《質問》獲得間近になっているコウチーニョがバルセロナに及ぼす影響は?
コメント欄に質問があったので回答したいと思います。
『コウチーニョ評を聞いてみたいです。
以前にレベルは違えどデニススアレスも同じようなタイプなので高額な移籍金で獲得する必要はない、と仰っていましたが、今でもやっぱりそうですか?
獲得しても、現在の陣容でメッシ、スアレス、デンベレ、コウチーニョが先発しようものならバランスが崩れ、せっかく整った守備組織にほころびが出そうで心配です。』
貴重なコメントありがとうございます。
コメント欄は記事の下にあります。質問や疑問点だけでなく思ったことなど何でも書いて頂けるとありがたいです。
■ 目次
見解・回答
1で「コウチーニョ獲得でバルセロナの戦力数値は105」
2で「コウチーニョ獲得に反対の3つの理由」
3で「もし獲得したならカンテラ重視という言葉を捨てるべき」
について書いています。
ここで結論的にはなってしまいますが、いまだにコウチーニョ獲得には反対のスタンスです。
そのことを踏まえてこの先はお読みください。
1、コウチーニョ獲得でバルセロナの戦力数値は105
コウチーニョがバルセロナに加入すると、現段階でスタメンになる可能性は高いと思います。
実力は間違いなくありますし、今のバルセロナの在籍する選手の中でも実力は上位に位置するでしょう。
コウチーニョを起用するとなるとチームのバランスを取るのは確かに難しいです。
デンベレ、コウチーニョ、メッシ、スアレスの4人の同時起用は見てみたいアタッカー陣ですが、現実的に守備面ではチームがバランスを崩すと思います。
そうなると誰かをスタメンからはじくわけですが、ほぼ間違いなくデンベレになるでしょう。デンベレを強く推している自分にとってはここも反対の理由ですかね。
コウチーニョを獲得すると選手層、選手の質としてバルセロナがパワーアップするのは間違いないですが、それを数値化すると
現在のバルセロナが100とすると、それは105の5%アップ程度になるとみています。
この5%アップがこの冬に必要な補強だと思うならコウチーニョを獲得すべきだと思いますが、バルセロナの若手選手達を試合に起用して成長させたらもっとチーム力はアップすると思います。
それは少し長い目ですが115以上にはなるとみています。
すぐさまバルセロナの戦力をアップさせたいならコウチーニョ獲得は良い補強かもしれません。
しかし、将来的にバルセロナを見たらコウチーニョ獲得はどうかなと今でも思っています。
2、コウチーニョ獲得に反対の3つの理由
ここではコウチーニョ獲得に反対の3つの理由を書いていきます。
①1億ユーロ以上も支払って獲得する選手ではない
まずコウチーニョ獲得の反対の大きな理由は、その高額な移籍金です。
今ではその額が1億5000万ユーロとも噂されていますが、バブルなサッカー界の今の移籍市場でもコウチーニョ獲得には8000万ユーロまでが限界でしょう。
コウチーニョがそれほど支払って獲得するべき選手なら支払う価値もあると思いますが、はっきり言ってその価値はない。
コウチーニョをこの額で獲得するなら、バルセロナの重要な試合で活躍を間違いなくしてくれる選手だろうという証になります。
今までコウチーニョが個人のパフォーマンスでチームを勝たせたという印象を自分は受けたことがありません。
スアレス、メッシ、ネイマール達はバルセロナでも代表チームでも頼れる存在でチームを勝利に導いてきました。ブスケツ、イニエスタは中盤で違いを生み出す選手として毎試合期待できます。
コウチーニョにこの役割を期待できるのかと聞かれれば、その実績も確証もないです。コウチーニョを戦力アップの為のチームの一員として受け止めるならそれは可能です。
しかし1億ユーロを超える移籍金で獲得するのなら、なにかしらの「違い」をみせないと獲得には反対です。
改めて言いますが、コウチーニョはその「違い」を生み出す選手ではないという評価をしています。
②若手選手の成長に妨げになる
上記にも書きましたが、コウチーニョを獲得したらスタメンで起用されるでしょう。
そうすれば若手選手の成長の妨げになるのが2つ目の理由です。
デニス・スアレス、ラフィーニャ、アンドレ・ゴメス、もしかするとデンベレの出場時間を奪う可能性があります。
そこまでの選手という評価でありますし、移籍金の高さ含めたら若手選手に賭けるほうが良策と判断しています。
もともと現在のバルセロナには有望な若手選手が多いと判断しているので、超一流以外の選手の補強にはもともと反対です。
出場機会で言うと最も影響するのはデニス・スアレスでしょう。
今まで相手の守備ブロックを崩すために、デニスの途中投入というのは何度も頭に浮かぶ交代策でしたが、コウチーニョがピッチにいるのならデニスを使う意味が果たしてあるのか。
デニス投入でさらに狭いエリアや攻撃にアクセントを必要するなら、途中投入という策は考えられますが、はたしてバルベルデ監督がその交代策をするかは疑問が残ります。
今でもデニスの出場機会をもう少し増やしてほしいと思っている中で、コウチーニョを獲得するとデニスは後半戦ほぼ出場機会を与えられなくなるのではないかと心配しています。
③成長を妨げる以上に若手選手の放出につながる!?
