《質問》バルセロナの1タッチパス回しはもう見れないのか?
コメント欄に質問があったので回答したいと思います。
『バルサといえば、1タッチのパス回しが代名詞のチームと捉えていましたが、チームスタイルの転換点に来ているのでしょうか。
それとも、シャビのような1タッチでパス回しをする選手がむしろ異質だったのでしょうか。』
貴重なコメントありがとうございます。
コメント欄は記事の下にあります。質問や疑問点だけでなく思ったことなど何でも書いて頂けるとありがたいです。
■ 目次
見解・回答
1で「1タッチパス回しのチームスタイルの転換点に来ているのか」
2で「シャビが在籍したペップバルサ時代が異質だったのか」
について書いています。
1、チームスタイルは変わらずともレベルは変化する
まずバルセロナが1タッチパス回しのチームスタイルの転換点なのかについてですが、パス回しで試合を支配しようとするチームスタイルは変化していません。
しかし、チームスタイルは変わらずともチームのレベルは毎シーズン変化しています。
それは特にバルセロナに在籍する選手に影響されますし、パス回しのスタイルで言えば、今のバルセロナは良い時代に比べればレベルは落ちています。
クライフ氏の名言で
「1タッチでプレーする選手は良い選手、2タッチは並の選手、3タッチはダメな選手」(少しアレンジしています)
というのがありました。1タッチでのプレーはそれほど難しいものだと思っています。この名言は状況判断という頭を使える選手か、頭を使えない選手かということを表現したものだとは思いますが。
これに付け加えるのなら、
「1タッチでプレーするためには周りの選手にも恵まれないといけない」
ということです。1タッチでプレーするには周りの選手の連携した動き出しが必要です。この周りの動き出しがなければ、ボールを受けた選手がどれだけ良い選手でも1タッチのプレーは出来ません。
例を挙げるとすると、メッシが普通の小学生のチームに入っても1タッチのプレーはほぼ出ないでしょう。
つまり、1タッチのプレーの連続はチームとしてとてもハイレベルのプレーの連続となり、現在のバルセロナでそれを実現するのは難しいと思っています。
連続でないならバルセロナは1タッチでプレーできる選手が多くおり優秀な選手もいるので、普通のチームより1タッチのプレーが多いとは思いますが、良い時代に比べれば劣るのは確かです。
1タッチのプレーには基本的に対戦相手はついていけませんし、それが連続となるとほぼ相手選手はカカシのような棒立ち状態と変わりません。
この状態がパス回しをするチームの最高状態だとは思いますが、今のバルセロナはこの状態ではないということです。しかし、チームのプレースタイルは変わっていないようにみえます。
2、ペップバルサ時代は異質、数十年に一度くる時代だった!?
この質問からみるに、恐らくペップバルサ時代の試合を見てバルサファンになられた方からの質問だと思います。
自分は2001年のリーガ最終節のバレンシア戦、リヴァウドの圧倒的な存在感とオーバーヘッドのゴール、そしてその試合のカンプノウのスタジアムの雰囲気に魅せられてバルサファンとなりました。
その時は全くサッカーを知らなかったのでポケーっと毎試合見続けていましたが、今振り返ると暗黒時代で勝利出来ないバルセロナの時代でした。
現在のバルセロナのような優勝候補筆頭のチームではなかったと記憶していますし、レアル・マドリードだけでなくバレンシアやデポルティーボなどにも勝てないと思って試合を見ていました。カンプノウの試合でもなんとか引き分けてくれ~と祈っている状態です。
当時のやっているサッカーや立ち位置をみているからか、現在のバルセロナをそこまで悲観的に捉えていないのかもしれません。
ある意味自分はチーム状態がどん底に近いところから見始めています。確か絶不調のバルセロナは3試合で決定機が2回しかなく、3試合連続スコアレスドローの時期というのもありました。
