《質問》レガネス戦は3-4-3で敢えて挑み、中盤を省略してMSNに攻撃をゆだねた?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

「通りすがり」さんより

「勝利後のコメントなので話半分ですが、エンリケはレガネスの「前プレ+ディフェンスラインの高さ」に対抗すべく3-4-3で敢えて挑み、バルサ側の攻撃はMSNの破壊力にゆだねた、という解釈もできそうですが、どうでしょうか?

試合中に、エンリケの「ディフェンスラインの背後にボールを送れ」的なジェスチャーが多々ありました。

後半も完全に4バックに戻したのではなく、アルバのスタート地点が下がった、ぐらいの感じに見えました。」

「通りすがり」さんコメントありがとうございます。

見解・回答

・ルイス・エンリケの試合後のコメント

まずはルイス・エンリケのレガネス戦の試合終了後のコメントをまとめて載せたいと思います。

「我々を悩ませる難しい相手に対して重要な勝利だった。スペースを上手く利用出来た。

今日は相手がプレッシャーをかけてきたので、我々はスペースを見つけねばならなかった。この数試合において、あまりポゼッションに関心がない。よりゴールをあげるため、チャンスを作る。もし、それが鋭くなければピンチを生むということになる。

ライバルが何をするかによって、チームの機能は変化させていく。こういった試合でポゼッションはあまり興味のないことだ。スペースを生かし、また1対1の状況を生み出さなければならなかった。

ブスケツは代表戦でも休んでいなかったので、休養を与えねばならなかった。だから、彼が休むこうした試合の中で新しいシステムを試した。

3バックは守備面で苦しむというハンディキャップを背負う。守備で3対3の状況を強いられるのはリスクのあることだが、今回はうまくいったね。彼らもまた、我々のストライカーたちとそのような状況となったが、優れていたのはバルサの方だった」

少し重複している部分はありますが、大体こんな感じのコメントを残していたはずです。

 

・3-4-3にした意味がどこにあったかは正直不明

まずはルイス・エンリケがレガネス戦で3-4-3を敢えて使用した話ですが、上記のコメントからもブスケツを休ませる関係性が強かったのでしょう。個人的にはマスチェラーノやラキティッチ辺りに中盤のアンカーをやらして戦えば十分だとは思いますが、ルイス・エンリケには違う考えがあったのでしょう。

レガネスの戦い方を考えてルイス・エンリケは3-4-3を使用したと発言していますが、WOWOWの解説者であった羽中田氏が言っていた通り、レガネスの前線からのプレスはバルサ(ルイス・エンリケ)にとっては予想外の戦い方だったように思います。

自分もレガネスの見れたプレシーズンのビジャレアル戦、第2節のアトレティコ戦ではハーフライン付近でプレスを強めた、ある程度待ち構えてボールを奪う守備の4-4-2でレガネスがバルサ相手に戦ってくると予想していました。あれだけ前線から3-4-3のタイトなマンマーク気味で、プレッシャーをかけてくることは頭の中にありませんでした。

ルイス・エンリケがコメント通りある程度レガネスの前からのプレスを想定していたなら、バルサが4-3-3で戦えばレガネスはほぼマンマークなら3-3-4となりますがこれは少し非現実的なので、敢えて3-4-3にしてレガネスにも3-4-3のシステムにさせて1対1の状況を作りたかったのでしょう。

これだけ聞いたらルイス・エンリケの方が1枚上手に思えますが、試合を見る限りどっちが勢いがあって試合を思い通りに進めていたかというと明らかにレガネスの方だったように思います。

レガネスが自分や羽中田氏のようにハーフライン付近で高い最終ラインで待ち構えた守備組織をしてきて、バルサが中盤でボールを受けるポイントをいつもより1つ多く作りたかったのであれば3-4-3は頷けます。また、レガネスが2トップと予想もしていたので、3バックでも1人余るので十分だったというのも3-4-3にしたのは頷けます。

ルイス・エンリケが試合後のコメントに残している通り、スペースを活かし1対1の状況を作るのに3-4-3を使用したのは自分にはよく意味は分かりませんね。自分のサッカーの視点やレベルが足りないのかもしれませんが、前からプレッシャーをかけてくる相手に不慣れな3-4-3にして1対1の状況を作るという意味合いがどこにあるかは全く分かりません。