そして3つ目の理由として、若手選手がバルセロナを離れてしまうことを危惧しています。
「バルセロナのカンテラ選手ならチームに残ってくれるだろう、若い選手だから今のベンチという状況に理解を示してチームに残ってくれるだろう」と考えている人もいるかもしれませんが、
現実は出場機会がなければその選手は他のチームへの移籍を考えるものです。
これはカンテラ選手なら少し我慢してくれる程度で、カンテラ選手でも出場機会がなければ移籍を決断します。
有望な若手選手の流出、そしてユース年代でプレーしている若い選手達に、今のバルセロナのトップチームには昇格できないだろうという気持ちを抱かせることは大きなマイナスにつながると思います。
コウチーニョ獲得に少し強引にこじつけているのですが、コウチーニョ獲得の意味は
「若手選手に賭けずに即戦力でバルセロナは対応します」
という証になるように感じています。
3、もし獲得したならカンテラ重視という言葉を捨てるべき
バルセロナというクラブはクライフ氏が監督に就任してからユース年代であるカンテラを重視してきましたし、そういうクラブに誇りを持っているバルサファンも多いでしょう。
その誇りを大事にするのなら、トップチームで活躍が期待できるカンテラ選手がいるのならその選手達に賭けるべきではないかなと思います。
ラフィーニャ、デニス・スアレス、セルジ・ロベルトという中盤でプレーする選手達は、バルサスタイルを体現する選手ですし、チームに残さなければ大きな損失につながります。
もしこの3人のサッカー選手としてのポテンシャルに満足しない人がいるのならば、その人を満たすカンテラ選手は10年に1人くらいしか出てきません。
そう感じてコウチーニョ獲得のように外部からの補強に頼りたいと思うのなら、もう
「カンテラ重視のバルセロナ」
という言葉は捨てるべきです。
サッカーにおいて勝利は最も重要で追い求めるものですが、
チームとしての成長、選手としての成長、カンテラ選手の活躍などバルセロナにはみるべき楽しいポイントはたくさんあるものだと信じています。
バルセロナというクラブに、カンテラの存在は今では切っては切れないものになっています。
それを排除しようとする行動はバルセロナのファンとして好ましくないように感じます。
PS.
ここまであまりにもネガティブな内容が多かったのですが、コウチーニョを獲得したらもちろん応援しますよ。
バルセロナの選手なら誰でも応援しますし、コウチーニョのような良い選手なら尚更です。
新年に入ってチーム状況が落ち込むかもと心配していましたが、現在のところ心配なしなので、チームはこのまま良い状況で進んでいってほしいものです。
移籍金は明らかに高すぎますし、冬の補強でありながらCLで使えない選手を獲るメリットもわかりません。フロントの計画性の無さは本当に相変わらずだと思います。
ただし、今のバルサはイニエスタの加齢もあり露骨なまでのメッシ依存ですし、控えの中盤も後継者としては全体的に力不足なので繋ぎの存在として即戦力が必要とされるのもまた事実です。
今のバルサは「ソツがないが、怖さもないチーム」ですから。
願わくば夏に補強を成功させるか、フェキルあたりを獲得して欲しかったです。
初投稿になります。いつもこのブログを楽しく読ませて貰ってます。
グリーズマンについて質問なんですが、バルサが獲得を狙っているという報道がありました。良い選手ですが、今のバルサに絶対に必要なんだろうか?と個人的に思ってます。
管理人さんはどう思ってるのか知りたいです!
お答えいただきありがとうございます。
バルサをバルサたらしめるものは何なのか。勝利なのか、カンテラなのか、ポゼッションなのか、はたまた……。
人それぞれバルセロナに対する考え方、こうあるべきと言う理想像は違うので難しいところですね。
私はクライフスタイルのポゼッションサッカーの体現を重視しています。
ケンジさんと同じように、バルサスタイルに合う超一流(もしくはそのポテンシャル)の選手なら獲りに行っても構わないですが、問題は果たしてコウチーニョはそうなのか?
リヴァプールでのコウチーニョは超一流だと私は思っていますが、バルセロナではどうなるんでしょうね。
見てみたい気持ちが大きいですが、せっかくそのポテンシャルを徐々に解き放ってきているデニスを犠牲にするとなると複雑な気持ちです。