逆に、今の日本のバルサファンの半数近くは、ライカールトバルサのロナウジーニョ、もしくはペップバルサのメッシを見てファンになったと思います。
この2つの時代は苦しい時もありましたが基本的には強いバルセロナの時代でしたし、この時代でバルサファンになった人からしたら現在のバルセロナは苦しく見えるのかもしれませんね。
特にペップバルサはバルセロナの歴史でも最高潮と言える時代であり、一番上の状態から見てそれをバルセロナの基準と考えてしまっては苦しむと思います。
話は相当逸れましたが、ペップバルサは異質な存在で、あのようなサッカーは簡単に実現できないということです。
あの時代はブスケツ、シャビ、イニエスタ、メッシと中盤で化け物のような選手が並んでしました。それもブスケツを除いた3選手はカンテラ歴が長いバルセロナのサッカーを完全に実現できる選手が揃っていました。
シャビ1人の力だけで1タッチパス回しのサッカーは実現できません。もしそれが出来るのなら、シャビが現在所属するアル・サッドは凄いサッカーをしているのかもしれませんね。
シャビは若い頃から攻撃で頼れる異質な存在でした。しかし圧倒的なペップバルサ時代も、カンテラ選手で尚且つトップレベルの選手が多く在籍するという、数十年に一度来る恵まれた時代だったと思います。
つまり、あのペップバルサ時代を最低ラインと考えると、パス回しのサッカーということでは満たされることはほぼないでしょう。
他を圧倒するサッカーを実現しながら勝利する時代は、当分訪れないと思います。現在のバルセロナでも十分相手チームよりは強いと思いますが、強豪相手には少し疑問点がつくのも確かです。
時間が過ぎてバルベルデバルサが形になってもペップバルサの時代のようなパス回しで魅せるチームになるとは思いませんが、優勝候補筆頭のチームレベルにはなると思っています。
自分はリアルタイムでバルサを追い始めたのはペップが退任したあとでペップ・バルサは後追いでしか見ていないので、ペップ・バルサをそこまで絶対視してないです。
それに10-11シーズンは確かに黄金期でしたが、4年間安泰だったわけではなく、9-10シーズンはプジョルとバルデス頼みで守備が不安定でしたし、11-12シーズンはサイドで起点を作れないという弱点が明確になって手詰まり感がありましたからね。
5バックやハイプレスが浸透した今、選手を揃えてペップ・バルサを再現したとしてもあの頃のようにはいかないと思います。
連投になってしまい申し訳ありません。
現在バルサに所属している選手で、パスサッカー復権の鍵になりそうな選手は誰とお考えですか。
私はあわよくばデニス・スアレスがイニエスタの後継者になってくれないかなと考えています。
本来ならば、シャビの後継者も欲しいところですが、現所属メンバーからは想像できません。
お答えいただきありがとうございます。
おっしゃる通り、私にとってのバルサの(理想の)イメージはペップ時代です。
極端な表現をすれば、相手にほとんど何もさせないで勝つことができるチームだったという印象が強いです。(14-15のCLでも相手に希望を抱かせる勝ち方と評されることもあり、10-11はどれほど強かったのだろうと思います。)
マスチェラーノをCBで起用できたということは、いかに攻め込まれる場面が少なかったかを表しているのではないでしょうか。
周りの選手のレベルはチームスタイルと関係してきそうですね。
ペップバルサは下部組織出身者が多く、バルサでの経験が豊富な選手たちだからこそできたやり方かもしれません。
下部組織出身ならば、バルサ歴10年近くもいるでしょうが、移籍組だとそうはいかないですから・・・。
歴史的に見ても、ハイライトな部分なのは明らかだと思います。
わかっていてもあのイメージを拭いきれないクレたちはたくさんいらっしゃるでしょうね。
勝ちに傾くか、あのスタイルなら負けもよしとするのか、2つを同時に追うことはやはり難しいですよね。
ちなみに、私は2004年辺りから徐々にバルサの試合を見る機会が増えていきました。