《質問》パウリーニョを獲得したバルセロナのこれからの姿は?
コメント欄に質問があったので回答したいと思います。
『パウリーニョはチームフィットの観点、戦術の変遷、カンテラ台頭の阻害、現有戦力の価値の毀損、様々な観点から不安感が強いです。そこで、管理人さんに質問です。
パウリーニョは活躍できるか。
活躍したとして、そのバルサはバルサらしくあるか。
そしてこれは思いたく無い事ですが、メッシがいる限り、チームとしてのトランジションが改善する事など無いのか。
管理人さんの意見をお聞かせ下さい。』
貴重なコメントありがとうございます。
コメント欄は記事の下にあります。質問や疑問点だけでなく思ったことなど何でも書いて頂けるとありがたいです。
■ 目次
見解・回答
1で「パウリーニョがバルセロナで活躍できるか」
2で「パウリーニョが活躍するバルサはバルサらしくあるのか」
3で「メッシのいるバルサはトランジションで改善することがあるか」
について書いています。
1、試合に出場すれば活躍の可能性は十分ある
まずパウリーニョがバルセロナで活躍できるかについてですが、バルベルデ監督が起用して試合に継続的に出場すれば活躍する可能性は高いと思います。
バルセロナの目指すサッカーとは確かにタイプの違う選手ではありますが、実力がある選手だけにピッチ上ではバルセロナの勝利に貢献する確率は高いと思います。
フィジカルの強さからくる対人の強さ、また守備の読みも鋭そうなので、攻撃から守備への切り替え時にパウリーニョの存在感は強く光ると思います。
パウリーニョが100%活躍するとは言いませんが、バルベルデ監督はボールを失った後のプレスにこだわりがあり厳しそうですし、そこの部分でパウリーニョはとても活きる選手です。
それ以外の部分でも活躍できる実力のある選手だと思うので、ある程度試合に出場すればバルサファンからの信頼を勝ち取れる選手になると思います。
現状パウリーニョのバルセロナでの活躍を最も妨害しそうなのが「バルサファン」です。
認めたくないのか少しでも悪いプレーをすればすぐさまブーイングを飛ばしそうな可能性もあり、そうすればバルベルデ監督も起用しずらくなってパウリーニョが試合に出場する機会が減って活躍は無理でしょう。
ペップ時代のチグリンスキーがこのパターンに該当します。アトレティコ戦に出場してアグエロにボコられてチームが敗戦し、その試合でバルサファンから多くのブーイングを喰らってペップが起用しなくなったという経緯がありました。
もしかするとチグリンスキーは試合に起用し続ければ活躍していた選手だったかもしれませんが、この時点でバルセロナでの選手生命は終わりました。パウリーニョもこの可能性は否定できないと思います。
サポーターの応援の仕方はチームや選手にダイレクトに影響するので、バルセロナにとって何が一番良いのかを考えて応援していただけたらなと思います。
2、バルサらしさが「華麗なパスサッカー」なら、バルサらしさは少しなくなる
次はパウリーニョが活躍するバルサはバルサらしくあるのかについてで、この「バルサらしさ」という意味を「華麗なパスサッカー」と捉えているなら、バルサらしさは少しなくなると思います。
パウリーニョは創造性に優れた選手ではないことは確かですし、パス回しもそこまで難しいプレーはできないでしょう。
シャビの代わりと思ってパウリーニョを見る人はいないと思いますし、パウリーニョが中盤に入ることでペップバルサの時のようなサッカーになることはないです。
狭いエリアで華麗なボールタッチや人を驚かすようなプレーも少ないでしょう。それを求めるならイニエスタを起用した方が良いです。
パウリーニョにはパウリーニョの役割があって、チームは選手の出来ることを考えて作っていくことが基本になると思っています。
パウリーニョの役割についてはムンドデポルティーボのアナリスト、ロボ・カラスコ氏が「パウリーニョはライカールト時代に、バランスをもたらしたダービッツと同じようなアイデア」という見解を述べてくれていました。
バルセロナのダービッツの存在を知らない人もいるかもしれないので少し説明します。1月の冬の市場で中盤に汗かき役のダービッツが入ったことで、シャビがひとつ前のポジション(現在のCHでも攻撃的な役割)でプレーできるようになりました。
バルサはそこからシャビのパスを起点に多くのチャンスを作り、ロナウジーニョの活躍もあって後半戦に大きく巻き返しました。シャビは若い頃はブスケツやグアルディオラみたいに中盤の底でプレーしていたので、この時代からシャビは本格的にCHのポジションでプレーし始めました。
話が脱線しすぎるのも良くないので話を戻すと、パウリーニョはバルセロナで主に守備面で貢献して、チームにバランスや安定感をもたらしてくれる選手になるなのではないかと思います。
バルセロナの攻撃のボール保持というポゼッション時では華麗なプレーは期待できないと思いますが、バルセロナを違った側面から強化してくれる選手だとは思います。
「バルセロナの勝利<華麗なパスサッカー」という考えを持っている人がいるかもしれませんが、個人的には「チームの勝利を最優先に考えるチーム作り」を希望しています。
クライフ氏がいたら「見ていてファンを楽しませないチームは認めない!」と怒りそうですが、バルセロナが完全にパスサッカーを捨てることはありませんし、それを完全放棄しない限りはチームに変化をもたらすことも一つの策としてありだと思っています。
3、トランジションの改善はメッシがいようがいまいがチームが本気でやれば出来る!
