《質問》バレンシア戦でのルイス・エンリケの激怒は誰に対して?

コメント欄に疑問点があったので回答したいと思います。

「クレオ」さんより

15/16国王杯準決勝 2nd 2/10 バレンシアVSバルセロナ 試合評価に対して

「国王杯のバレンシア戦、エンリケさんがペットボトルを投げつけて激おこのシーンがあったと思うのですが、あれは誰に対して怒っていたのでしょう?テアシュテーゲンという話をチラッと聞いたのですが、ちょっと気になりまして。どなたか、ご存じでしたら教えてください。」(1部分抜粋と多少修正点あり)

「クレオ」さんコメント残しありがとうございます。

見解・回答

・シュテーゲンでは絶対にない!?

まず問題のシーンですが、28分のヴィラルバにミドルシュートを許したシーンですね。ルイス・エンリケが怒ったと噂されているシュテーゲンですが、見返した所シュテーゲンが怒られるほどのプレーはしていないと思います。

もしシュテーゲンならビルドアップで大きく蹴り出したボールを奪われてからのヴィラルバのシュートであり、ビルドアップの判断が悪かったこと、もしくはディフェンス時の後ろからのコーチングミスしか考えられません。

シュートに対してはしっかり準備して油断や隙を一切見せていなかったので、セービングの準備やセービング面でのミスでは間違いなくないです。

ビルドアップで大きく蹴り出したボールもしっかり味方の方に蹴っていますし、あそこで大きく蹴る判断はGKとしては決してミスと呼べるものではないでしょう。あの時出せるパスコースは右サイドへのバルトラだけで、左側から左足に帰ってきたボールの処理としては無難なプレーで正解だと思います。

自分が見る限りはシュテーゲンに全くミスはなかったと思います。コーチングをしなかったなどのコーチングミスに関しては声も聞こえないので分かりませんが、そんなことで怒っているルイス・エンリケも見たことないのでそれでもないと思います。

 

・バルトラorビダルの可能性高し

では誰が怒られた対象かと言いますと、自分では間違いなくバルトラだと判断しています。あのシュートが打てるPA付近にしてはマークの距離が遠く、尚且つ一度相手に背中を向けてターンした守備は怒られても仕方ない守備だと感じます。多分自分が監督でも注意はしたと思います。

シュートが打てる距離で相手から完全に目を離す(背中を向ける)守備は最悪のプレーの1つで、リーガクラスのチームならPA付近はしっかりマークを付かなければ、シュートを入れられる可能性が高いレベルだと思います。

あの時はほぼフリーでシュートを許してしまった状況であり、また人数的に数的有利な状況だけに“軽い守備”と捉えられても仕方ありません。ボールが渡る時にバルトラが相手との距離を離して下がった守備もマイナス点で、あの守備なら監督なら怒るべきポイントだと思います。

もしバルトラでもないならば、もう1人考えられる対象はビダルです。ヴィラルバにパスが渡った時に横にいましたが、ほとんどプレッシャーをかけなかったことですかね。でもバレンシアの左サイドに上がってきている選手が見えたので、その選手を気にしてポジションを崩さなかった判断だと思います。

エンリケバルサの守備の方法ならビダルに必要以上に中に絞ることを求めずに、サイドへの展開を警戒した少し中に絞ったポジショニングで良かったと思います。ビダルはバルサで試合に出てまだ1か月ぐらいなので、もし中に絞らなかったこと(戦術面)だけで爆ギレされるとも思いません。

バルトラからしたらビダルが中に絞ってプレスをかけると判断して後ろに下がった可能性もありますね。ここはチームの守り方(約束事)で変わって来るとは思いますが、あの状況のバルサの守備ならバルトラが第1にマークにいく判断で間違いないとは思います。まだ中央にベルマーレンがいましたし、たとえバルトラが抜かれてもベルマーレンがカバーリングしてくれていたでしょう。

バルサの守備のやりかたとバルトラの対応を考えれば、バルトラが怒られた可能性は極めて高いと思います。恐らくバルトラで間違いないとは思います。

 

・数的有利な状況の守備を作ることがトレンド!?