レガネスの前からのプレスを見てさらに3-4-3気味でプレスをかけてくるのが分かったので、アルバが最終ラインに入って最終ラインだけでも数的有利の状況でパスを回した方が良かったように感じます。それでもレガネスが3-3-4の形でプレスをかけてきても、守備時に3対3の状況より4対4の状況の方が相手にスペースを与えずにバルサは守りやすかったというメリットがあったと思います。

3-4-3で試合に入って、レガネスの戦いを見れば戦い方をどこかで変更しなければいけなかったと思います。ほとんどバルサは落ち着いた時間がなかったですし、もう少しボールを保持して落ち着く時間を作りたかったというのがルイス・エンリケの本音だったと思います。

 

・バルサの攻撃は裏を突く、速攻、MSNの3人に任せた

次にバルサの攻撃はMSNの破壊力にゆだねたとありますが、これは間違いなくそうだと思います。ルイス・エンリケが試合中に「ディフェンスラインの背後にボールを送れ」という指示も、自分も見ていてその通りだと感じました。

「試合前の注目ポイント」の記事で書いているのですが、レガネスの中盤のプレスをバルサがパスのつなぎでそこまで崩せるものではないと思っていたので、MSNに早めにパスを出したりレガネスの最終ラインの背後を突くのは元々の狙いだったと思います。

それでもルイス・エンリケも試合開始からレガネスの背後を狙うのではなく、まずはボールを回して試合をコントロールしようとしたとは思います。しかし試合が10分ほど経ってもレガネスの前からのプレスは終わりそうにないので、中盤を省略してでも前にボールを送ったり、レガネスの高い最終ラインの背後のスペースを狙えと指示したのだと思います。

レガネスは元々背後のスペースに弱点がありましたし、それが4バックから3バックになってスペースもよりあったのでそこを突くというルイス・エンリケの狙いは素晴らしい判断だと思います。現にレガネスの背後を突いて前半は3得点奪いましたし。

ルイス・エンリケがコメントに残している通り、ポゼッションよりチャンスを多く作る判断は正しいと思います。チャンスを多く作りピンチを少なくするのが勝利に最も近づくので、それをルイス・エンリケは実行したのだと思います。ピンチは正直結構ありましたが、それでもMSNの決定力なら得点数で相手より上回るという自信もあったのでしょう。

 

・3-4-3という変則的な4-3-3ならしない方がマシ

最後に、後半は4-3-3気味ではなくアルバのスタート地点が下がった件ですが、正直4-3-3でも3-4-3でも呼び方は好きな方で呼べば良いと思います。最後はこのレガネス戦で採用した3-4-3についてで、正直中途半端な3-4-3だったという印象を受けたバルサファンも多かったのではないでしょうか。

中盤を本当に厚くするなら左サイドの中盤にアルバではなくアルダやデニス・スアレスの起用の方が賢明で、相手を背負ってでもパスを回せる中盤の選手を起用する方が中盤を厚くする意味合いは大きかったでしょう。

バルサはこの試合守備時になるとアルバが最終ラインに入り、ネイマールが左SHのポジションに戻って4-4-2の形に。ほとんどいつもの4-3-3と守り方は変わらず、攻撃時にポジションの配置が違っただけという印象。

今回は初めての使用で選手達も戸惑った部分はあったのですが、3-4-3でアルバを左サイドの中盤で起用するなら初めから4-3-3で何の問題が?と思うのは自分だけか。攻撃時のビルドアップや選手の広がり方などを変えれば良くて、スタートのポジションを4-3-3からスタートした方がよりスムーズに動けたのではと思います。

新システムの3-4-3、もしかしたらこれから3-5-2や4-4-2も試されるかもしれませんが、そのシステムにするのならそのシステムの強みになる選手を起用してほしい所。今までのルイス・エンリケは基本の4-3-3以外に攻撃的で得点を奪いにいく3-4-3、または怪我人の影響などで4-2-3-1なども試してきましたが、この時は特に問題はなかったように思います。

今回のレガネス戦の3-4-3(変則的な4-3-3)は、正直中途半端で何の意図があったのかは自分には伝わらなかったです。そして恐らくバルサファンの中でも今回の3-4-3に自分と同様にどういう狙いがあったかや、どんな戦い方がしたかったかということが分からなかった人がいると思います。

 
 

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