《疑問》中盤の選手が飛び出さないバルサはスペクタクルが不足する?

コメント欄に質問があったので回答したいと思います。

「メシコシ」さんより

16/17リーガ第15節 12/10 オサスナVSバルセロナ 試合結果・評価の試合に対して

『お疲れ様です。
自分なりにこの試合を見て思ったのですが、ブスケが下りて3バック、5バックのような、まあよく見る形ではあるんですが、そのシーンがすごく多かったような気がします。
そしてこの時、ブスケの位置にゴメスが下がりボールを意識的に受けているような気がしました。
あまり飛び出さないゴメスを見てると、ブスケ、アロンソの2ボランチ時代のスペイン代表を思い出し、スペクタクルがより不足しそうで不安です。』

「メシコシ」さんコメントありがとうございます。

見解・回答

・パスの中継地点として下がってボールを受けるアンドレ・ゴメス

オサスナ戦はアウェイでの試合でしたが、バルセロナがボールを支配して敵陣手で試合を進める時間が長かった試合ですね。オサスナが2トップ(少し縦関係でしたが)だったので、そこまで多かった印象はありませんがブスケツがCBの間に下りてパス回しをする機会が見られました。

いつもはバックラインからのパス回しのサポートに、中盤のアンカーのブスケツが常に間でサポートしているわけですが、ブスケツが下がっている時はアンドレが低い位置でボールを捌く機会がありました。

それはオサスナと中盤の中央で2対2の状況ということもあり、相手の守備組織を少し崩す意味でも、バルサは中盤を時より縦関係にしたという意図もあったでしょう。

そしてなにより中盤からボールを前線や、サイドの高いポジションに位置していたSBにパスを供給するという意味合いが、一番大きかったのは間違いないと思います。俗にいうパスの中継地点の役割と言うやつですかね。

ブスケツが最終ラインに吸収されていることでアンドレが下がってその役割を担っていたのは、ある程度仕方のなかったことだとは思います。バルサが3バック陣形でパスを回す時の強みは最終ラインからの安定したパス供給(ビルドアップ)でありますが、中盤のアンカーにブスケツがいないので最終ラインとセントラルの選手との距離感が広くなり、その為誰かが下がってパスを受ける状況は見られてしまうのかなと思います。

そういう意味ではデルボスケのスペイン代表みたいに、ダブルボランチシステムに近かったのかもしれませんね。アンドレは中盤のアンカーでプレーするとシャビ・アロンソに近いプレースタイルですし、余計そう感じたのかもしれません。

 

・3バック陣形になると中盤の飛び出しの攻撃の厚みはどうしても減る

最近のアンドレ・ゴメスの中盤のセントラルでプレーする時に下がってプレーする機会が多く、飛び出しが減ったのはアンドレ自身の問題だとは思いますが、今回は3バック陣形なので個人の問題は考えません。

3バック陣形になると中盤が2枚になり、バルサは中盤にスペースを空けない為にも前線へ飛び出す機会が減るのは間違いないです。それは中盤が1枚になると基本的にスペースをカバーしきれない意味合いが大きいです。

ブスケツならある程度カバーしてプレーできるかもしれませんが、それでもイニエスタが左側をフォローしていたり、右側をラキティッチがカバーしているので中盤に大きなスペースを与えない要因になっています。

中盤にスペースを与えない目的としてはセカンドボールを拾える、そして攻守の切り替えを素早くしてプレスがかけられる利点があります。バルサが何度も攻撃をする波状攻撃というのもありますが、それはバルサの中盤の選手がしっかり気を利かしてフォローしたり、守備をしてくれていることが大きな要因と言えます。

そして中盤でパスをつなぐのに1人では展開しきれないという1面もあります。パスを出す距離感が長くなるので狙われやすいですし、メッシがいとも簡単にやっているサイドチェンジはみんなが簡単に出せるパスでもないですし。

