分を伸ばしてほしい所であり、アウベスほどといかなくてもセルジ・ロベルトには大きく期待!!!攻撃面でセルジ・ロベルトが勝っている所と言えばボールロスト率の低さに見られる、ビルドアップでアウベスよりも安心して見られるところぐらいでしょうか。アウベスの場合は良くも悪くもボールを持つのが好きな選手だったので、結構相手チームにプレスや囲い込みで狙われてボールを奪われるシーンもありましたし。

守備でもアウベスが全体的に勝っており、対人での守備、クロスボールに対するマーク、プレスでの圧力、自陣での守備などアウベスの方が経験もあって上だと思います。アウベスの守備力が低いと言う人もいますが、個人的にはアウベスは守備に対してとても真面目で上手い選手だと思います。攻守の切り替えが速くプレスでは手を抜くことを知りませんでしたし、1対1の守備やフィジカルコンタクトでもアウベスがダメだなと思う時は少なかった。アウベスの方が経験もあって対峙する相手選手に対してどうすれば良いか分かっていると言った方が正しいのかもしれません。そういう意味でもアウベスは守備面に対して頭が賢い選手だったはず。

セルジ・ロベルトは絶対的に経験数が足りず、まだラテラルとしては手探りの守備の段階だと思います。それでも結構守ってくれていますが、現状はセルジ・ロベルトの真面目さと走力でがむしゃらに守っているという印象が強いですね。ベイルだったりディ・マリア辺りと1対1で対峙したら、正直セルジ・ロべルト1人では無理でしょうと思えてしまう所。

今夏のプレシーズンのレスター戦でムサにぶち抜かれて失点したシーンがありましたが、相手が速いというのがありましたがセルジ・ロベルトが相手選手を軽く見て普段通りの守備をしてしまったことで簡単に抜かれた典型的なシーン。アウベスだったら相手の足の速さを考えて後方に下がりながら遅らせることに集中し、突破しようとしてもスライディング辺りで守っていたかなと勝手に推測。後半開始ほぼ1発目のプレーで、ムサという選手もほぼ知らなかったのであのシーンで抑えれなくてもそこまでセルジ・ロベルトに責任があるとは言えませんが。

 

・戦術理解度はアウベスよりもセルジ・ロベルトの方が高い

次は戦術理解度で、これは現状ではラテラルの経験に差があるのでアウベスの方が上ですが、将来的にはセルジ・ロベルトの方が戦術的には色々なバリエーションが出来るラテラルになると思います。アウベスの場合はバルサでは超攻撃的なラテラルでしたし、特にペップバルサというポゼッションサッカーではとても重要な選手な位置づけでしたが、普通のチームに行くとアウベスの良さは消えてしまう要素が多いでしょう。ブラジル代表ではアウベスの活躍は正直バルサより見劣りしていましたし。

アウベスは初めから攻撃的な役割を任せるなら大きな活躍が出来ますが、守備を重視したり通常のラテラルの動きに制限するとアウベスを使う意味がそこまでないと言えるでしょう。アウベスは攻撃的にいくラテラルという制限付きなので、チームが様々な戦い方をするチームならスタメンから外れる場合もあるのかなと思います。ユベントスではリヒトシュターナーもいるので常時スタメンは難しそうですが、活躍を祈っている( `ー´)ノ

それに対してセルジ・ロベルトはそもそも本職が中盤のセントラルの選手で、カンテラ時代から中央だけでなくサイドなど多くのポジションでプレーしており、今ではGKとCB以外なら何処でもプレー出来るというマルチな才能があります。それはすなわちプレーエリアがとても広く、自陣や相手陣地、中央やサイドなど関係なくピッチ上の何処にいても適切な判断が出来る選手という証明でしょう。

セルジ・ロベルトには経験以外の穴らしい穴という弱点がなく、頭の回転が速く自己犠牲をしてでもチームへの献身性も高い選手なので、様々な戦い方をしても戦っていける選手だと思います。監督が言ったことに対する吸収力も高そうで、自分に何が求められているかもしっかりと認識していると思うので戦術的にはセルジ・ロベルトの方が重宝されるべき選手でしょう。

 

・内気なセルジ・ロベルトと陽気なアウベス

最後はサッカーにそこまで関係ないかもしれませんが、最も違いがあるのはキャラクターだと思うのでキャラクター要素も。一言でいうと内気なセルジ・ロべルト、陽気なアウベスと言えるでしょう。セルジ・ロベルトは恐らく同じクラスにいても積極的に発言したり前に出ていくタイプではなく、少し物静かでどちらかと言うと真面目タイプなキャラクター。逆にアウベスはブラジル人らしくとても陽気な性格で、積極的に前に出ていくタイプでクラスではムードメーカー的存在なキャラクター。

どちらが良いとかはなく、これはその選手の1つの個性なので変えていくこともないでしょう。セルジ・ロベルトは長くバルサでプレーして恐らく引退するまでバルセロナに在籍すると思うので、将来的にはキャプテン候補だったりチームをまとめ上げる存在になって欲しい所。

恐らく今の第1キャプテンであるイニエスタ同様そこまで声を出して引っ張っていくタイプではなく、プレー面や落ち着いて話を聞いてあげることでチームをまとめる選手だと思うので、イニエスタを1つのお手本としてそういう部分も学んでくれれば。イニエスタも若い時はキャプテンという要素は感じられなかったが現在では立派なキャプテンになっているので、ふと気付いたらセルジ・ロベルトもチームの中心選手になっていくのだろうな( ̄▽ ̄)

 
 

1 Responses to “《質問》セルジ・ロベルトとアウベスの違い(右ラテラル)は?”

  1. 茶飲みばーさん より:

    早速取り上げていただいてありがとうございます。アウベスの体力は確かに超人レベルですね。セルジロベルトも1試合の中では運動量が豊富でスタミナを見せますが、連戦の中でアウベス並みは難しいと思います。ビダルの成長による一定のローテーションが戦力維持には不可欠ですね。
    2番目の質問と関連しますが、シャビ⇒ラキ、アウベス⇒ロベルトのようにファーストチョイスの世代交代のタイミングのあり方に興味がありまして、
    機会があれば昨年のアウベスとロベルトの比較もお願いします。

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