ここからは別のお話になりますが、現代のサッカーでは守備時の数的有利という守備はファールなくボールを奪うのがトレンドであり、ファールをしただけでも不味い守備のように見られています。それだけ数的有利の状況で守備をする為にどのチームも守り方を考え、四苦八苦している問題だと思います。

コンパクトな守備を見せるのはスペースを与えないだけでなく数的有利な状況を作りやすいという目的の意味も強く、特にプレス面で囲い込みや挟み込みで現代のトレンド守備となっています。ただ下がって自陣で守備をするチームは減り、最終ラインを高く設定して前線との距離を縮める守備は、守備から攻撃で一気に速攻で相手ゴールに迫る守備方法としてリーガでも重宝されています。

多くのチームが相手のボールをサイドに寄せて、そのボールサイドにチーム全員が寄ることで相手より数的有利の状況を作って来る。特にこの守備をするのはアトレティコであり、9人となった状況でも中盤から前の選手が必死に走りサイドで上手く守っていた。バルサが9人のアトレティコを崩せなかった大きな要因だったと思います。

「数的有利=絶対に成功する(相手より優位に立てる)」と考えれるほど今のサッカーは数的有利の状況を作るのに必死で、SBの攻撃参加は元々この数的有利な状況を作り出すために考えられた戦術なのだろう。少し前まではバルサの攻撃はスペースを埋めれば止めれると言った感じだったが、最近では相手より数的有利の状況を作り出す守備の方法が増えてきているように感じる。

これからサッカーを見ていく上で、守備側と攻撃側の数的有利の作り方というのを注目して見ても面白いのかなと思います。これもペップの影響なのかな~と勝手に推測( ̄▽ ̄)

 
 

2 Responses to “《質問》バレンシア戦でのルイス・エンリケの激怒は誰に対して?”

  1. バルファン より:

    こういっては何ですが・・・確かにアノ瞬間だけ切り出せばバルトラか?アレイシュか?となるかもしれません。
    ただ自分は何回も見返した結果ケンジさんの見方とは少し異なってしまいました。

    あの場面はポルテーロにバックパスする度に間合いを詰められハメ込まれるところから始まります。詰められハメ込まれ出し所がなくなったので 仕方なくステーゲンは大きく蹴り出します。バルサらしくないこのプレー、本来ならハメ込まれる前に(詰められスペースがなくなる前に)左サイドにいたマテゥがドライブ(運ぶドリブル)すべきでした。彼がバルサにいるのはその為でもあるのです。右サイドに振ってバルトラ・アレイシュでもいいです。
    まずこの一点。

    次にボールはあっちこっちいったあげく相手に渡り 最終ライン前のサンペールとマンツーなりました。
    交わしてくる相手選手に軽く足を出した彼は簡単に交わされました。
    フリーになったボールホルダーと相手全員は一斉に前を向き、何通りも選択肢を与えた結果フィニッシュまで持っていかれました。

    1対1でボールを奪いにいくのはいいが絶対に入れ替わってはいけない場面。それが最終ラインの前というもんです。

    正直サンペールのプレーはアマチュアレベルです。
    一体Bチームは何をやっているのでしょう?
    同世代でバイグルやリロイ・ザネなどはトップチームで高度なプレーを見せています。

    これに対してあの場面バルトラは仕方ないと感じます。
    真ん中からサイドに出されたパスに外向き半身になるのはセオリー通りだし相手に受けられた時点で内に向き直すのもセオリー通りです。
    シュートに体はれなかったのは残念ですが あの体勢からはちょっと無理でしょう。やれる事はやってる様に見えます。アレイシュも然りです。

    本題に戻ると 自分的にはサンペールなんですが、エンリケはどうなんでしょう?

    ただ試合中露骨に特定の個人に対し怒りを表すのは何ですから 全体のビルドアップの部分かもしれません。
    どこかで彼はコメント残していないですかね?

    長々失礼。

  2. クレオ より:

    おはようございます。
    わざわざ記事にして詳しく回答してくださって、本当にありがとうございます!
    そんなに細かく見ていない自分が「サッカー好きです」と言うのも恥ずかしくなるくらいです。

    2次元カメラでチームと監督を同時に観られたらいいのですけどね。
    いきなりベンチが映し出されると、何が起きたのかわからなくて驚きます。

    それにしても、サッカーは奥が深いスポーツですね。
    全てを理解するのは無理ですが、少しでもわかるとさらに楽しめます。
    またよろしくお願いします!

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