《質問》バルセロナを離れたネイマールはエースと呼べるプレーをしているのか?
コメント欄に質問があったので回答したいと思います。
『以前の記事で、ブログ主様は、
ネイマールを大変評価していらしたと思うのですが、今シーズン、PSGおよびブラジル代表でのネイマール、あまりにボールロスト、持ちすぎ、判断遅い が続いていませんか?
若さゆえなのかよう分かりませんが、およそエースと呼ぶにはほど遠いレベルのように感じます。
全盛期を楽しむためにとにかくメッシばかり観ている私の目が肥えてしまったのか、イライラが止まりません。
もしかしたら、トリデンテ時代のリバウド、全盛期ロナウジーニョ、暗黒期リケルメを今観てもイライラするかもしれませんが笑
ブログ主様のお考えをお教えいただけたらと思います。』
貴重なコメントありがとうございます。
コメント欄は記事の下にあります。質問や疑問点だけでなく思ったことなど何でも書いて頂けるとありがたいです。
■ 目次
見解・回答
1で「ネイマールのプレーはバルセロナを離れて変わってしまったのか!?」
2で「エースに求められるもの、与えられるもの」
3で「ネイマールの今後の3つの心配点」
について書いています。
1、ネイマールのプレー自体は変わっていないが自由に伸び伸びプレーしている
まずバルセロナを離れたネイマールのプレーですが、自分はネイマールのボールタッチ集の動画で常に確認しています。
もしかすると移籍の件でネイマールのプレーを見るのも嫌になっているバルサファンの方もいるかもしれませんが、シンプルにプレー自体あいかわらず凄いです。自分はネイマールを応援していることもありますが。
ご指摘のネイマールのワンマンプレーですが、個人的にはそこまでバルサの時と大きく変わってしまったとは感じていません。
ただパリでもプラジル代表でもチーム内で序列がトップに立っていることで、バルサの時より伸び伸び自由にプレーしているなとは感じています。
ボールの持ちすぎという球離れは確かに悪くなっていますが、ドリブルが最大の持ち味の選手だけに許容範囲とみています。ネイマールのプレースタイルはこういうタイプだと割り切っていると言った方がいいかもしれません。
パリもブラジル代表もネイマールをチームの中心に据えて、エースとして戦うことを選択していると思いますし、多少の傲慢なプレーも許してあげるべきなのかなと思っています。
パリでは圧倒的な力を見せて得点に絡んでいますし、ブラジル代表の方ではW杯出場を決めてるからか緊張感ゼロで、さらに自由にプレーしているようにみえます。
ボールロストが多いのも、ボールを持ちすぎなのもネイマールの特徴みたいなものなので、自分はあまりイライラしていません。
効果的なプレーが全くないなら問題ですが、効果的なプレーはしていると思います。
バルセロナを離れたのでネイマールのプレー単体に興味があるだけで、そのチームの勝利には興味がないのでそう見えているだけかもしれませんが。
2、エースはチームを勝利に導き、そして特権が与えられる
ここではエースに求められるもの、そして与えられるものについてです。
まずエースに求められるものですが、チームを勝利に導くことだと思います。
それは主にプレー面で引っ張るということで、多少メンタリティが幼くても問題ナシだと思っています。
圧倒的な個の力があればそれをチームとして生かすのは当然のことだと思いますし、近年のバルセロナもメッシがエースで、メッシはその期待に応えてバルセロナを勝利に導いてくれていると思います。
メッシもピッチ外のリーダーだったり声を出して引っ張る存在ではありませんが、ピッチ上のプレーでは中心選手ですし、エースとして選手だけでなく監督やファンからも認められています。
次にエースに与えられるもので、それはやはり特権だと思います。特権と言ってもピッチ内だけで、ピッチ外では平等に扱う必要があります。
特権には色々あると思いますが、主なものは守備の免除です。
攻撃の上手い選手は守備をするのが好きではないのか、守備をさぼりがちです。チームを勝利に導く真のエースの場合は、守備の免除という特権が与えられてもいいと思っています。
監督によって最低限の守備は求められますが、それ以上は守備面で求めず攻撃面で結果を残せばOKといった状況です。