ブスケツやアンドレも速いボールを蹴れ、パスの展開する力は普通の選手に比べて凄いのですが、中盤に2枚いた方がスムーズなのは試合を見ていて間違いないです。飛び出した選手や前線の選手が中盤に素早く降りてプレーすれば解決しそうですが、タイミング的にパスを出せずに後ろにボールを下げてしまう機会は多くなるでしょう。

どうしてもバルサの中盤には守備時も攻撃時も2枚は最低必要だと思うので、中盤の選手の飛び出しは減るのは仕方のないことだと思います。最近はメッシが中央でプレーする機会が多いので、メッシが中盤でプレーしているときは中盤の選手は飛び出す良い機会だとは思いますが、連携面もあるので現状ではラキティッチぐらいが出来そうという感じを受けます。

バルサの3バック陣形自体そこまで多くないので、普通はブスケツが中盤のアンカーでプレーする機会が多いのでこういう心配はしなくても良いとは思います。バルサが3バック陣形の時は攻撃で得点を取ってやるというより、ボールを保持して試合を落ち着かせたい場面が多いのかなとは感じます。

また、時間帯では相手の速攻に対応する為にもブスケツが最終ラインに入って3バック陣形でパスを回して、時間と相手のスタミナを奪うというのもありだと思います。昨季のシーズン終盤のリーグ戦ではこういうシーンみられていました。

 

・現在のバルセロナは中盤<前線のMSN

最後に「スペクタクルが不足して不安です」という件ですが、中盤の選手が前線に飛び出さないからといってスペクタクルが失われる機会は少ないと思います。

このCLとリーガの直近の2試合ではバルセロナは良い戦いを見せており、そこまで3バック陣形ではありませんが、お世辞にも中盤の選手の飛び出しは多くなかったです。それでもSBの選手が相手の裏へのランニングが出来ており、中盤の選手がカバーしている為、SBはより攻撃的にプレー出来ていると思います。

中盤の選手もメッシが持っている時に飛び出せるなら尚良しなのは間違いないですが、サイド攻撃が機能していて今のバルサは良い感じです。中盤での細かい崩しなどは減ってきていますが、それはシャビがいなくなってからなのかなと思います。

むしろ前線にMSNという相手の守備を破壊できる3選手がいるのだから、この3選手にシンプルに頼って良いです。最近バルサファンはこの3人を見慣れて忘れかけていますが、この3人の存在感は相手からしたら圧倒的です( ̄▽ ̄)

この3人だけで崩すシーンも珍しくありませんし、2人しかいなくても十分に勝てる(得点を取れる)だけのサッカーも出来るでしょう。アルダが前線起用でとても良い感じなのもありますし。

あまり多くのバルサファンは好きではないのかもしれませんが、相手陣地に侵入して攻撃できるなら最後はMSNが勝負を決めてくれる仕事をしてくれるはずです。この3人を見ているだけでもなかなかのスペクタクルな部分はあるのかなと思います。ルイス・エンリケが「呪文さえ唱えておけば、勝手に前の3人がゴールを決めてくれる」みたいな発言もしていましたね。

「バルセロナ=中盤が強み」みたいな印象もありますが、現状の戦力からしてやはりバルセロナの今のウリは前線のMSNで間違いないです。自分達のストロングポイントを前面に出して勝利を狙うのは普通のことで、今のバルセロナは中盤が最大の強みというチームではなくなっています。

 
 

1 Responses to “《疑問》中盤の選手が飛び出さないバルサはスペクタクルが不足する?”

  1. レト より:

    ネイマールの左サイドはまだしも、メッシの右サイドはどうしても守備のバランスを考慮する必要がありますからね。
    点を取りにいかなければならない局面ならまだしもそれ以外ではちょっと勇気がいると思います。
    左サイドならゴメスはデニスよりも必要とされるプレーが出来ている気がします。
    デニスは中盤のビルドアップよりもサイドに飛び出していくプレーに強みがあるのでは。

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