最後にメッシのいるバルセロナがトランジションで改善できるかについてです。
まずトランジションとは、簡単に言えば「攻守の切り替え」のことです。
また、守備から攻撃に転じる切り替えを「ポジティブ・トランジション」、攻撃から守備に転じる切り替えを「ネガティブ・トランジション」と言います。
今回の質問は恐らくネガティブ・トランジション(攻撃から守備に転じる切り替え)のことを聞いていると思うので、そちらに焦点を当てます。
結論から言うと、メッシがいようがいまいがトランジションの改善はできると思っています。
ペップバルサの時にお世辞にもメッシは積極的に守備に参加しているとは言えませんでしたが、それでもペップバルサのトランジションは素晴らしいものがありました。
なのでメッシがいるから出来ないという可能性は低く、過去にそれを達成した経験があるので改善することは可能とみています。
エンリケバルサの時はプレスを強化するというよりも、最後のシーズンはチームがずるずる下がって守備をしてしまうということもありましたが、バルベルデバルサは鬼プレスを取り戻そうと挑んでいます。
レアル・マドリード戦では相手が強くそれがはまりませんでした。まだバルセロナの方も選手の動きが馴染んでいなかったので体が自動的に動かず、チームとして出来上がっていないので良いトランジションとは言えないかもしれません。
それでもプレシーズン初戦から比べればチームの完成度は上がってきていますし、トランジションを現段階で改善できているかを判断するのはまだ早いと思います。
バルベルデバルサが本気でトランジションの改善(鬼プレスの復活)を目指せば、メッシがいようがいまいがができると思います。
時間は掛かるでしょうが、バルベルデの力なら大丈夫と判断しています。またバルベルデ監督の評価をするのも時期早々です。
トランジションが改善すれば、バルセロナは強さを取り戻す可能性は高いです。
攻撃と守備は常に連動しているもので、守備が良くなれば攻撃も自ずと良くなります。例で言うとシャペコエンセ戦なんかはバルサのプレスが良かったですが、自ずと高い位置でボールを奪い返すので攻撃力もさらに活きます。
これは前からプレッシャーをかけるチームだけに当てはまるのではなく、下がってカウンターを狙うチームでも自分達が狙っているところでボールを奪ってカウンターで得点も多く狙えるでしょう。
逆に言えばどちらかが悪ければもう片方も悪くなるので、守備を改善すると攻撃もある程度の所まで改善するとみています。
そういう意味でバルベルデがプレスの強化に力を入れているのは理にかなっていると思います。また、バルベルデバルサは高い最終ラインでコンパクトに守ろうとしていますし、その裏を簡単につかれない限り良いサッカーになる予感がしています。
バルセロナが苦戦する時は攻撃で相手を崩せないというよりも、守備で苦しむ時が多いと感じています。バルサの心配点は攻撃よりも主に守備なので、やはりバルベルデが守備の改善に力を入れているのは好感が持てます。
こんにちは。いつも楽しく拝見しております。
移籍市場が締切に近づいている中、コウチーニョへの約160億のオファーが断られてしまいました。
またデンベレの移籍交渉も停滞している現状です。
私個人の意見としては、コウチーニョ獲得は巨額のオファーをもってしても無理なため、もう諦めています。
ただ、フロントが全く補強しないというのもスーペルコパの内容からしてもないかと思います。
管理人さんは、現実的に見て今夏の補強はどういった形で終わると思いますか?
デンベレ、コウチーニョの両方(もしくは片方のみ)を粘るのか、別のターゲットに変えるのか、はたまた誰も取らず現状戦力で戦うのでしょうか?
パウリーニョにかんしては、過去のSNSでの発言も問題視されてましたから、よりクレの反発は高いでしょうね。