現在のネイマールはパリでもブラジル代表でもエースの存在なので、周りの選手もそれを認めていることから多少の傲慢なプレー、そして守備の免除という特権が与えられているのだと思います。
チームのエースとはそういうものだと思っていますし、ネイマールのプレースタイル的にボールの持ちすぎになるのは、バルサを離れたときからそうなるだろうと思っていたので、後はそれをしても個人だけでなくチームとしても結果を残すことが重要だと思います。
現状パリは快勝していますが、今シーズンは国内のリーグ戦とカップ戦は必須のタイトルで、国内では敵なしだと思うので、後はCLの大会でどれだけ躍進できるかが大きなカギになるでしょう。
3、勝利以外が目的、ゴールに向かわない、体調管理
最後にネイマールの今後の心配点で、勝利が目的でなくなる、プレーがゴールに突進しない、体調管理の3つです。
まず1つ目の、勝利が目的でなくなるですが、これが個人的には最も恐れていることです。
パリに移籍して国内ではライバルと呼べるクラブはほぼおらず緊張感がなくなり、ネイマール自身が勝利に強い欲をみせなくてもチームは勝利してしまい、ネイマール自身が勝利という目標を見失ってしまうことです。
パリのファンからもスター扱いを受けているようにも感じ、一時期のロナウジーニョではありませんが「勝利<魅せるプレー」という優先順位になってしまうのではないかと心配です。
バルセロナにいればレアル・マドリードという永遠のライバルチームがおり、チーム内にも引き締める選手が数多くいるので大丈夫だと思っていましたが、パリやブラジル代表で好き勝手にプレーすることを継続していれば、勝利を忘れてしまう可能性もあるのかなと思っています。
2つ目の、プレーがゴールに突進しないですが、これも1つ目のことと似ています。勝利という最大の目標を忘れたのち、プレーの目標を見失ってしまって効果的なプレーが減ってしまうことが恐いです。
ネイマールがサントスからバルサに加入したときに課題として戦術理解、欧州サッカーへの適応、フィジカルコンタクトなどいろいろ言われていましたが、個人的に最大の課題はゴールに直線的にプレーすることだと思っていました。
メッシのようにゴールに向かう選手は相手に脅威を何倍も与えますし、それが出来たらネイマールはバルセロナでも活躍間違いなしだろうと考えていました。
これがバルセロナで出来るまで1年と少しかかった気がしますが、最悪2年くらいかかるとも思っていたので、ここが改善されたからネイマールが得点に絡むプレーは増えたなと感じています。
3つ目の体調管理ですが、これは単純に太ってしまうかが心配です。
偏見かもしれませんが南米の選手、特にブラジルの選手は太ってしまう選手がいくらかおり、ネイマールに対してもその心配は常にあります。
ネイマールの場合は見た目以上にサッカーに集中していて、体のケアや食べ物に注意を払っているので大丈夫だろうと思っていますが、パリに移籍して「俺は自由だ~!」とか思ってサッカー以外の所に興味がいかないかが心配です。
サッカー以外の所に興味がいくとダイレクトに体の太さで現れやすいのも、ブラジル人の1つの特徴なのかなと思っています。
現在はまだこの3つの心配点は表面化していませんが、来シーズンや2年後にはこれらがネイマールの心配点です。
ネイマールの活躍はバルセロナに直接的に関係はありませんが、元バルセロナ所属ということもあり活躍してくれた方がいいと思っています。
ネイマールは素晴らしい選手ですよね。
サイドでも中央でも輝ける稀有なタレントで、こういう選手はネイマールか、メッシか、デブルイネ、アレクシスぐらいしかいないのでは。
デンベレはその要素がありそうで期待はしています。
ただ、前述のネイマールですが、中央で輝くには若干持ちすぎで、バルサでも中に入った所を奪取されてカウンターを食らうシーンには冷や冷やしたものです。
メッシも勿論同様のリスクはありますが、ベネフィットが段違いであり、まだまだネイマールにメッシ超えは、特に中央では難しいと思います。
かといってサイドでいくらチャンスメイクしても、得点が目減りすれば、バロンドールからは遠ざかるというジレンマも彼にはあるのでは無いかと思い、色々難しいな、と勝手にネイマールの心を慮っておる次第です。
まあ、とにかくバルサファンに嫉妬心を起こさせない程度に頑張って欲しいものですね。